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戦後日本教員養成の歴史的研究

定価: 15,400 (本体 14,000 円+税)

戦後日本の教員養成改革理念の成立と制度原則の展開を歴史的に記述。養成・採用・研修の一貫した過程における教師の専門的な力量形成、資質・能力の向上について考察した著者長年にわたる研究の集大成。巻末に戦後日本教師教育問題年表を付す。

【著者紹介】
土屋 基規(つちや もとのり)
1942年 静岡県生まれ
1967年 静岡大学教育学部卒業
1974年 東京大学大学院教育学研究科博士課程教育行政学専攻単位取得満期退学
1975年 神戸大学教育学部に赴任、1991年教育学部教授、1992年 発達科学部教授
2006年 神戸大学を定年退職、神戸大学名誉教授
2006年 近畿大学生物理工学部教授(~2009年)
2011年 宝塚医療大学教授(~2015年)

主な著書
『コンメンタール教育法 Ⅴ-教育職員免許法・教職給与特別法』(共著、成文堂、1978年)
『戦後教育と教員養成』(新日本出版社、1984年)
『教師の採用』(共著、有斐閣、1984年)
『初任者研修で何がかわるか』(共編著、教育史料出版会、1987年)
『教師の免許と研修はどう変わる』(労働旬報社、1988年)
『日本の教師-養成・免許・研修』(新日本出版社、1989年)
『近代日本教育労働運動史研究』(労働旬報社、1995年)
“Education in Contemporary Japan”(共著、Cambridge University Press、1999年)
『現代教育法概説』(共著、学陽書房、2001年)
『いじめととりくんだ国々―日本と世界の学校におけるいじめへの対応と施策』
(共編著、ミネルヴァ書房、2005年)
『現代教育制度論』(編著、ミネルヴァ書房、2011年)
目次を表示します。

はじめに
第一部 戦後日本の教員養成改革
第1章 教育改革の構想と教員養成
 第1節 戦前日本の教員養成の特質―戦後教員養成制度前史
  1.敗戦直後の師範学校
  2.師範学校の学校制度的位置と性格
  3.師範教育批判と制度改革諸案
  4.戦時体制下の師範学校
 第2節 戦後初期における教員養成改革の模索
  1.文部省の教育政策・改革論
  2.占領初期GHQの教育政策・改革構想と日本側の対応
  3.戦後初期の教育・教師批判と教員養成制度改革案
第2章 教員養成改革の理念と原則
 第1節 教育刷新員会における教員養成改革の審議概要
  1.教育刷新委員会の発足、建議の教育改革における意義
  2.教員養成改革に関する教育刷新委員会の審議経過
 第2節 教育刷新委員会における教員養成改革の諸論点
  1.師範教育批判の展開
  2.教員養成機関の特設・非特設論
 第3節 「大学における教員養成」原則の確認と教員養成改革案
  1.「大学における教員養成」原則の確認
  2.第八特別委員会における教員養成改革論議
  3.第八特別委員会第1回中間報告の提示と修正
  4.第八特別委員会第1回中間報告の再修正
  5.教員養成改革案の採択―「教員養成に関すること(その一)」
  6.教員資格制度の原則の確認―「教員養成に関すること(その二)」
 第4節 教育刷新委員会の教員養成改革の理念形成における特徴
  1.新学制の発足に伴う教員需給関係の問題
  2.教員養成制度改革案としての学芸大学構想
  3.教員養成改革に関する日米折衝―教育刷新委員会・文部省・CIEによる連絡委員会での協議
第3章 新制大学の発足と教育職員免許法の制定
 第1節 「大学における教員養成」原則の具体化
  1.文部省の師範学校改革の基本方針
  2.新制大学設置の方針をめぐるCIEと教育刷新委員会の対応
  3.国立学校設置法の公布による新制大学の発足
 第2節 教育系大学・学部―学芸大学・学芸学部・教育学部の発足
  1.学芸大学・学芸学部の創設と「学芸」の理念
  2.総合・複合大学の教育学部の設置
  3.教育系大学・学部の設置過程における諸問題
 第3節 教育職員免許法の制定
  1.教育職員免許法の立法趣旨
  2.教育職員免許法の制定過程
  3.教育職員免許法の構造と基本理念
 第4節 新制大学と教員養成改革
  1.教員養成制度改革の現実的諸問題
  2.教育関連審議会等の報告書における課題認識
  3.新制大学と教員養成改革の課題意識
第4章 教員養成改革の修正動向
 第1節 政令改正諮問委員会の教育制度改革案
  1.政令改正諮問委員会の教員養成制度再編案
  2.政令改正諮問委員会答申に対する教育界の対応
 第2節 教員養成制度の諸問題と教育職員養成審議会の発足
  1.教員養成・免許制度改革に関する教育諸団体の意見・要望
  2.1950年代前半の教員組織構成の状況
  3.教育職員養成審議会の発足と免許法の改正準備
 第3節 中教審1958年答申と教養審1962年建議
  1.中教審への諮問の社会的背景
  2.中教審1958年答申に対する批判的意見
  3.教養審1962年建議
第二部 大学改革と教員養成制度の再編成
第1章 学科目省令、学部名称変更による教育系大学・学部の再編成
 第1節 学科目省令による課程―学科目制の導入
  1.学科目省令の公布
  2.課程―学科目制に対する教育系大学・学部の対応
 第2節 学芸大学・学芸学部の名称変更の問題
  1.学部名称変更問題の経緯と状況
  2.「学芸大学・学芸学部」構想の挫折
第2章 宮城教育大学の創設と大学改革
 第1節 東北大学からの教員養成課程の分離
  1.教員養成課程の分離問題の経過
  2.宮城教育大学創設の経過
 第2節 宮城教育大学の大学改革
  1.教師教育改革の理念と教育体制
  2.教師教育モデルの転換
  3.宮城教育大学大学院教育学研究科の設置
  4.大学改革の諸課題の探究
第3章 中教審1971年答申と教養審1972年建議
 第1節 中教審1971年答申における教員養成制度改革案
 第2節 教養審1972年建議の教員養成制度改革案
 第3節 教養審1972年建議案の具体化
  1.教員資格認定試験制度の拡充
  2.新構想教員養成大学大学院の設置準備
 第4節 新構想教育大学関係法案の国会審議の経過と主な論点
  1.国立学校設置法一部改正法案の国会審議の経過
  2.国会審議における主な問題点
  3.大学院における現職教員の研修に関する意識調査
第三部 現代日本の教員養成・免許制度改革
第1章 臨教審第2次答申と教養審1987年答申
 第1節 1980年代初期の教員養成制度改革の提案
  1.政府・自民党の改革提案と教養審1983年建議
  2.教養審1983年答申批判と免許法1984年改正案の廃案
 第2節 臨教審第2次答申と教員養成制度改革の提案
  1.臨教審の発足と教育改革の審議
  2.臨教審第2次答申の教員養成改革の提案
 第3節 教養審1987年答申の教員養成・免許制度改革の提案
  1.教員養成・免許制度改革案の問題点
  2.教師の資質評価、管理システムの確立
第2章 教員養成・免許制度改革の問題と課題
 第1節 国大協調査報告書にみる「大学における教員養成」の状況
  1.現行免許基準と「大学における教員養成」の現状
  2.教育系大学・学部のカリキュラム編成と履修実態
  3.一般大学における教員養成の状況―教育実習を中心に
 第2節 「大学における教員養成」の充実に向けた諸課題
  1.教師教育の観点による「大学における教員養成」の位置づけ
  2.教員養成カリキュラム改革の課題
  3.大学院における教員養成と教員資格の認定
第3章 免許法1998年改正と教員養成の新局面
 第1節 免許法1988年改正の問題点
  1.免許法1988年改正法案の性格と国会審議の概要
  2.国会審議における諸論点
  3.教員養成・免許制度改革の問題点
 第2節 1990年代の教員養成・免許制度改革
  1.新免許法制下の教員養成カリキュラムと課程認定
  2.中教審・教養審の答申による「教員の資質能力の向上策」
  3.免許法1998年改正
 第3節 教育系大学・学部の再編問題
  1.教員養成課程以外の「新課程」等の設置
  2.教育系大学・学部の学生定員5000人削減計画
  3.教育系大学・学部の改革原理と課題の探求
第4章 教職員法制の構造的改編
 第1節 「教員の資質向上策」の展開
  1.「指導力不足教員」の認定と特別研修制度の創設
  2.「指導力不足教員」の認定制度の問題点
 第2節 教員免許更新制の導入
  1.免許法および教特法の一部改正法案の概要
  2.教員免許更新制の導入に関する政策形成の経過
  3.教員免許更新制の教育法的検討
 第3節 六年制教員養成の構想と教職大学院の創設
  1.「教員免許更新制の抜本的見直し」と六年制教員養成の提案
  2.民主党の教員養成制度改革の基本的発想
  3.六年制教員養成の構想と教職大学院の創設
第四部 教員採用・研修制度の原理と展開
第1章 教員採用制度の原理と展開
 第1節 教員採用の法制と採用行政の問題
  1.教員採用の法制原理の成立
  2.教員採用行政の諸問題
 第2節 臨時教員制度の問題
  1.臨時的任用教員の法と行政
  2.臨時教員制度の新局面
 第3節 教員採用制度の改革課題
  1.「公開と参加」の原理による改革
第2章 教員研修制度の原理と展開
 第1節 教員研修の基本理念
  1.教員研修の法制原理と教員研修の性格
  2.教特法研修条項の教育法解釈と行政解釈
 第2節 初任者研修制度の創設
  1.初任者研修法案の国会審議の概要
  2.国会審議における諸論点
  3.総括討論と附帯決議
 第3節 初任者研修における分限処分に関する教育法的検討
  1.大阪地裁および京都地裁の判決の概要
  2.大阪地裁における訴訟の争点とそれに対する裁判官の評価(概要)
  3.京都地裁における訴訟の争点とそれに対する裁判官の評価(概要)
  4.初任者研修における分限免職処分に関する教育法的問題
 第4節 現職研修制度の改革課題
  1.職域における自主研修の機会の保障
  2.教職員の同僚性を発揮する校内研修の充実
  3.教員研修制度改革の現実的課題
終章
あとがき
戦後日本教師教育問題年表
事項索引
人名索引
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著者土屋基規 著
発行年月日2017年09月30日
頁数772頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2191-5
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