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韓国古典詩における隠逸の心とその生活

中国古典詩との比較を中心として

定価: 9,020 (本体 8,200 円+税)

中国から伝わった「隠逸の心とその生活」が、どの様に韓国に活かされ解釈されてきたかを解明。詠物・帰去来・水辺における隠逸の三つの主題に分けて詳述する。

【著者略歴】
朴 美子(パク ミジャ)
文学博士
熊本大学大学院人文社会科学研究部(文学系)教授。
目次を表示します。
第一章 詠物における隠逸の心
 一、中国文学に見られる「菊」の様相――陶淵明を中心として――
  序
  第一節 陶淵明の菊
  第二節 陶淵明以前と以後の菊
   一 陶淵明以前   二 陶淵明以後
  結
 二、韓国高麗時代の詩における「菊」の様相――比較文学の観点から――
  序
  第一節 李奎報
   一 節操   二 長寿   三 隠遁
  第二節 李穡
   一 節操   二 長寿   三 隠遁
  第三節 中国の詩との比較
   一 「菊」のイメージ   二 「菊」の色と咲く時期
  結
 三、楊万里における「荷」の存在と特徴
  序
  第一節 荷への志向と様相
   一 荷への志向   二 荷の様相
  第二節 荷の文学史と楊万里の詩
  第三節 荷に関する詩をうたった理由と荷を追求する根本的理由
   一 「荊渓集」   二 「朝天集」   三 荷に託された思い
  結
 四、高麗時代の詩における「蓮」の一考察
  序
  第一節 「蓮」の概念
  第二節 「蓮」の色彩
   一 「白」   二 「青」と「紅」   三 「蓮」への推移
  第三節 泥水中の「蓮」の本質
  結
 五、牧隠李穡と「연못(蓮池)」
  序
  第一節 「君子」たる蓮の到来時期
  第二節 蓮の愛唱動機
  第三節 蓮の性格
   一 君子の花   二 風流の花
  第四節 感覚の共存
   一 「嗅覚」の観点   二 「視角」の観点
  結
 六、雨中の蓮――楊万里と李穡の「蓮」――
  序
  第一節 雨中の蓮
  第二節 自由と理想
  結
 七、圃隠鄭夢周の「食藕」詩小考
  序
  第一節 「食藕」詩
  第二節 愛蓮と周公
  第三節 食蓮と徐兢
  結
 八、中国宋代の詩人楊万里を中心とした「食蓮」に関する考察――韓国高麗時代の文人との比較を中心として――
  序
  第一節 味覚としての蓮
  第二節 宋代の蓮を食する詩
  第三節 道・仏・儒における蓮
  結

第二章 「帰去来」の隠逸の生活
 一、「帰去来」類型とその独自性の確認
  序
  第一節 帰去来の類型
   一 田園型   二 往来型   三 中隠型
  第二節 類型からみる詩人の独自性
  結
 二、韓国の古典文学に見られる「帰去来」――中国における帰去来の類型との比較観点から――
  序
  第一節 隠遁型
  第二節 中隠型
  第三節 往来型
  結
 三、李仁老の帰去来の心と人生観――比較文学の観点から――
  序
  第一節 生涯
   一 平生   二 時代背景
  第二節 帰去来の心
  第三節 意識世界
   一 愛国愛民の心   二 天命
  結
 四、聾巌李賢輔における「帰去来」の真実
  序
  第一節 「効嚬歌」
  第二節 「聾巖歌」
  第三節 「生日歌」
  結
 五、朝鮮時代の李賢輔における隠逸生活――中国の自然詩人と関連づけて――
  序
  第一節 帰去来への憧れ
  第二節 半隠生活の実体
  結

第三章 水辺における隠逸の生活
 一、 孟浩然の自然詩に関する一考察――舟行の詩を中心に――
  序
  第一節 生涯
  第二節 歴代舟行詩との比較
   一 謝霊運・陶淵明   二 孟浩然以前
  第三節 孟浩然の舟行詩
   一 唐時代の自然詩人との比較   二 水辺の興趣
  結
 二、中国文学における「漁父」の基礎的考察
  序
  第一説 「漁父」に対するイメージ
  第二節 『太平御覽』に見られる「逸民」
  第三節 櫂歌と漁父歌
  第四節 漁父に関する詩語の叙景描写
  第五節 漁父への憧憬と意図
  結
 三、林椿の「漁父」詩考
  序
  第一節 「漁父」詩と朴浣植氏の解釈
  第二節 「漁父」詩解釈
  第三節 林椿の憧れる隠居地
  結
 四、韓国文学における「漁父」の受容と展開――新羅時代から高麗時代まで――
  序
  第一節 新羅と高麗中期の漁父篇
   一 『楚辞』「漁父」の受容   二 『荘子』「漁父篇」の受容   三 『荘子』「漁父篇」中の畏影
  第二節 高麗後期における漁父と張志和の「漁父詞」への心酔
  第三節 新羅と高麗時代の社会情勢と文人の心
  第四節 韓国文人の漁父に託する心
  結
 五、韓国文学における漁父・漁隠および漁歌・漁父歌に関する詩文の考察
  序
  第一節 漁父と漁隠
   一 漁父   二 漁隠
  第二節 漁歌と漁父歌
   一 漁歌   二 漁父歌
  結

初出一覧
あとがき
索引
著者朴美子 著
発行年月日2018年03月26日
頁数460頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2206-6