保育における幼児間の身体による模倣
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序章
第1節 問題の所在と目的
第2節 保育における身体による模倣研究の現状と課題
第3節 用語の定義
0.3.1.模倣研究の先駆け
0.3.2.模倣につながる用語や概念
0.3.3.本研究の意義に結びつく視点
0.3.4.本研究における用語の定義
第4節 研究方法
第5節 本研究の構成
第1章 幼児期における身体による模倣の機能
第1節 目的
1.1.1.目的
1.1.2.本章の流れ
1.1.3.本研究における身体表現活動の位置付けとそこでの模倣に着目する意義
第2節 方法
1.2.1.事例とエピソードの収集方法
1.2.2.模倣として抽出する事例とエピソードの定義
1.2.3.分析方法
第3節 結果:身体による模倣機能の分類
1.3.1.幼児の身体表現活動で発現する模倣機能の分類
1.3.2.幼児の日常生活で発現する身体による模倣機能の分類
1.3.3.保育者の記述エピソードの類型別頻度
第4節 考察:身体による模倣機能の特徴
1.4.1.身体による模倣:4つの機能の特徴
1.4.1.1.PatternⅠ:行為のはじめのきっかけやタイミングを求める
1.4.1.2.patternⅡ:行為をなぞらえたり,やりとりをしたりして楽しむ(状況)
1.4.1.2.ⅰ.一緒にできる楽しさの機会が保障される
1.4.1.2.ⅱ.同調することで行為が広がる
1.4.1.2.ⅲ.まねされることで他者に関心を持つ
1.4.1.2.ⅳ.まねし合うことから自己表現が息づく
1.4.1.2.ⅴ.他者と行為でつながることで世界が変わる
1.4.1.3.PatternⅢ:自分の行為,心情やイメージを意識する
1.4.1.4.PatternⅣ:自分にないイメージや行為のアイディアを取り込む
第5節 総括
第2章 保育における身体活動場面での模倣の役割
第1節 問題と目的
2.1.1.目的
2.1.2.身体活動における模倣に着目する意義
第2節 方法
第3節 結果:身体活動場面で発現する模倣
2.3.1.身体活動場面として抽出された保育者の記述エピソード
2.3.2.身体活動場面への模倣機能類型の適応の是非
第4節 考察:身体活動場面での身体による模倣の役割と保育者の援助
2.4.1.身体による模倣が安心感や勇気をもたらす
2.4.2.一緒にすることによって快感情が生まれる
2.4.3.他者と身体感覚を共にする
2.4.4.他者の能動性を受け止めて自己肯定感を高める
2.4.5.他者との関係のなかで自己表現を導く
2.4.6.他者との関係のなかで新たな世界を生み出す
2.4.7.他者認識を通した自己認識が自己理解を促す
2.4.8.他者の感覚や意図を取り込んで自分の技能や表現を豊かにする
2.4.9.他者にあこがれる気持ちが挑戦する意欲を育む
第5節 全体的考察:流行を生み出す力
2.5.1.身体による模倣が遊びの流行を生む
2.5.2.身体活動場面における保育者の援助
第3章 模倣された子どもを焦点とした身体による模倣
第1節 問題と目的
3.1.1.目的
3.1.2.模倣された子どもに着目する動機と経緯
3.1.3.模倣された子どもに着目する意義
第2節 模倣された子どもにもたらされる身体による模倣の機能
3.2.1.目的
3.2.2.方法
3.2.3.結果と考察
3.2.3.1.模倣された子どもにもたらされる身体による模倣の機能
3.2.3.1.ⅰ.他者とかかわることの端緒が得られる
3.2.3.1.ⅱ.他者の行為に気づき他者のイメージを認めて新たな行為が生まれる
3.2.3.1.ⅲ.自己の行為のイメージに気づき他者とのかかわりが広がる
3.2.3.1.ⅳ.自己の好機のイメージに気づき行為が自覚的になる
3.2.3.1.ⅴ.自己が肯定され他者に対しての直接的な行為が生まれる
第3節 身体による模倣機能が相互行為に果たす役割
3.3.1.目的
3.3.2.方法
3.3.3.結果と考察
3.3.3.1).複数の子ども間で異なる機能が発現し混在して相互行為が進む
3.3.3.2).共に流れるような相互行為
3.3.3.3).途切れる
3.3.4.総括
第4章 模倣されたことから広がる子ども間の身体による相互行為の発達的特徴
第1節 問題
4.1.1.目的と経緯
4.1.2.本章の構成
4.1.3.方法
4.1.4.「模倣された子どもにもたらされる身体による模倣の機能」から広がる相互行為として収集された事例の年齢別発現数の比較
第2節 模倣されたことから広がる子ども間の身体による相互行為:3歳児と4歳児の発達的特徴
4.2.1.「ⅰ.他者とかかわることの端緒が得られる」機能として分類された身体による相互行為を対象として
4.2.1.「ⅱ.他者の行為に気づき他者のイメージを認めて新たな行為が生まれる」機能として分類された身体による相互行為を対象として
4.2.1.「ⅲ.自己の行為のイメージに気づき他者とのかかわりが広がる」機能として分類された身体による相互行為を対象として
4.2.1.「ⅳ.自己の行為のイメージに気づき行為が自覚的になる」機能として分類された身体による相互行為を対象として
4.2.1.「ⅴ.自己が肯定され他者に対しての直接的な行為が生まれる」機能として分類された身体による相互行為を対象として
4.2.2.全体的考察
第3節 模倣されたことから広がる子ども間の身体による相互行為:5歳児の発達的特徴
4.3.1.5歳児の傾向:「模倣された子どもにもたらされる身体による模倣の機能」から広がる相互行為として収集された事例の発現数
4.3.2.5歳児における模倣された子どもから広がる相互行為の特徴
4.3.2.ⅰ.自己欲求を整理し自己表現の動機とする
4.3.2.ⅱ.ナラティブ的思考と論理的思考が共存する
4.3.2.ⅲ.自己の意図をもち相互行為の見通しをもつ
4.3.3.5歳児において仲間間の相互行為を成立させる方略は何か
4.3.3.ⅰ.全体をイメージしながら他者の行為の部分を切り取って自分の行為に取り入れる
4.3.3.ⅱ.自分を客観的に捉えて,場の状況を語って仕掛ける
4.3.4.総括
第5章 幼児間の身体による模倣に関する総括的討論
第1節 結果の総括
第2節 身体による模倣の類型化・図式化の意義
第3節 身体による模倣の力:「まねしてもいいよ」と言える理由と援助の視点
5.3.1.他者との身体的な相互行為を活性化させる力
5.3.1.1).模倣機能の多様性からうかがえる身体的な相互作用の実相
5.3.1.2).身体的な相互行為としての模倣
5.3.1.3).援助の視点:通じ合い,「共に」を感じ合う過程を見つめて意味付ける
5.3.2.自己理解と他者理解を促す力
5.3.2.1).模倣機能別に見た自己理解と他者理解の実相
5.3.2.2).「模倣された子ども」という視点から捉えられた自己理解と他者理解
5.3.2.3).援助の視点:子どもと一緒に変わる身体を意識する
5.3.3.独自な表現を導く力
5.3.3.1).創造への端緒としての身体による模倣の価値の再認識
5.3.3.2).身体による模倣が創造する世界
5.3.3.3).援助の視点:「模倣ができる子ども」と捉える
第4節 「好ましくない模倣」を考える
第5節 展望と課題
5.5.1.展望
5.5.2.今後に残された課題
引用・参考文献
謝辞