アメリカ社会科における価値学習の展開と構造
民主主義社会形成のための教育改革の可能性
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10,450
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序章 本研究の目的と方法
第1節 研究主題
第2節 本研究の背景
第3節 本研究の意義と特質
第4節 研究方法と本書の構成
第1章 価値の本質と価値学習の類型
第1節 価値と学校教育
第2節 学校教育(教科教育)における価値学習の変遷
第3節 価値学習の4類型
第4節 「知的作法」について
第2章 民主主義社会の形成者育成における宗教的価値学習の特質と課題
第1節 合衆国における宗教的価値学習の概要
第2節 「非通約的多元主義型」宗教的価値学習:『世界の宗教』の場合
1.『世界の宗教』の内容構成―宗教・宗派別構成―
2.『世界の宗教』の授業展開―諸情報の包括的理解―
3.「非通約的多元主義型」宗教的価値学習の特質
第3節 「通約的多元主義型」宗教的価値学習の:『比較宗教』の場合
1.『比較宗教』の内容編成―テーマ別配列―
2.『比較宗教』の授業展開―比較による宗教間の共通性の発見―
3.「通約的多元主義型」宗教的価値学習の特質
第4節 宗教的価値学習の特質―価値の批判的吟味・価値の回避―
第3章 民主主義社会の形成者育成における思想的価値学習の特質と課題
第1節 合衆国における思想的価値学習の概要
第2節 「適応主義型」思想的価値学習:『人間の価値』の場合
1.『人間の価値』の内容編成―8つの価値が関係する物語の羅列―
2.『人間の価値』の授業展開―物語から教訓となる価値を学ぶ―
3.「適応主義型」思想的価値学習の特質
第3節 「構成主義型」思想的価値学習
第1項 「文脈主義」系:『思考への扉』の場合
1.スタールの教育論と『思考への扉』
2.『思考への扉』の内容編成
(1)内容構成原理―日常生活の人間哲学的課題の議論による編成―
(2)内容配列原理―時代的特色に応じた課題設定―
3.『思考への扉』の授業構成
(1)授業展開―歴史上の著名人の思想分析とその批判―
(2)思想分析手法の獲得と批判的思想形成
第2項 「非文脈主義」系:『フェミニズム』の場合
1.レオーネの教育論とISMシリーズ
2.『フェミニズム』の内容編成―性差の自明性に迫るジェンダー教育教材―
(1)『フェミニズム』の内容配列原理―ジェンダー論争の時系列的配置―
(2)『フェミニズム』の内容選択原理―論争を踏まえた男女共同参画社会のビジョン構想―
3.『フェミニズム』の授業構成―中心的課題を多角的視点で考察する過程―
第3項 「構成主義型」思想的価値学習の特質
第4節 思想的価値学習の特質―個人の枠内にとどまる価値の構成―
第4章 民主主義社会の形成者育成における文化慣習的価値学習の特質と課題
第1節 合衆国における文化慣習的価値学習の概要
第2節 「非通約的多元主義型」文化慣習的価値学習:『国と文化』の場合
1.『国と文化』の内容編成―包括的・網羅的な国家単位別の異文化理解―
2.『国と文化』の授業構成―クイズによる個別情報の着実な定着―
3.「非通約的多元主義型」文化慣習的価値学習の特質
第3節 「通約的多元主義型」文化慣習的価値学習
第1項 「異文化間比較」系:『世界文化』の場合
1.『世界文化』の内容編成―諸地域の人間の行動様式の比較―
2.『世界文化』の単元構成・授業構成―差異性と共通性の発見―
第2項 「超異文化間比較」系:MACOSの場合
1.ブルーナーの教育論
2.MACOSの内容編成
(1)全体計画―生物進化の歴史から人間の条件を認識する―
(2)ブルーナーの「学問の構造」論とMACOS―学習者による「学問の構造」の構築―
3.MACOSの単元・授業構成
(1)MACOS前半部の単元構成(第1単元~第3単元)
(2)MACOS後半部の単元構成(第4単元と第5単元)
(3)MACOSの授業構成―開かれた探究活動―
第3項 「通約的多元主義型」文化慣習的価値学習の特質
第4節 「構成主義型」文化慣習的価値学習:『文化の関係』の場合
1.『文化の関係』の内容編成―文化テーマ別の配置―
2.『文化の関係』の授業構成―異文化間の比較と討論―
3.「構成主義型」文化慣習的価値学習の特質
第5節 「社会改造主義型」文化慣習的価値学習:『文化の衝突』の場合
1.ラーナーの教育論と『文化の衝突』の内容編成―世界の文化接触による論争問題から成る構成―
2.『文化の衝突』の授業構成―実際の議論を踏まえた判断―
3.「社会改造主義型」文化慣習的価値学習の特質
第6節 文化慣習的価値学習の特質と課題―判断基準なき社会的価値の創造―
第5章 民主主義社会の形成者育成における法規範的価値学習の特質と課題
第1節 合衆国における法規範的価値学習の概要
第2節 「適応主義型」法規範的価値学習
第1項 「教養主義」系:『憲法の学習』の場合
1.『憲法の学習』の内容編成―合衆国の法規範に関する包括的理解―
2.『憲法の学習』の授業構成―法規範の「意味」や「意義」の理解―
3.「教養主義」系法規範的価値学習の特質
第2項 「生活是正主義」系:『私の尊厳、あなたの尊厳』の場合
1.『私の尊厳、あなたの尊厳』の授業構成
2.「生活是正主義」系法規範的価値学習の特質
第3項 「適応主義型」法規範的価値学習の特質
第3節 「社会改造主義型」法規範的価値学習
1.コールバーグの道徳性発達論と『今日と明日への決断』
2.『今日と明日への決断』の内容編成―科学技術が生み出す公的論争問題中心の構成―
3.『今日と明日への決断』の単元構成・授業構成―見解の相違を整理する―
(1)第8単元「食糧と農業」の社会背景
(2)現状認識相違の分析
(3)選択肢の選択
第2項 「法的判断」系:ハーバード社会科の場合
1.オリバーの市民的資質論
2.ハーバード社会科の内容編成
(1)問題―主題アプローチの場合―テーマ別配置・成立過程順配列―
(2)歴史危機アプローチの場合―歴史的事件の通史的配置―
(3)全体計画―合衆国の伝統的な通史学習に各単元を組み込む―
3.ハーバード社会科の授業構成
(1)授業展開―一般的・普遍的な法規範的価値基準の構築―
(2)法規範分析手法の獲得と普遍的な法規範的価値の形成
第3項 「社会改造主義型」法規範的価値学習の特質
第4節 「根源主義型」法規範的価値学習:『法と王冠』の場合
1.『法と王冠』の内容編成―各種法原理の発生順の配列―
2.『法と王冠』の授業構成―現在と過去の法原理の比較
3.「根源主義型」法規範的価値学習の特質
第5節 法規範的価値学習の特質―教室集団による普遍的価値の創造
終章 民主主義社会の形成者育成における価値学習の特質と課題
第1節 研究成果の総括
第2節 研究の示唆するもの―価値学習の原理と方法―
1.価値学習の領域依存性
2.価値学習を学校教育(教科教育)の中心に位置付けることの意義
あとがき
参考文献