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うつ病休職者の集団認知行動療法に関する混合型研究

定価: 8,800 (本体 8,000 円+税)

うつ病で休職に至った労働者の心理的側面、特に認知及び対処行動に焦点を当て、当事者の語りから職場ストレスとの関連を検討。「職場復帰のための集団認知行動療法」プログラムを用いて、再発・再休職予防の心理的支援のための示唆を得ることを目的とした新著。

【著者略歴】
中村聡美(なかむら さとみ)
NTT東日本関東病院精神神経科 臨床心理士
青山学院大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程修了
博士(心理学)
目次を表示します。
はじめに

第1章 序論 うつ病休職者の集団認知行動療法に関する研究と実践の背景
 第1節 問題と背景
  1 うつ病―歴史・診断・疫学・治療―
  2 労働者のうつ病
  3 うつ病と認知行動療法
   (1)理論
   (2)臨床への適用
   (3)研究の動向
  4 集団心理療法
   (1)集団心理療法の理論
   (2)集団モデル
  5 うつ病の集団認知行動療法
   (1)臨床への適用
   (2)研究の動向
 第2節 文献検討
  1 目的
  2 方法
   (1)検索方法
   (2)選択基準
  3 結果・考察
   (1)職場ストレスに関するうつ病患者の認知・行動に関する研究の動向
   (2)今後の研究への示唆
 第3節 研究方法論
  1 混合研究法
   (1)混合研究法の定義
   (2)混合研究法の目的
   (3)混合研究法の研究設問の立て方
   (4)混合研究法の研究デザイン/類型
   (5)ヘルスリサーチ分野における混合研究法
  2 質的研究法
   (1)質的研究法の種類
   (2)GTAの特性
   (3)M-GTAの特徴と使用方法
 第4節 論文全体の構成と研究デザイン

第2章 うつ病再休職者における職場ストレス要因の検討―初回休職者との比較調査(量的研究〔Ⅰ〕)―
 第1節 問題と背景
 第2節 生活場面における主観的ストレスの初回休職者と複数回休職者の比較(研究1)
  1 目的
  2 方法
   (1)対象者
   (2)調査期間
   (3)研究方法
  3 結果
  4 考察
 第3節 NIOSH職業性ストレス調査票の初回休職者と複数回休職者の比較(研究2)
  1 目的
  2 方法
   (1)対象者
   (2)調査期間
   (3)研究方法
  3 結果
  4 考察
 第4節 抑うつ症状・非機能的態度・社会問題解決力・自尊感情の初回休職者と複数回休職者の比較(研究3)
  1 目的
  2 方法
   (1)対象者
   (2)調査期間
   (3)研究方法
  3 結果
  4 考察
 第5節 限界と意義

第3章 うつ病休職者の職場ストレス処理に関わる認知及び行動のプロセス(質的研究)
 第1節 「職場復帰のための集団認知行動療法」参加時の認知的変容のカテゴリー化の試み(予備研究)
  1 問題
  2 目的
  3 方法
   (1)研究期間・フィールド
   (2)対象者
   (3)データ収集方法
   (4)データ分析方法
   (5)研究における倫理的配慮
  4 結果
  5 考察
 第2節 休職前の職場ストレス処理過程〈埋没的労働スタイル〉の維持から崩壊までの様相(研究4)
  1 問題と目的
  2 方法
   (1)対象者
   (2)データ収集方法
   (3)分析方法
   (4)分析手続き
   (5)分析者の立場と結果の妥当性の検討
  3 結果と考察
   (1)ストーリーライン
   (2)孤独に職務に邁進する埋没的労働スタイル維持のプロセス
   (3)埋没的労働スタイル崩壊のスタイル
   (4)臨床的示唆
   (5)本研究の限界
 第3節 休職中の職場ストレス処理過程〈職務解放労働スタイル〉(研究5)
  1 問題と目的
  2 方法
   (1)対象者
   (2)データ収集方法
   (3)分析方法
   (4)分析手続き
  3 結果と考察
   (1)ストーリーライン
   (2)ストレス対処に変容をもたらす背景要因
   (3)職場ストレスからの脱却を模索するプロセス
   (4)ストレス対処の変容を阻む背景要因
第4節 「復職CBGT」介入後の職場ストレス処理過程〈職務統制労働スタイル〉(研究6)
  1 問題と目的
  2 方法
   (1)対象者
   (2)データ収集方法
   (3)分析方法
   (4)分析手続き
  3 結果・考察
   (1)ストーリーライン
   (2)ストレス対処に変容をもたらす背景要因
   (3)スキルの応用と自己受容による職場ストレスの統制
   (4)ストレス対処の変容を阻む背景要因
 第5節 「復職CBGT」プログラムへの要望―既存のプログラムにおける改善点の検討―(補足調査)
  1 「復職CBGT」プログラムへの要望・提案
   (1)グループディスカッション
   (2)構造(グループディスカッション以外)
   (3)参加のタイミング
   (4)内容・テーマ
  2 「復職CBGT」プログラムの改善のための検討事項
 第6節 休職前から「復職CBGT」介入後までの職場ストレス処理過程の変容‘《自己完結的労働スタイル》の緩和’(質的研究まとめ)
  1 目的
  2 結果・考察
   (1)ストーリーライン
   (2)認知・行動の変容及び影響要因との関係

第4章 「復職CBGT」プログラムの介入評価(量的研究〔Ⅱ〕)
 第1節 抑うつ症状からみた「復職CBGT」の介入評価(研究7)
  1 目的
  2 方法
   (1)対象者
   (2)介入形態
   (3)データ収集方法
   (4)データ解析方法
  3 結果
  4 考察

第5章 綜合考察
 第1節 各研究の概要
  1 うつ病再休職者における職場ストレス要因の検討―初回休職者との比較調査―(量的研究〔Ⅰ〕)
   (1)生活場面における主観的ストレスの初回休職者と複数回休職者の比較(研究1)
   (2)NIOSH職業性ストレス調査票の初回休職者と複数回休職者の比較(研究2)
   (3)抑うつ症状・非機能的態度・社会問題解決能力・自尊感情の初回休職者と複数回休職者の比較(研究3)
  2 うつ病休職者のストレス処理に関わる認知及び行動のプロセス(質的研究)
   (1)「復職CBGT」参加時の認知的変容のカテゴリー化の試み(予備研究)
   (2)休職前の職場ストレス処理過程〈埋没的労働スタイル〉の維持から崩壊までの様相(研究4)
   (3)休職中の職場ストレス処理過程〈職務解放労働スタイル〉(研究5)
   (4)「復職CBGT」介入後の職場ストレス処理過程〈職務統制労働スタイル〉(研究6)
   (5)休職前から「復職CBGT」介入後までの職場ストレス処理過程の変容‘《自己完結的労働スタイル》の緩和’の様相(質的研究まとめ)
  3 「復職CBGT」プログラムの介入評価(量的研究〔Ⅱ〕)
   (1)抑うつ症状からみた「復職CBGT」の介入評価(研究7)
 第2節 うつ病休職者の休職前の職場ストレス要因と認知行動的観点からみたストレス処理過程
 第3節 うつ病休職者に対する休職及び認知行動療法の評価と認知行動的観点からみた職場ストレス処理の変容過程
 第4節 本論文の新しさと意義
 第5節 今後の展望
  1 再発・再休職予防のためのプログラム開発―「就労継続のための集団認知行動療法」―
  2 うつ病労働者の職場ストレスの認知・行動傾向を測定する尺度の開発
 第6節 本論文の限界と課題

引用文献・参考文献
資料
著者中村聡美 著
発行年月日2018年02月15日
頁数300頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2208-0