ボルノー教育学研究 増補版 上巻
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はしがき
『ボルノー教育学研究 増補版』(上巻) はしがき
第一章 ボルノーの生涯と思想について
第一節 二十世紀の時代背景
一 精神科学的教育学の位置づけ
二 精神科学的教育学への批判的立場
三 教育学的合意のための出発点
第二節 少年時代からテュービンゲン大学招聘まで
一 少年時代から青年時代まで
二 研究者としての教授活動の開始
第三節 テュービンゲン大学への招聘から最晩年の思想形成に至るまで
一 テュービンゲン大学への招聘以後
二 ボルノー最晩年の思想形成について
第二章 ボルノーの哲学的人間学の根本問題
第一節 ボルノーにおける教育人間学の方法論について――開かれた問いの原理の意義――
一 問題の所在
二 哲学的人間学成立の必然性
三 ボルノー教育人間学における方法論の諸原理
四 哲学的人間学から教育学への移行
五 教育人間学の理論的考察の困難さ
六 「連続性」と「非連続性」とを止揚する第三の可能性
七 教育人間学における方法論の開放性
第二節 ボルノーにおける「時間論」――それの教育学的意義――
一 問題の所在
二 計画思考の本質と限界
三 「開かれた時間」と「希望」
四 「時間論」の教育学的意義
第三節 ボルノーの「空間論」――それの教育人間学的意義――
一 実存主義克服の端緒――都市建設の必要性――
二 「体験された空間」概念における内的秩序
三 「被投性」と「住まうこと」
四 真の安らぎの空間
五 「空間論」の教育学的意義
第四節 ボルノーにおける「言語と教育」の関わりについて
一 問題の所在
二 直観教授における言語の世界開示の意義
三 言葉による人間の自己生成
四 むすび
第五節 ボルノーの「真理論」について――道徳的・実存的真理の優位性の立場から――
一 問題の所在
二 二つの科学的領域における真理観の特徴
三 精神科学における真理概念
四 実存的な「出会い」概念における真理
第六節 ボルノーにおける「危機」概念の教育学的意義
一 問題の所在
二 実存哲学と教育学
三 道徳的危機のもつ意味
四 「認識」における危機
五 むすび
第三章 ボルノーの教育学的解釈学
第一節 ボルノーにおける「ディルタイ思想」の解釈――体験・表現・理解概念を中心に――
一 問題の所在
二 体験と理解の関わり
三 表現と理解の関連について
四 基本的理解の媒体としての「客観的精神」
五 ボルノーのディルタイ「客観的精神」への批判
六 「基本的理解」から「高次の理解」への移行
七 「高次の理解」としての個別性の理解
八 むすび
第二節 教育学的解釈学の「経験」概念について――ボルノーとダンナーに学びつつ――
一 問題の所在
二 ボルノーの「経験」概念について
三 解釈学における客観性の意味
四 教育学における「仮説形成」をめぐる問題
第三節 ボルノーの「理解」概念について
一 問題の所在
二 基本的理解の形式
三 高次の理解
四 教育学的解釈学における「理解」の位置
五 教育における「理解」の意味
第四節 ボルノーの解釈学的認識論について
一 問題の所在
二 解釈学的認識論の出発点
三 前理解の解釈学
四 開いた前理解と経験
五 開いた前理解と近代的直観教授
第四章 ボルノーの教育実践論
第一節 教師と生徒の信頼関係について――ボルノーとドベスに学びつつ――
一 問題の所在
二 教育者からの展望
三 子どもからの展望
四 高校生の教師不信について
第二節 自立性への教育――ボルノーの「役割からの解放」概念に即しつつ――
一 教育学における「適応」の問題
二 役割を演ずるということ
三 役割からの解放と〈我―汝〉論
四 自立への教育――ボルノーと林竹二の教育思想に即しつつ――
五 むすび
人名索引 /事項索引
補論 第一章 ボルノーにおける「練習の精神」の教育学的意義
はじめに
第一節 「練習」という営みに教育的意義が存在するのか
一 「練習」軽視の理由
二 近代教育学における「練習」の位置
第二節 「練習」が重要であると主張する教育学的立場
一 「練習」軽視に警告を発する教育学者たち
二 日本的な「練習」の精神を通じた人間の内的変化について
三 「練習」の復権を唱える教育学者たち
第三節 「練習」と「実存」のかかわりについて
一 正しい「練習」の快活さについて
二 「正しい生活への道=実存的な問題」としての練習
三 「練習」と「実存的なもの」との関係――森有正の「変貌」概念――
四 「実存」を迎えるまでは忍耐強く「練習」しなければならない
第四節 マリア・モンテッソーリにおける「練習」の意義
一 マリア・モンテッソーリの「教育学的独創性」について
二 モンテッソーリが指摘する子どもの「根本的な変化」について
第五節 「練習」の教授法のまとめと課題
補論 第二章 道徳の時間[「特別の教科 道徳」]の内容項目とボルノーにおける徳論の共通点
はじめに
第一節 ボルノーの徳論
第二節 「自律」という徳論――実存主義的な徳――
一 ボルノーの「自律」=「自己投入・参加」の理解
二 中学校「道徳の時間」〔「特別の教科 道徳」〕の「自律」の内容
三 横山利弘における「自律」の理解
第三節 実存主義克服の「新しい庇護性」の徳
一 感謝の徳
二 安定性=やすらぎの徳
三 忍耐の徳
四 信頼
五 希望
第四節 平明・単純な徳
一 謙虚
二 正直
三 勇気
第五節 まとめと今後の課題
『ボルノー教育学研究 増補版』(上巻)あとがき