マクマリーのタイプ・スタディ論の形成と普及
カリキュラムとその実践思想を読み解く基盤
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13,200
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はしがき
序章 問題の所在と本研究の課題
1 問題の所在と対象限定
1-1 カリキュラムをめぐる「流行」現象
1-2 米国ヘルバルト主義運動の位置づけをめぐる問題と本研究の
関心
1-3 マクマリーという人物
2 先行研究の検討
2-1 米国ヘルバルト主義を対象にした総括的研究
2-2 カリキュラム開発史研究と教員養成史研究
2-2-1 カリキュラム開発史研究におけるマクマリー
2-2-2 教員養成史研究におけるマクマリー
2-3 マクマリーのタイプ・スタディおよびプロジェクトを検討した
研究
3 本研究の課題と方法
3-1 本研究の課題
3-2 研究方法および対象資・史料
3-3 本論文の構成
第1章 19世紀後半の「授業」の実態と米国ヘルバルト主義
1 19世紀後半の「レシテーション」の定着過程
1-1 19世紀後半におけるレシテーションの性格と普及
1-2 モニトリアル・システム
1-3 ページの教授方法の普及と影響
1-4 オスウィーゴ運動における授業
1-5 レシテーションの拡大解釈と新しい教授方法の模索
2 米国ヘルバルト主義とレシテーション
2-1 1890年頃における「レシテーション」の捉え方
2-2 「中心統合法」の主張と「レシテーション」
2-3 「中心統合法」から「相互関連法」への「転換」
2-4 「相互関連法」における「レシテーション」の限界と
「プロジェクト」の提案
3 小括
第2章 タイプ・スタディ論の生成・発展過程
1 米国ヘルバルト主義運動期のタイプ・スタディ概念の創出
1-1 タイプ・スタディの登場
1-2 米国ヘルバルト主義運動隆盛期のタイプ・スタディ
2 単元開発論への転換
2-1 米国ヘルバルト主義運動の終焉とマクマリーの再出発
2-2 カリキュラムの単純化が深化を導くという逆説
3 ドイツ再訪問を契機としたタイプ・スタディ論の転換
3-1 米国教育界からみた1910年代のドイツ
3-2 ドイツの先進性と向き合うマクマリー
3-3 帰国後の成果
4 GPCTでの単元開発とその特徴
4-1 GPCTにおけるタイプ・スタディ開発
4-1-1 NISNSからGPCTへの異動
4-1-2 単元開発の着手
4-2 タイプ・スタディの具体的な扱いとカリキュラム論上の意義
4-3 プロジェクト概念への合流
4-3-1 コース・オブ・スタディの束縛からの脱却
4-3-2 『プロジェクトによる教授』の補足メモ
4-3-3 タイプ・スタディ論およびプロジェクト論の成熟
5 タイプ・スタディ論とプロジェクト論の受難
5-1 マクマリーの意図との齟齬
5-2 教育流行現象への批判
5-3 退潮のなかでのディフェンスと再整理
5-4 マクマリーの到達点と総括
6 小括
第3章 教員養成・教師教育を通じたタイプ・スタディの普及過程
1 タイプ・スタディの持つ教員養成機能の明確化
1-1 画期となる1914年と「発展的方法」の提唱
1-2 教員養成・教師教育論とタイプ・スタディ論
1-3 教師の専門性と教員養成機関が直視すべき課題
2 大学院生はマクマリーのもとで何を学んだか
2-1 大学院生から見たマクマリー
2-2 修士論文作成を通じた大学院生たちの学び
2-3 タイフースタディ集に反映された指導学生の研究
2-4 指導学生の修了後の歩み
2-5 ノース・カロライナ州の教師たちの事例―彼らの書簡史料を
もとに
2-5-1 モリス・ミッチェルの単元論研究
2-5-2 エドウィン・キーの苦悩とタイプ・スタディの効果研究
2-6 サウス・カロライナ州の教育行政官の事例
3 小括
第4章 教育の科学化とタイプ・スタディ
1 米国ヘルバルト主義運動隆盛期の科学化の指向
1-1 米国ヘルバルト主義における子ども研究への着目
1-2 米国ヘルバルト主義の教授理論―子ども研究への契機
1-3 米国ヘルバルト主義における子ども研究の役割
2 教育の科学化
2-1 時代精神と教育研究の状況
2-2 学校(教育)調査運動
2-3 教育測定運動
3 学校調査運動とマクマリー
3-1 内務省教育局主導のサンフランシスコ調査
3-2 ノース・カロライナ州ウィルミントンの教育調査
4 教育測定運動とタイプ・スタデイの危機
5 小括
第5章 附属学校への関与を通じたタイプ・スタディの開発・普及過程
1 NISNSでの学校運営
1-1 NISNSへの着任と教員養成プログラムの構築
1-2 マクマリーとライダーマクマリーによる具体的な実践
2 GPCTにおける学校運営
2-1 PDSの開校
2-2 PDSの位置づけと実践
2-3 マクマリーの関与
3 小括
第6章 ノーマル・スクール、学校、教育行政当局はマクマリーから何を学んだか
1 運動隆盛期の地方教育誌におけるマクマリー
1-1 米国ヘルバルト主義運動の担い手としての評価
1-2 実践事例や教材の提供者として解されたマクマリー
2 NISNS時代の地方の学校現場指導
3 タイプ・スタデイの現地指導による積極的普及
4 タイプ・スタディはいかに実践されたか
4-1 教員養成機関でのタイプ・スタディ試案
4-2 ゴーガンズのタイプ・スタディ開発
5 GPCT時代の現地指導の具体例
5-1 ノース・カロライナ州とマクマリーの接点
5-2 ノース・カロライナ州での現地指導
6 タイプ・スタディの後退
6-1 タイプ・スタディの継続の断念
6-2 マクマリー没後のタイプ・スタディの矮小化の典型例
7 小括
7-1 マクマリーの所論の公的な受容
7-2 誰がマクマリーの所論に共鳴したのか
7-3 学校現場の教師たちはマクマリーから学べたのか
終章 カリキュラムとその実践思想を読み解く基盤
1 タイプ・スタディ概念の史的変容が示唆するもの
2 マクマリーに直接師事した教師たちや附属学校とタイプ・スタディ
3 学校現場におけるタイプ・スタディの受容と変質
4 教授理論家と学校現場の関係性を捉える視座
5 カリキュラム開発史研究に対する意義
6 さらなる検討課題
参考文献一覧
あとがき
付録 マクマリー関連年表
索引