山口仲美著作集 2言葉から迫る平安文学 2
仮名作品
定価:
6,380
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5,800
円+税)
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著作集の刊行にあたって
まえがき
I 序章
平安の文体・平成の文体
1 主格を示す助詞がない
2 主語・目的語が示されない
3 韻文と融合する
4 「なむ」を使う
比喩表現にみる時代性
1 現代の比喩には人間や動物
2 平安時代の比喩には自然
3 平安時代と現代の差異は何を語る?
仮名の成立と平安朝文学
1 万葉仮名
2 草仮名の誕生
3 和歌・歌物語
4 日記・随筆
5 物語
6 片仮名の誕生
7 説話
Ⅱ 物語と日記の言葉と文体
平安朝文体研究の一視点
1 はじめに
2 文連接法の種類
3 文連接の機能
4 平安文学作品の文連接法―投げ出し型―
5 平安文学作品の文連接法―接続詞型・指示詞型・重ね型―
6 歌物語特有の文連接法
7 歌物語の文連接法を形成する要因―口承性―
8 口承性の文学の文連接法
9 おわりに
仮名文学と形容詞・形容動詞
1 はじめに
2 大野晉説の紹介―品詞比率とジャンル―
3 ジャンル別説の検討―宮島達夫氏のデータから―
4 形容動詞の比率とその解釈の紹介
5 形容動詞の比率にみる傾向性―韻文学と散文学との差異―
6 形容詞・形容動詞(延べ語数)にみられる傾向性―男女の別と訓
読系言語・和文系言語の別―
7 平安仮名文における形容詞・形容動詞にみられる傾向性の検討
(1)―進藤義治説について―
8 平安仮名文における形容詞・形容動詞にみられる傾向性の検討
(2)―男女の性別という位相的観点から―
9 平安仮名文における形容詞・形容動詞にみられる傾向性の検討
(3)―訓読系言語・和文系言語・口承系言語という文体論的
観点から―
仮名文学の朧化性の問題
1 はじめに
2 省略による朧化
3 表現の仕方による朧化
4 朧化の表現―二重否定表現―
5 朧化の系譜
歴史的現在法の文体論的意味
1 はじめに
2 現在形とは
3 文体論的意味(1)
4 文体論的意味(2)
5 文体論的意味(3)
6 おわりに
『竹取物語』と『伊勢物語』の言葉
1 はじめに
2 荒々しいことば
3 なまなましいことば
4 かたいことば
5 やわらかいことば
6 みやびやかなことば
7 おわりに
『竹取物語』の文体と成立過程
1 はじめに
2 文体の断層―敬語表現―
3 文体の断層と記述の矛盾箇所
4 文体の連続性と変化(1)―文長―
5 文体の連続性と変化(2)―同一語句の反復―
6 文体の連続性と変化(3)―和文特有語と対句表現―
7 文体の微かな変化(1)―同列表現―
8 文体の微かな変化(2)―対比表現―
9 文体の連続性と変化の意味
10 敬語表現が断層を示す理由(1)―後人補筆修正説の検討―
11 敬語表現が断層を示す理由(2)―漢文原作『竹取物語』の存在
説の検討―
12 仮名文『竹取物語』の成立過程に対する疑問
13 仮名文『竹取物語』の文体と成立過程
『伊勢物語』の文法
1 はじめに
2 調査資料
3 係結び
4 連体形止め
5 敬語
6 不整な文脈と語法
7 助詞の表示
8 おわりに
『伊勢物語』『大和物語』『平中物語』の文末表現
1 はじめに
2 歌物語の文末表現
3 「けり」止め以外の文末表現
4 現在形文末表現
5 現在形文末表現の用いられ方
6 おわりに
『平中物語』の文体と成立事情
1 はじめに
2 「ぞ…ける」の頻出とその意味
3 文脈のずれ
4 接続助詞「ば」の多用
5 同一内容のくり返し
6 同一語句の重出
7 文長とその変化
8 統合的な表現
9 登場人物の紹介のしかた
10 文体と成立事情
『落窪物語』の会話文
1 会話文の重み
2 会話文を要求する文章
3 写実性を持つ
4 『竹取物語』の会話文
5 『宇津保物語』の会話文
6 人物造型を行なう
7 姫君の人物像
8 北の方の人物像
9 阿漕の人物像
10 大衆文学の方法
『蜻蛉日記』の心情表現
1 はじめに
2 夫への期待―「つれなし」の分布から―
3 夫に対抗する―「つれなし」の分布から―
4 一人恨む―「つらし」の用法から―
5 一人悩む―「うし」の分布と用法から―
6 夫から見た妻の心―「つらし」から「うし」ヘ―
7 夫から妻ヘ―虚しく響く「つらし」のことば―
『蜻蛉日記』の語法
1 はじめに
2 力変「来」の命令形
3 丁寧語「はんべり」
4 逆接の接続助詞「と」
5 指定の助動詞「たり」
6 形容詞の音便形
『和泉式部日記』の文体
1 はじめに
2 歌と散文の結合
3 心情表現のヴァリエーション
4 同語のリフレーン
5 少ないレトリック
6 日常会話語で詠む歌
7 他作品の歌と散文
8 『源氏物語』の歌と散文
9 『和泉式部日記』の文体
『和泉式部日記』作者の意図
1 はじめに
2 冒頭文の主語は、誰か
3 「女」の出現
4 第三者的な語り手の出現
5 超越的視点
6 語り手の批評の言葉
7 女の視点との融合
8 物語的場面
9 女房の分際
10 おわりに
『浜松中納言物語』『夜の寝覚』の比喩と作者
1 はじめに
2 共通する比喩の性質
3 比喩のイメージ性
4 比喩に用いる語句(1)―複合動詞―
5 比喩に用いる語句(2)―時をあらわす語―
6 比喩の素材
7 既成の比喩の継承と創意
8 比喩の分析から作者別人説へ
Ⅲ 『枕草子』新しい読み方
プロローグ
1 現代に蘇らせるには
2 エチケット集として
3 感動する心
男と女のエチケット
1 こういう男はかっこいい
(1)もてる男(182段)
(2)機転の利く男(275段部分)
(3)ファッションセンスのある男(79段部分)
(4)芳香で魅する男(190段部分)
(5)法師もイケメンがいい(31段部分)
(6)出世した青年(84段部分)
(7)かっこいい男とは
2 ダメな男
(1)あたふたと帰る男(61段)
(2)口のうますぎる男(120段部分)
(3)制服でやって来る男(43段部分)
(4)融通の利かない男(6段部分)
(5)思いやりのない男(248段)
(6)ダメな男とは
3 こういう女はステキ
(1)寂しそうな女(171段)
(2)ゆかしさを感じさせる女(190段部分)
(3)絵になる女(189段部分)
(4)教養のある女(21段部分)
(5)キャリアのある女(22段部分)
(6)ステキな女とは
4 こういう女は見苦しい
(1)嫉妬深い女(121段部分)
(2)年不相応な女(43段部分)
(3)見苦しい女とは
5 男と女はこうありたい
(1)余韻を味わえる(70段)
(2)他人の興味をかきたてる(73段部分)
(3)理解しあえる(47段部分)
(4)男と女の理想的なあり方とは
6 こういう男と女はみっともない
(1)ブサイクな男と女(105段)
(2)食事を出す女と食べる男(187段)
(3)男と女のみっともないあり方とは
人としてのマナー
1 こういう人は許せない
(1)相手のことを考えない人(26段)
(2)しつけのできてない子とその親(146段)
(3)見くびった態度をとる人(91段部分)
2 こういう人はいいわね
(1)会話の楽しい人(29段部分)
(2)思いやりのある人(251段)
(3)気の利く子(281段)
3 失礼な言葉遣いをしないで
(1)敬語をきちんと使って(244段)
(2)下品な言葉遣いは慎んで(186段)
4 まあ、許容範囲ね
(1)昇進して得意満面(178段)
(2)子供の競い合い(138段)
5 人としてのマナー
感じる心
1 なんてステキな光景なの!
(1)自然美に打たれる(1段)
(2)子供の愛らしさ(145段)
2 もう、がっかりよ
(1)当てが外れる(23段)
(2)唖然とする(93段)
3 まあ、うれしい
(1)愛されている確信(258段)
4 ああ、じれったい
(1)待ち遠しくて(154段)
5 ドキッとしちゃう
(1)どうなるのか不安(144段)
(2)胸が高鳴る(27段)
6 清少納言はこんな人
エピローグ
1 定子から冊子をいただいたので
2 悲運は書かない
3 父親も曽祖父も有名な歌人
4 結婚は二回、子供は二人
Ⅳ 研究余滴
鶯の鳴きつる花―『古今和歌集』―
業平を恋い慕う老女-『伊勢物語』―
女の気持―『蜻蛉日記』―
北の方の実在感―『落窪物語』―
男心は分からない―『枕草子』―
もの悲しい調べの理由―『和泉式部日記』―
含み笑い―『源氏物語』―
語り手の登場―『堤中納言物語』―
忘れられない恋の歌―『百人一首』―
中学古典への親しみ方
既発表論文・著書との関係