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三島由紀夫 金閣寺の世界

定価: 3,080 (本体 2,800 円+税)

三島は『金閣寺』において俗世から美を切り離し「未聞の生」の上に永遠に輝く金閣を建立した。作品を様々な角度から丹念に読み解き、その文学世界を論じた好著。

【著者略歴】
竹原崇雄(たけはら たかお)
 昭和10年生
 昭和34年  東北大学大学院文学研究科修士課程修了
 現  在  熊本県立大学教授 文学博士
※略歴は刊行当時のものです※

【主な著書】
『宇津保物語の成立と構造』(平成2年5月 風間書房)
『三島由紀夫 仮面の告白の世界』(平成6年10月 風間書房)
目次を表示します。
序章
第一章 父と私と金閣
 一 見えざる金閣
 二 残酷の美
 三 有為子物語
 四 観念の金閣 現実の金閣
 五 血塗られた金閣
第二章 戦火と金閣
 一 父の死
 二 父の怨念
 三 鶴川のこと
 四 「金剛不壊(ふゑ)」の金閣と火
 五 白い乳房の美
第三章 雪の金閣
 一 掌の記憶
 二 母の野心
 三 敗戦と金閣
 四 雪の金閣の美と残酷
 五 逆転する因果応報
第四章 暗黒の世界
 一 老師の罠
 二 悪の矜り
 三 柏木 その存在の条件
 四 柏木 美女と老婆
 五 人生への促し
第五章 人生を拒む金閣
 一 未知の人生
 二 神秘と地獄
 三 包む金閣
 四 鶴川の死
 五 嵐の中の金閣
第六章 呪咀の言葉
 一 喪中
 二 音楽の美
 三 南泉斬猫
 四 活花の女師匠
 五 金閣と乳房
第七章 残虐な想念
 一 前代未聞の未来
 二 蜂と夏菊
 三 老師と女
 四 出奔
 五 『金閣を焼かなければならぬ』
第八章 怨敵としての美
 一 見えざる海と未聞の生
 二 絆しからの解放
 三 放火犯の幻影
 四 柏木の報復
 五 美の殺戮
第九章 人生への決別
 一 「囚はれの火」の解放
 二 行為の前の不安
 三 遊郭の女まり子
 四 乳房の美の崩壊
 五 老師―天上の色
第十章 金閣炎上
 一 行為への準備
 二 虚無の美
 三 透脱自在の世界
 四 拒む金閣
 五 成就された「仕事」
あとがき
著者竹原崇雄 著
発行年月日2000年02月15日
頁数260頁
判型 四六
ISBNコード978-4-7599-1192-3