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イギリスにおけるインクルーシブ教育政策の歴史的展開

定価: 9,900 (本体 9,000 円+税)

イギリスの障害児教育成立期からインクルーシブ教育政策に至る歴史的展開、現地小学校におけるインクルーシブ教育実践を分析・考察し、日本への示唆を与える意欲作。

【著者略歴】
水野和代(みずの かずよ)

1996年 愛知県立大学 外国語学部 英米学科 卒業
企業勤務を経て、
2012年 名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 博士前期課程 修了
2017年 名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 博士後期課程 修了
博士(人間文化)
2017年 名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 研究員、特定非営利活動法人 見晴台学園大学 客員共同研究員
現在に至る。

専門
障害児(者)教育制度・政策研究、インクルーシブ教育制度・政策研究

主要論文等
「インクルーシブ教育の理論および起源に関する研究―1970年代以降のイギリスを中心に―」『人間文化研究』18、名古屋市立大学大学院 人間文化研究科、2012年
「ノーマリゼーション原理に関する一考察―その起源と本質的把握の試み―」『人間文化研究』19、名古屋市立大学大学院 人間文化研究科、2013年
「アメリカ合衆国における知的障害者の高等教育機関進学の背景と現状」『中部社会福祉学研究』9、2018年
目次を表示します。
第1部 研究の課題と方法
序章 研究の課題と方法
 第1節 研究課題の背景と分析の視点
 第2節 研究の対象および研究の方法
 第3節 本研究の構成

第1章 先行研究の分析
 第1節 障害児教育政策論の先行研究
  第1項 ノーマリゼーション原理(The Principle of Normalization)
  第2項 インテグレーション概念(The Concept of Integration)・
       統合教育(Integrated Education)
  第3項 インクルージョン(Inclusion)
  第4項 インクルーシブ教育(Inclusive Education)
 第2節 イギリスの障害児教育政策・インクルーシブ教育政策の先行
      研究
 第3節 日本の障害児教育政策・特別支援教育政策・インクルーシブ
      教育政策の先行研究

第2部 インクルーシブ教育に至る障害児教育政策論の歴史的展開
第2章 インクルーシブ教育の源流―ノーマリゼーション原理―
 第1節  「ノーマリゼーション」の言葉の起源
 第2節 ノーマリゼーション原理の歴史的展開
 第3節 北欧型と北米型のノーマリゼーション原理
 第4節 ノーマリゼーション原理の世界的な展開
 第5節 イギリスにおけるノーマリゼーション原理
 第6節 日本における「Normalization」
 第7節 ノーマリゼーション原理の本来の意味と課題

第3章 ノーマリゼーション原理からインテグレーション概念・統合
     教育への発展過程
 第1節 インテグレーション概念・統合教育の歴史的展開
 第2節 イギリスにおけるインテグレーション概念・統合教育の
      歴史的展開
 第3節 日本におけるインテグレーション概念・統合教育の歴史的
      展開
 第4節 インテグレーション概念・統合教育の本来の意味
 第5節 インテグレーション概念・統合教育の課題

第4章 インクルーシブ教育の歴史的展開
 第1節 インクルージョンとは何か―ソーシャル・エックスクルー
      ジョンからソーシャル・インクルージョンヘ―
 第2節 EUの政策におけるインクルージョン
 第3節 イギリスの政策におけるインクルージョン
 第4節 障害児教育政策におけるインクルージョン
 第5節 インクルーシブ教育の概念規定
 ―「プロセスとしてのインクルージョン」と「フル・インクルージョン」―
 第6節 インクルーシブ教育の世界的な動向
 第7節 インクルーシブ教育の本来の意味と課題

第3部 イギリスにおけるインクルーシブ教育政策の歴史的展開
第5章 戦前・戦後のイギリスにおける障害児教育の発展過程
 第1節 障害児に対する組織的教育の成立
 第2節 障害児公教育制度成立への歴史的展開
 第3節  「1944年教育法(Education Act 1944)」成立の背景
 第4節  「1944年教育法」の特徴―障害カテゴリーの拡大―
 第5節  「1944年教育法」の課題
 第6節  「1970年教育(障害児)法(Education(Handicapped
      Children)Act 1970)」―全員就学ヘ―

第6章  「ウォーノック報告」にみるインクルーシブ教育への萌芽
 第1節  「ウォーノック報告」成立の背景
 第2節  「ウォーノック報告」の特徴
 第3節  「1981年教育法(Education Act 1981)」成立の背景
 第4節  「1981年教育法」の特徴―統合教育の明示―
 第5節  「ウォーノック報告」・「1981年教育法」の成果
 第6節  「ホール・スクール・アプローチ(Whole School Approach)」
      の登場
 第7節  「1981年教育法」施行後の残された課題

第7章 インクルーシブ教育の実現過程
 第1節  「1988年教育改革法(Education Reform Act 1988)」成立
      の背景
 第2節  「1988年教育改革法」の特徴―市場原理の導入―
 第3節  「1988年教育改革法」が特別な教育的ニーズのある子ども
      に与えた影響
 第4節  「1993年教育法(Education Act 1993)」成立の背景
 第5節  「1993年教育法」・「実施要綱(Code of Practice)」の特徴
 第6節  「1993年教育法」・「実施要綱」の成果と課題
 第7節  「1995年障害者差別禁止法(Disability Discrimination
      Act 1995:DDA)」―障害者差別の撤廃ヘ―

第8章 インクルーシブ教育の原則採用
 第1節 白書『学校における卓越さ(Excellence in Schools)』
 第2節 緑書『全ての子どもに卓越さを:特別な教育的ニーズへの
      対応
      (Excellence for All Children: Meeting Special
      Educational Needs)』
 第3節 インクルーシブ教育の推進
 第4節 エックスクルージョンからインクルージョンへ
 第5節  「特別な教育的ニーズへの対応:行動計画(Meeting Special
      Educational Needs: A Programme of Action)」
 第6節  「2001年特別な教育的ニーズおよび障害法(Special
       Educational Needs and Disability Act 2001)」
 第7節  「特別な教育的ニーズ実施要綱(Special Educational
      Needs -Code of Practice-)」―「実施要綱」の改訂―

第9章 近年のイギリスにおけるインクルーシブ教育政策の展開
 第1節 緑書『全ての子どもが大切だ(Every Child Matters)』
 第2節  「2004年子ども法(Children Act 2004)」
      ―子どもの権利強化―
 第3節 緑書『全ての子どもが大切だ:子どものための変革(Every
      Child Matters: Change for Children)』
 第4節  「子どもと学習者のための五ヶ年計画(Five Year Strategy
      for Children and Learners)」
 第5節  「特別な教育的ニーズ(SEN)」に関する議論
 第6節 特別な教育的ニーズの再検討
 第7節 緑書『支援と大志:特別な教育的ニーズと障害への新たな
      アプローチ (Support and Aspiration: A New Approach
      to Special Educational Needs and Disability)』
 第8節  「2014年子ども・家族法(Children and Families Act
      2014)」・「特別な教育的ニーズと障害に関する実施要綱:
      誕生から25歳まで
       (Special Educational Needs and Disability Code of
      Practice: O to 25years)」

第10章 イギリスにおけるインクルーシブ教育の成果と課題
 第1節 イーストサセックス州・小学校訪問調査の背景と目的
 第2節 調査対象と調査方法
  第1項 データ
  第2項 調査方法
 第3節 分析結果
 第4節 考察
補完資料

第4部 総括
終章 本研究の総括
 第1節 障害児教育政策論の歴史的展開の総括
 第2節 イギリスにおけるインクルーシブ教育政策の歴史的展開の
      総括
 第3節 日本への示唆
 第4節 今後の研究課題
参考資料  「イギリス障害児教育・インクルーシブ教育史年表」
参考文献
謝辞
著者水野和代 著
発行年月日2019年02月05日
頁数382頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2261-5

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