博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

現代アメリカにおける構築主義歴史学習の原理と展開

歴史像の主体的構築

定価: 14,300 (本体 13,000 円+税)

本書は、米国で主流の構築主義歴史学習の原理と実際を明示し、解釈と批判を駆使して主体的に歴史像を作り出すような歴史学習への変革を目指した書。

【著者略歴】
寺尾健夫(てらお たけお)

1956年 岡山県に生まれる
1980年 岡山大学教育学部卒業
1982年 広島大学大学院教育学研究科博士課程前期教科教育学(社会科教育学)専攻修了
1983年 広島大学附属小学校教諭
1989年 兵庫教育大学学校教育学部助手
1991年 福井大学教育学部助教授
1999年 福井大学教育地域科学部助教授(学部名称変更による)
2001年 福井大学教育地域科学部教授
2004年 福井大学教育地域学部附属中学校校長(併任、3年間)
2013年 福井大学附属総合図書館館長(併任、3年間)
2016年 福井大学教育学部教授(学部改組による)現在に至る。
2017年 博士・広島大学(教育学)
目次を表示します。

序章 本研究の目的と方法
 第1節 研究主題
 第2節 本研究の特質と意義
 第3節 研究方法と本研究の構成
第1章 歴史教育改革の課題と解決方法
 第1節 わが国の歴史教育の現状と課題
 第2節 アメリカ歴史教育の課題と研究の展開
 第3節 構築主義に基づく歴史教育改革
  1.構築主義に基づく歴史教育改革
  2.構築主義に基づく歴史学習プランの類型化
   (1)認知構築主義に基づく歴史学習と社会構築主義に基
      づく歴史学習
   (2)人物の行為・出来事・時代像を指標とした歴史学習

第1部 認知構築主義に基づく歴史学習の原理と展開
第2章 人物の行為の解釈に基づく歴史学習の論理
 第1節 史料の解釈を通した人物の行為の解釈学習:アマースト
     ・プロジェクト 単元「リンカーンと奴隷解放」の場合
  1.歴史学習の目標―歴史の探求方法と歴史研究の意義の理解
  2.授業構成原理
   (1)カリキュラムの全体計画とその論理―社会における
      人間関係・現代的課題・歴史理解の方法の理解
   (2)単元構成とその論理―物語の構築による人物の行為と
      出来事の関係の段階的追求
   (3)授業展開とその論理
 第2節 人物の行為の解釈に基づく歴史学習の特質と問題点
第3章 出来事の解釈に基づく歴史学習の論理
 第1節 史料を媒介とした出来事の解釈学習:アマースト・プロ
     ジェクト 単元「レキシントン・グリーンで何か起こった
     のか」の場合
  1.歴史学習の目標―歴史の探求方法と歴史理解の特性の理解
  2.授業構成原理
   (1)カリキュラムの全体計画とその論理
   (2)単元構成とその論理
   (3)授業展開とその論理
  3.特質と問題点
 第2節 史料と科学の方法を媒介とした出来事の解釈学習:
     ボルト・データバング・システム
     単元「誰がアメリカを発見したのか」の場合
  1.歴史学習の目標
  2.授業構成原理
   (1)カリキュラムの全体計画とその論理
      ―歴史による政治学研究
   (2)単元構成とその論理―アメリカ民主主義実現過程として
     の合衆国史
   (3)授業展開とその論理
  3.特質と問題点
 第3節 出来事の解釈に基づく歴史学習の特質と問題点
第4章 時代像や社会の動きの解釈に基づく歴史学習の論理
 第1節 時代の政治思想や倫理性に焦点を当てた時代像の解釈学習
     :アマースト・プロジェクト 単元「ヒロシマ―戦争の科学、
     政治学、倫理学からの研究―」の場合
  1.歴史学習の目標―歴史の探求方法と歴史研究の意義の理解
  2.授業構成原理
    (1)カリキュラムの全体計画とその論理
    (2)単元構成とその論理
    (3)授業展開とその論理
  3.特質と問題点―時代の特色や社会問題に焦点を当てた解釈学
    習の特質と意義
 第2節 社会問題に焦点を当てた時代像の解釈学習:ハーバード
     社会科の公的論争問題 単元「アメリカ独立革命」の場合
  1.歴史学習の目標―公的論争問題の解決方法の理解
  2.授業構成原理
    (1)カリキュラムの全体計画とその論理
    (2)単元構成とその論理
    (3)授業展開とその論理
  3.特質と問題点
 第3節 時代像や社会の動きの解釈に基づく歴史学習の特質と
     問題点
第5章 認知構築主義に基づく歴史学習の原理と特質
  1.歴史理解の捉え方から見た特質
  2.教授―学習過程の構成から見た特質
  3.学習者と歴史・社会との関係から見た特質

第2部 社会構築主義に基づく歴史学習
第6章 人物の行為の批判的解釈に基づく歴史学習の論理
 第1節 個人の思想に焦点を当てた人物の行為の批判的解釈学習:
     DBQプロジェクト(世界史) 単元「ガンジー、キング、
     マンデラ―何が非暴力主義の事業を成し遂げさせたのか」
     の場合
  1.歴史学習の目標
  2.授業構成原理
   (1)カリキュラムの全体計画とその論理
   (2)単元構成とその論理
   (3)授業展開とその論理
  3.特質と問題点
 第2節 社会集団の行動の批判的解釈に基づく歴史人物学習:DBQ
     プロジェクト 単元「何かセイラムの魔女裁判を異常なものに
     したのか」の場合
  1.歴史学習の目標
  2.授業構成原理
   (1)カリキュラムの全体計画とその論理
   (2)単元構成とその論理
   (3)授業展開とその論理
  3.特質と問題点
 第3節 人物の行為の批判的解釈に基づく歴史学習の特質と問題点
第7章 出来事の批判的解釈に基づく歴史学習の論理
 第1節 役割討論を媒介にした出来事の意義の批判的解釈学習:
     中等歴史カリキュラム「生きている歴史!」 単元「民主政
     治の出現」の場合
  1.歴史学習の目標―歴史カリキュラム「生きている歴史!」の
    目標
  2.授業構成原理
   (1)カリキュラムの全体計画とその論理
   (2)単元構成とその論理
   (3)授業展開とその論理
  3.特質と問題点
 第2節 社会的理解の方法を媒介にした出来事の批判的解釈学習:
    G.シューマンの開発単元「レキシントン・グリーン再訪」の場合
  1.歴史学習の目標
  2.授業構成原理
   (1)カリキュラムの全体計画とその論理
   (2)単元構成とその論理 単元「レキシントン・グリーン再訪」
   (3)授業展開とその論理―社会的理解の方法を媒介とした出来
     事学習の原理
  3.特質と問題点
 第3節 出来事の批判的解釈に基づく歴史学習の特質と問題点
第8章 時代像や社会の動きの批判的解釈に基づく歴史学習の論理
 第1節 社会制度の改革の意義に焦点を当てた批判的解釈学習:
     中等歴史カリキュラム「生きている歴史!」 
     単元「新国家の憲法」の場合
  1.歴史学習の目標―学びの共同体の形成と学級における社会
   形成
  2.授業構成原理
   (1)カリキュラムの全体計画とその論理
   (2)単元構成とその論理
   (3)授業展開とその論理
  3.特質と問題点
 第2節 社会問題に焦点を当てた批判的解釈学習:DBQプロジェクト
     (米国史) 単元「ERA(男女平等権憲法修正条項)はなぜ否決
     されたのか」の場合
  1.歴史学習の目標
   (1)社会問題としてのERA否決
  2.授業構成原理
   (1)カリキュラムの全体計画とその論理
   (2)単元構成とその論理
   (3)授業展開とその論理
  3.特質と問題点
 第3節 時代像や社会の動きの批判的解釈に基づく歴史学習の特質
     と問題点
第9章 社会構築主義に基づく歴史学習の原理と特質
  1.歴史理解の捉え方から見た特質
  2.教授―学習過程の構成から見た特質
  3.学習者と歴史・社会との関係から見た特質
第10章 構築主義歴史学習の論理と意義
  1.歴史理解の捉え方から見た特質
  2.教授―学習過程の構成から見た特質
  3.学習者と歴史・社会の関係から見た特質
終章 成果と課題

引用参考文献
あとがき
著者寺尾健夫 著
発行年月日2018年12月25日
頁数576頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2257-8