現代アメリカ立憲主義公民学習論研究
憲法規範を基盤とした幼稚園から高等学校までの子どもの市民性育成
定価:
10,450
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9,500
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序章 本研究の意義と方法
第1節 研究主題
1 本研究の目的
2 研究対象としての公民学習
第2節 本研究の意義と特質
第3節 研究方法と論文の構成
1 研究の方法
2 論文の構成
第1章 立憲主義公民学習の論理
―現代アメリカ公民教育改革論を手がかりに―
第1節 公民学習の原理としての憲法規範
1 憲法規範を基盤とする市民性育成の起源
2 アメリカ合衆国憲法と公民教育
3 憲法規範に基づく市民性育成の方向
第2節 教育目標―政治的社会化と政治的個性化―
1 政治的社会化研究が公民教育に示唆するもの
2 社会科教育研究における政治的社会化に関する研究
第3節 子どもの市民性発達と5つの公民学習原理
1 子どもの市民性発達
2 公民教育カリキュラム・シーケンスとしてのコールバーグ理論
3 立憲主義公民学習の5つの学習原理
第2章 規範理解型公民学習
―社会と正義概念の研究による憲法規範の理解―
第1節 社会と正義概念の研究による憲法規範の理解
第2節 幼稚園における立憲主義公民学習の導入―E.チュリエルによる社会的領域論(Social Domani Theory)を手がかりに―
1 公民学習の導入の論理
2 幼児期における社会認識形成―チュリエルの社会的領域論―
3 社会的領域論に基づく立憲主義公民学習
―『キャラクター・エデュケーション:幼稚園用』の場合―
4 幼稚園における立憲主義公民学習導入の論理
第3節 小学校における立憲主義道徳学習の内容編成論
―B.ルイス『君は何を表すのか?:児童用』を手がかりに―
1 「道徳教育」と「公民教育」の統合―内容編成論―
2 行動的な市民の育成―WDYDF開発のねらい―
3 3つの学習領域による立憲主義公民学習―WDYSFの全体計画―
4 正義と人間関係のジレンマ研究―単元構成―
5 小学校における立憲主義道徳学習の内容編成の論理
第4節 立憲主義道徳学習としての市民性育成の方法
―W.デーモンによる子どもの公正概念発達論を手がかりに―
1 子どもの公正概念発達論に基づく立憲主義道徳学習の論理
2 デーモンによる子どもの公正概念発達論
3 公正概念発達論に基づく単元構成―『君は何を表すのか?:児童用』単元「公正(Fairness)」の場合―
4 立憲主義道徳学習の方法論―子どもの発達と憲法規範の論理の統合―
第5節 社会的正義学習としての市民性育成―R.C.ウェイド『社会的正義のための社会科』の場合―
1 社会的正義学習の原理―思いやり(Care)と公正(Fairness)に基づく社会認識学習―
2 R.C.ウェイド『社会的正義のための社会科』の教育原理
3 人権,民主主義,自然保護の3つのスコープ―全体計画―
4 CareとFairnessをフレームワークとする社会的正義学習―単元構成―
5 社会的正義学習としての市民性育成の特質
「第2章 規範理解型公民学習」の小括
第3章 規範体験型公民学習―社会見学による憲法規範の追体験―
第1節 社会見学による憲法規範の追体験
第2節 博物館見学学習としての市民性育成
―国立憲法センター『憲法博物館教育プログラム』の場合―
1 博物館見学による市民性育成の論理
2 博物館と教室の連携―国立憲法センターの憲法学習論―
3 憲法博物館見学を軸とする憲法と市民の歴史の体験学習
―全体計画―
4 マルチメディアを活用とした憲法の歴史と実態の追体験
―博物館見学による市民性育成の論理―
第3節 首都見学学習としての市民性育成―クローズアップ財団『ワシントンDC見学学習プログラム』の場合―
1 首都見学学習としての市民性育成
2 クローズアップ財団の公民教育論
3 『ワシントンDC見学学習プログラム』の概要
4 アメリカ合衆国における民主主義の歴史と現実の体験学習
―首都見学教育プログラム3「独立への道」の場合―
5 首都見学学習としての市民性育成の論理
「第3章 規範体験型公民学習」の小括
第4章 規範分析型公民学習
―歴史認識を通した憲法規範分析―
第1節 歴史認識を通した憲法規範分析
第2節 歴史学習としての市民性育成―M.クラッディー『自由の基礎:生きている権利章典の歴史』の場合―
1 歴史学習としての市民性育成の論理
2 『自由の基礎』の教育原理
3 『自由の基礎』の内容編成原理
4 方法論的個人主義―単元構成原理―
5 自由権の生成過程―教授・学習過程の組織化―
6 歴史学習としての市民性育成の論理―憲法の歴史の分析―
「第4章 規範分析型公民学習」の小括
第5章 規範活用型公民学習
―社会問題解決における憲法規範の活用―
第1節 社会問題解決における憲法規範の活用
第2節 憲法条文を活用した市民性育成の内容編成
―L.R.モンク『権利章典:使用者のためのガイド』の場合―
1 憲法条文の活用をめざす立憲主義公民学習
2 アメリカにおける基本的人権保障の特長
3 『権利章典ガイド』の教育目標
4 権利章典を生きた文書とするためのガイド―全体計画―
5 「権利章典」の存在意義の解明
―小単元「権利の概念」における単元構成―
6 憲法条文を活用した市民性育成の論理
第3節 開かれた法認識形成をめざした憲法条文活用学習の方法
―H.L.A.ハートの法認識に基づく授業の組織化―
1 閉ざされた法認識形成
2 開かれた法とその認識
―1次ルールと2次ルールの結合としての法―
3 開かれた法認識―単元構成―
4 法的議論学習―授業構成―
5 開かれた法認識形成による憲法規範活用の論理
第4節 憲法規範を活用した日常生活問題学習の方法―L.R.モンク『修正1条:寛容へのアメリカの青写真』の場合―
1 憲法規範を活用した日常生活問題学習
2 『修正1条:寛容へのアメリカの青写真』の教育原理―憲法規範の活用―
3 法的アプローチと道徳的アプローチの統合―単元構成―
4 憲法規範を活用した日常生活問題学習の論理
―公権力の制限規範から私人間の行動規範へ―
「第5章 規範活用型公民学習」の小括
第6章 規範批判型の公民学習
―政治システム研究による憲法規範の批判―
第1節 政治システム研究による憲法規範の批判
第2節 政治的意思決定過程の批判としての市民性育成
―J.R.フランケル『アメリカ政治における意思決定』の場合―
1 政治的意思決定過程の批判としての市民性育成
2 J.R.フランケルの政治学習の論理
3 『アメリカ政治における意思決定』の全体計画
4 権力者の批判的吟味―単元構成―
5 客観的認識と主体的評価の往復―教授・学習過程―
6 現実的な政治学習の改革
―政治的意思決定過程の批判としての市民性育成の論理―
第3節 立憲民主主義の相対化としての市民性育成―国立憲法センター/TCI『ガバメント・アライブ!権力・政治と君』の場合―
1 立憲民主主義の相対化としての市民性育成
2 国立憲法センターとTCIの協同による政治学習プロジェクト
3 主権者としての「権力制御力」の育成
―『ガバメント・アライブ!権力・政治と君』の全体計画―
4 民主主義の実践(Doing Democracy)―単元構成―
5 科学と議論による市民の育成
―立憲民主主義の相対化としての市民育成の論理―
「第6章 規範批判型の公民学習」の小括
終章 立憲主義公民学習論の意義と公民教育改革への示唆
英文資料・参考文献
和文参考文献
あとがき