韓国古典詩における隠逸の心とその生活
中国古典詩との比較を中心として
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第一章 詠物における隠逸の心
一、中国文学に見られる「菊」の様相――陶淵明を中心として――
序
第一節 陶淵明の菊
第二節 陶淵明以前と以後の菊
一 陶淵明以前 二 陶淵明以後
結
二、韓国高麗時代の詩における「菊」の様相――比較文学の観点から――
序
第一節 李奎報
一 節操 二 長寿 三 隠遁
第二節 李穡
一 節操 二 長寿 三 隠遁
第三節 中国の詩との比較
一 「菊」のイメージ 二 「菊」の色と咲く時期
結
三、楊万里における「荷」の存在と特徴
序
第一節 荷への志向と様相
一 荷への志向 二 荷の様相
第二節 荷の文学史と楊万里の詩
第三節 荷に関する詩をうたった理由と荷を追求する根本的理由
一 「荊渓集」 二 「朝天集」 三 荷に託された思い
結
四、高麗時代の詩における「蓮」の一考察
序
第一節 「蓮」の概念
第二節 「蓮」の色彩
一 「白」 二 「青」と「紅」 三 「蓮」への推移
第三節 泥水中の「蓮」の本質
結
五、牧隠李穡と「연못(蓮池)」
序
第一節 「君子」たる蓮の到来時期
第二節 蓮の愛唱動機
第三節 蓮の性格
一 君子の花 二 風流の花
第四節 感覚の共存
一 「嗅覚」の観点 二 「視角」の観点
結
六、雨中の蓮――楊万里と李穡の「蓮」――
序
第一節 雨中の蓮
第二節 自由と理想
結
七、圃隠鄭夢周の「食藕」詩小考
序
第一節 「食藕」詩
第二節 愛蓮と周公
第三節 食蓮と徐兢
結
八、中国宋代の詩人楊万里を中心とした「食蓮」に関する考察――韓国高麗時代の文人との比較を中心として――
序
第一節 味覚としての蓮
第二節 宋代の蓮を食する詩
第三節 道・仏・儒における蓮
結
第二章 「帰去来」の隠逸の生活
一、「帰去来」類型とその独自性の確認
序
第一節 帰去来の類型
一 田園型 二 往来型 三 中隠型
第二節 類型からみる詩人の独自性
結
二、韓国の古典文学に見られる「帰去来」――中国における帰去来の類型との比較観点から――
序
第一節 隠遁型
第二節 中隠型
第三節 往来型
結
三、李仁老の帰去来の心と人生観――比較文学の観点から――
序
第一節 生涯
一 平生 二 時代背景
第二節 帰去来の心
第三節 意識世界
一 愛国愛民の心 二 天命
結
四、聾巌李賢輔における「帰去来」の真実
序
第一節 「効嚬歌」
第二節 「聾巖歌」
第三節 「生日歌」
結
五、朝鮮時代の李賢輔における隠逸生活――中国の自然詩人と関連づけて――
序
第一節 帰去来への憧れ
第二節 半隠生活の実体
結
第三章 水辺における隠逸の生活
一、 孟浩然の自然詩に関する一考察――舟行の詩を中心に――
序
第一節 生涯
第二節 歴代舟行詩との比較
一 謝霊運・陶淵明 二 孟浩然以前
第三節 孟浩然の舟行詩
一 唐時代の自然詩人との比較 二 水辺の興趣
結
二、中国文学における「漁父」の基礎的考察
序
第一説 「漁父」に対するイメージ
第二節 『太平御覽』に見られる「逸民」
第三節 櫂歌と漁父歌
第四節 漁父に関する詩語の叙景描写
第五節 漁父への憧憬と意図
結
三、林椿の「漁父」詩考
序
第一節 「漁父」詩と朴浣植氏の解釈
第二節 「漁父」詩解釈
第三節 林椿の憧れる隠居地
結
四、韓国文学における「漁父」の受容と展開――新羅時代から高麗時代まで――
序
第一節 新羅と高麗中期の漁父篇
一 『楚辞』「漁父」の受容 二 『荘子』「漁父篇」の受容 三 『荘子』「漁父篇」中の畏影
第二節 高麗後期における漁父と張志和の「漁父詞」への心酔
第三節 新羅と高麗時代の社会情勢と文人の心
第四節 韓国文人の漁父に託する心
結
五、韓国文学における漁父・漁隠および漁歌・漁父歌に関する詩文の考察
序
第一節 漁父と漁隠
一 漁父 二 漁隠
第二節 漁歌と漁父歌
一 漁歌 二 漁父歌
結
初出一覧
あとがき
索引