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他者と共に「物語」を読むという行為

定価: 6,600 (本体 6,000 円+税)

中学校・高等学校でのフィールドワークに基づき、国語の授業において生徒が「物語」を協働的に読み深める過程について、社会文化的アプローチの立場から検討した。

【著者略歴】
濵田秀行(はまだ ひでゆき)
1974年 鹿児島県に生まれる
1999年 鹿児島大学大学院教育学研究科修士課程修了
2015年 東京大学大学院教育学研究科博士課程修了
    博士(教育学)

【職歴】
1999年 鹿児島県公立学校教員(高等学校・国語)
2011年 群馬大学教育学部 准教授
※データは刊行当時のものです※
目次を表示します。
第Ⅰ部 本研究の問題と目的
 はじめに
第1章 「物語」についての生徒の読みの交流を検討する視座
 第1節 国語科における文学教育
  1 文学教育の目標
  2 我が国における文学教育実践の展開と現状
  3 教室における読者
  4 対話的実践としての文学の授業
 第2節 「物語」を読むということ
  1 物語(narrative)の形態的特徴 
  (1)出来事の選択的な構造化
  (2)視点の二重性
  (3)他者への志向
  2 「物語」を読むということ
  (1)Voicingとしての読書行為
  (2)出来事に対する読者の意識のあり方
  3 文学教育のための物語論
  (1)「焦点化」概念
  (2)「焦点化」の主体とタイプ
 第3節 本研究の理論的枠組み
  1 行為を媒介する文化的道具への着目
  2 「焦点化」概念を用いた分析
 第4節 本研究の研究課題
  1 「物語」の授業を対象とする教室談話分析
  2 本研究で検討する研究課題の整理
第2章 方法と本研究の構成
 第1節 方法
 第2節 本研究の構成
第Ⅱ部 読みの交流を通して「物語」を協働的に読み深める授業
第3章 読みの交流を通して「物語」の読みが深まる過程
 第1節 本章の目的
 第2節 方法
  1 対象授業
  2 小グループと話題
  3 分析の手続き
 第3節 結果と考察
  1 発話の焦点化と言及される出来事との関連
  2 出来事についての多面的な意味づけの協働による達成
  3 登場人物の内部で対立する「声」
  4 「物語」についての意味づけが多重化される過程
 第4節 総括考察
第4章 「物語」の読みが深まる過程における生徒による役割の相違
 第1節 本章の目的
 第2節 方法
  1 対象授業
  2 小グループと話題
  3 分析の手続き
 第3節 結果と考察
  1 発話において焦点化される登場人物の違い
  2 談話過程において果たされる個人の役割
  3 交流を通した読みの深まり
 第4節 総括考察
第Ⅲ部 「物語」を協働的に読み深める授業における生徒の自己内対話
第5章 他者の読みの取り込み
 第1節 本章の目的
 第2節 方法
  1 対象授業
  2 小グループと話題
 第3節 結果と考察
  1 読みを取り込む際の自己内対話
  2 出来事における登場人物の不在と「声」
  3 読みの取り込みで失われるもの
 第4節 総括考察
第6章 「物語」の読みの授業における議論と振り返り
 第1節 本章の目的
 第2節 方法
  1 対象授業
  2 小グループと話題
 第3節 結果と考察
  1 小グループでの読みの交流を踏まえた教室全体での議論
  2 振り返りの学習活動における自己内対話
 第4節 総括考察
第Ⅳ部 「物語」を読む授業の授業観と教室談話
第7章 読むことの授業における権威と特権化
 第1節 目的
 第2節 方法
 第3節 結果と考察
  1 特権化と「キーワード」
  2 権威的関係と特権化
 第4節 総括考察
第Ⅴ部 総合考察
第8章 教室で他者と共に「物語」を読むという行為
 第1節 結果の総括
  1 第Ⅱ部のまとめと総括
  2 第Ⅲ部のまとめと総括
  3 第Ⅳ部のまとめと総括
 第2節 教室で他者と共に「物語」を読むという行為
 第3節 今後の課題

引用文献
初出一覧
謝辞
著者濵田秀行 著
発行年月日2017年02月15日
頁数194頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2161-8