博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

関係論的アプローチによる体育学習の再検討

定価: 7,700 (本体 7,000 円+税)

多くの授業実践に基づき、体育学習における学習内容と単元構成原理と具体的な学びのデザインを示し、関係論的な体育学習構築のための理論と方法を解明した新著。

【著者略歴】
岡野 昇(おかの のぼる)

石川県出身。
名古屋大学大学院教育発達科学研究科修了
博士(心理学・名古屋大学)
石川県公立小学校教諭、三重大学教育学部講師、准教授を経て、
現在 三重大学教育学部教授

専門分野 体育科教育学、学校教育学
目次を表示します。

第1章 問題設定の意義
 1.1 本研究の動機
 1.2 「関係論的アプローチ」の定義
 1.3 問題の所在
  1.3.1 公立小学校における校内研修主題の変遷
  1.3.2 公立小学校における校内研修主題使用キーワードと学習論
  1.3.3 公立小学校における校内研修主題使用キーワードと発達観
  1.3.4 問題の所在―学習論と発達観のねじれ
 注及び引用・参考文献

第2章 先行研究の検討と本研究の目的
 2.1 学校教育における関係論的アプローチによる研究動向
  2.1.1 校内研究主題の変遷
  2.1.2 文化・歴史学派(ヴィゴツキー学派)の研究概観
  2.1.3 日本における学び論の展開
 2.2 体育学習における関係論的アプローチによる研究動向
  2.2.1 ボールゲーム(球技)の学習における構成主義
  2.2.2 体育における学習論の転回
  2.2.3 青木眞の「関係論」
  2.2.4 松田恵示の「かかわり論」
  2.2.5 細江文利の「関わり合い学習」
 2.3 本研究の目的
 2.4 本研究の方法と論文構成
 引用・参考文献

第3章 「学習者の意味志向」に着目した「学習内容」
    (研究課題1)
 3.1 はじめに
 3.2 「共感志向による意味」について
  3.2.1 学習者の立場からの「学習内容」
  3.2.2 学習者による意味規準
  3.2.3 「学習内容」の解釈をめぐって
  3.2.4 学習観・子ども観の転換
  3.2.5 3つの「きょうかん」の学び
 3.3 「共感志向による意味」を重視した授業実践例
  3.3.1 教科学習における実践例と論点
  3.3.2 特別活動における実践例と論点
 3.4 「共感志向による意味」を重視した体育授業実践例
  3.4.1 単元の計画の構成―「みんなで楽しい動きをつくろう
      ~プール編~」
  3.4.2 単元の計画の構成―「みんなで楽しい動きをつくろう
      ~体育館編~」
  3.4.3 授業実践の振り返り
 3.5 まとめ
 注及び引用・参考文献

第4章 体育学習における学びとプレイ(遊び)の意味世界
    (研究課題2)
 4.1 はじめに
 4.2 「かかわり合い」の成り立ちを視点とした授業構想
  4.2.1 「かかわり合い」の成り立ち
  4.2.2 [かかわり合い]の成り立ちの局面
  4.2.3 「かかわり合い」の成り立ちの局面の相互性
  4.2.4 「かかわり合い」の成り立ちを視点とした授業構想
 4.3 「かかわり合い」の成り立ちを視点とした体育学習の試み
  4.3.1 授業概要とテーマ構成について
  4.3.2 主な活動内容とその意味
  4.3.3 授業実践の振り返り
 4.4 体育学習における学びとプレイ(遊び)の意味世界
  4.4.1 「かかわり合い」の全体性における学びの意味世界
  4.4.2 「かかわり合い」の全体性におけるプレイ(遊び)の意味世界
  4.4.3 体育学習における学びとプレイ(遊び)の意味世界
 4.5 まとめ
 注及び引用・参考文献

第5章 関係論的な体育学習の単元構成試案(研究課題3)
 5.1 はじめに
 5.2 関係論的な体育学習の単元構成
  5.2.1 学びとプレイ(遊び)の意味世界
  5.2.2 正統的周辺参加
  5.2.3 関係論的な体育学習の単元構成
 5.3 関係論的な体育学習の実践的検討
  5.3.1 授業の基本構想
  5.3.2 授業の概要
  5.3.3 授業の実際
  5.3.4 授業実践の振り返り
 5.4 関係論的な体育学習の単元構成試案
  5.4.1 関係論的な体育学習に基づくマット運動の授業の実際
  5.4.2 関係論的な体育学習に基づくマット遊びの学習過程
  5.4.3 関係論的な体育学習の学習過程
 5.5 まとめ
 注及び引用・参考文献

第6章 関係論的な体育学習の単元構成原理(研究課題4)
 6.1 はじめに
 6.2 関係論的な体育学習の単元構成の実際
  6.2.1 単元の構成―「文化の中心的な活動」の構成
  6.2.2 単元の構成―「周辺的な活動」の構成
  6.2.3 授業の概要
  6.2.4 学習過程の実際
  6.2.5 授業実践の振り返り―子どもの「振り返りカード」から
  6.2.6 授業実践の振り返り―単元の構成から
 6.3 関係論的な体育学習の単元構成原理 
  6.3.1 「運動目的・内容論の体育」の単元構成の考え方
  6.3.2 プレイ(遊び)と内容構成にかかわる単元の構成原理
  6.3.3 学習と展開構成にかかわる単元の構成原理
 6.4 まとめ
 引用・参考文献

第7章 「体育における対話的学び」のデザインと実践
    (研究課題5)
 7.1 はじめに
 7.2 「体育における対話的学び」のデザインの手順
  7.2.1 緒言
  7.2.2 「体育における対話的学び」の3つの次元(研究課題①)
  7.2.3 「体育における対話的学び」の授業デザインの手順
      (研究課題②)
  7.2.4 結語
 7.3 協同的学び(collaborative learning)における発達過程
    ―小型ハードル走の実践から―
  7.3.1 緒言
  7.3.2 学びのデザインと授業概要
  7.3.3 学びの実際
  7.3.4 学びの考察
  7.3.5 結語
 7.4 真正な学び(authentic learning)におけるわざの形成過程
    ―短距離走・リレー(2×15mリレー)の実践から―
  7.4.1 緒言
  7.4.2 学びのデザインと授業概要及び形成的授業評価
  7.4.3 学びの実際と考察―エピソード記述による質的アプローチ―
  7.4,4 学びの実際と考察―DLT法による量的アプローチ―
  7.4.5 学びの総合的考察
  7.4.6 結語
 7.5 まとめ
 注及び引用・参考文献

第8章 総括
 8.1 本論文の要約
 8.2 今後の課題

付記
あとがき
著者岡野昇 著
発行年月日2018年12月05日
頁数284頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2250-9