三世代の親子関係
マッチングデータによる実証研究
定価:
2,750
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2,500
円+税)
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まえがき (高濱裕子)
序章 親子関係を三世代にわたってとらえる重要性 (佐々木尚之・高濱裕子)
1.本書のねらい
2.祖父母世代の台頭
3.三世代親子関係を分析するにあたって
4.三世代親子の相互依存性
5.基本的分析視角
6.本書の構成
第1章 三世代親子データ分析の方法論的検討 (佐々木尚之)
1.三世代親子マッチングデータの分析上の課題
2.三世代親子関係プロジェクトの概要
3.ダイアドデータの類似性
4.ダイアドデータの分析方法
(1)Actor-Partner Interdependence Model
(2)Common Fate Model
(3)Dyadic Discrepancy Model
第2章 現代社会における三世代関係 (氏家達夫)
1.はじめに
2.子どもを産み育てるプロセスの再生産性と新規性
(1)再生産性
(2)あなたの人生の物語
(3)新規性
(4)時代性
(5)新人類か宇宙人か
(6)親子は異なる世界の住人
(7)時間選好の世代差
3.二世代間、三世代間関係パラダイムの危機
(1)親子関係の傾き
(2)傾きの変化
(3)祖父母と孫の関係
(4)第一世代の親としての経験は役に立つか?
(5)育児の科学化
(6)経済原理にもとづく資源の変容
(7)現代における人生の物語
(8)教育はさいごの切り札
4.主観性と個別性の時代/社会の多様な住人たち
(1)ユニバーサルデザインの時代
(2)“トリセツ”が意味するもの
(3)新しいことはいいことだ
(4)個別性の時代の最初の住人
5.現代社会における三世代関係
(1)現代社会における三世代関係
(2)新しい世代間関係のパラダイムとは
第3章 世代間援助の発達的変化 (保田時男)
1.世代間援助の分析枠組み
2.世代間援助の発生率
(1)女性を中心とする援助関係
(2)経済的には祖父母世代からの援助が優勢
(3)孫のしつけへの助言はほぼ受容
3.各種の援助頻度と満足度の相関
(1)経済的援助の受領が満足度にもっとも影響
(2)祖父母世代を援助することは満足に結びつきにくい
4.祖父母世代からの援助頻度を規定する要因
(1)分析対象
(2)歩行開始期の援助は祖父母世代の資源的余裕から生じる
(3)思春期の援助は実際的なニーズ要因が強まる
5.父母世代と祖父母世代の認識の違い
(1)祖父母世代は援助の頻度を簡単に高く評定しない
(2)交流的な援助評価からシビアな援助評価への変化
6.考察:それぞれの世代から見る世代間援助の発達的変化
(1)世代間援助の基本構造
(2)歩行開始期と思春期のコーホート比較
(3)両世代の回答から見える規範的バイアス
(4)今後の課題
第4章 三世代同居・近居の因果効果の推定 (佐々木尚之)
1.背景と問題設定
2.三世代同居・近居は親子関係に何をもたらすのか
3.傾向スコアマッチング分析の方法
4.同居・近居の因果効果の推定
5.三世代同居・近居は有効な少子化対策なのか
第5章 思春期の子どもと祖父母との関係 (野澤祥子)
1.はじめに
2.調査の概要
3.分析の結果
(1)孫-祖父母関係に関する思春期の子ども及び祖父母の認知
(2)孫-祖父母関係の認知と祖父母世帯・親-子世帯のかかわり(居住距離、接触・連絡頻度)との関連
(3)孫-祖父母関係に関する思春期の子どもの認知と祖父母の認知の関連
4.本章のまとめ
(1)本章で明らかになったこと
(2)総合的考察と今後の課題
第6章 世代性の発達的変化 (高濱裕子)
1.問題
(1)超高齢化社会の親子関係
(2)生涯発達的視点から親子関係を検討する意義
(3)世代性という概念の意味するもの
(4)パーソナリティ研究における世代性研究の動向
(5)血縁関係のある二世代の世代性の検討
2.方法
3.結果
(1)4群における世代性尺度の因子分析
(2)コホート別・世代別4群の世代性尺度得点の比較
(3)親と祖父母の相関分析の結果
4.考察
5.結論
第7章 祖父母世代における人生の統合 (高濱裕子)
1.問題
(1)日本人の主観的幸福感
(2)日本人と欧米人の文化的自己観
(3)世代性(世代継承性)とアイデンティティ
(4)本章の目的
2.方法
3.結果と考察
4.結論
終章 結果のまとめと今後の展望 (高濱裕子・佐々木尚之)
1.本書の目的と検討の視点
2.各章の研究から明らかになったこと
3.従来の研究の課題を超えられたのか
(1)世代間の相互関係と影響性
(2)子ども世代の発達段階と家族システム
(3)世代間の回答や認識の一致・不一致
4.今後の課題
あとがき (佐々木尚之)
索引