明治後期の保育内容における「公正さ」に関する研究
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序章 研究の目的
第1節 問題の所在
1.保育内容における「公正さ」が含む文化的背景
2.幼児期の「公正さ」
3.保育内容における「公正さ」に関する研究の現状
第2節 研究の目的と方法
1.研究目的
2.本研究における「公正さ」の分析の視点
3.研究対象
第3節 本論文の構成
第1章 明治期の教育界における「公正さ」
第1節 明治初期・翻訳修身書における倫理観の受容と限界
1.『童蒙教草』にみられる国家に尽くす個人像
2.『民家童蒙解』にみられる混乱
第2節 明治中期・多様な展開
1.『幼学綱要』における儒教に基づく教育
2.『育幼論』における自主独立をめざす子育て論
3.『幼稚園初歩』における個人観と儒教的家族観
第2章 幼稚園の保育記録にみられる「公正さ」
第1節 愛珠幼稚園の『保育日記』および『保育要目草案』
1.明治中期の保育
2.『保育日記』にみられる幼児主体のまなざし
3.『保育要目草案』にみられる国家主義の影響
第2節 東京女子師範学校附属幼稚園の保育記録
1.明治10年代の保育
2.「保育事項実施程度」にみられる軍隊に関わる教材
3.「幼児に適切なる談話の種類およびその教育的価値」にみられる感情思想の育成陶冶
4.「幼稚園における幼児保育の実際」にみられる自己表現の評価
第3章 保育雑誌などにみられる「公正さ」
第1節 『京阪神聯合保育会雑誌』
1.京阪神三市聯合保育会における研究課題
2.「公正さ」に関わる会合内容
3.『京阪神聯合保育会雑誌』にみられる先進性と国家主義との相克
第2節 『婦人と子ども』
1.「公正さ」に関わるさまざまな記事
2.保育者執筆「保育の実際」の記事
3.『婦人と子ども』にみられる保育者の相反する主張
第4章 キリスト教保育にみられる「公正さ」
第1節 頌栄幼稚園におけるキリスト教保育
1.頌栄保姆伝道所の教育課程
2.頌栄幼稚園の保育
第2節 ハウにおける「公正さ」
1.『保育学初歩』の個人観における責任と尊敬と調和
2.『保育法講義録』における掟と自由
第3節 和久山における「公正さ」
1.『保育法講義録』における消極的指導
終章 保育内容における日本的「公正さ」
第1節 明治後期の保育内容としての「公正さ」
1.人の認識における特徴
2.事態の把握における特徴
3.解決方法における特徴
4.保育内容における日本的「公正さ」
5.今後の課題
第2節 現代保育への示唆
1.「幼稚園教育要領」における日本的特徴
2.正しさを志向する意志をもち集団を形成する主体としての幼児
引用・参考文献
謝辞