明治大学社会科学研究所叢書近代日本の専門職とジェンダー
医師・弁護士・看護職への女性の参入
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はじめに 武田政明
Ⅰ部 近代日本における女性医師職の形成過程を探る
―医育政策・制度との連関において― 岡山禮子
はじめに
第1章 公許女洋医の誕生とその時代
第1節 女医の公許とその意義
1 公許女医第1号の誕生
2 国家の医学・皇漢学から西洋医学へ
第2節 近代的医事制度構築への助走
1 明治政府の登場
2 幕末期の西洋医学伝習
3 「大学」閉鎖から文部省設立へ
4 医制の発布そして医術開業試験の実施へ
5 医術開業試験の全国的統一化への歩みと「学歴」による試験
免除
第2章 近代的医学教育制度の形成と女性の位相
第1節 近代的医学教育制度構築への営為
1 ドイツ医学への準拠
2 モデルはプロシャ陸軍軍医学校
3 医学教育機関の多層化と精粗
第2節 医育制度の確立とジェンダー
1 医学校通則の制定とその後
2 専門学校令と医師法の制定
3 明治期医育制度の展開とジェンダー
4 ジェンダーギャップの克服にむけて
参考文献
I―補論 公許女洋医の群像 細野はるみ
1 荻野吟子
2 生沢クノ
3 高橋瑞子
4 本多詮子
5 竹内茂代
6 当時の医師育成と「女医」
参考文献
Ⅱ部 女性弁護士の誕生とジェンダー
―女性弁護士誕生の推進主体をめぐって― 吉田恵子
はじめに
第1章 女性弁護士を生み出した時代―大正中期~昭和初期―
第1節 女性の法的地位
1 明治民法のもとでの女性
2 臨時法制審議会と改正要綱
3 人事調停法の制定
第2節 女性の職業
1 職業観の変化
2 女性の職業の拡大
3 女性の職業拡大の社会的背景
第3節 女性の高等教育
1 大学への女子入学
2 臨時教育会議と教育審議会
第2章 女性弁護士誕生
第1節 弁護士という職業と女性
1 弁護士業の確立と女性の排除
2 弁護士をめぐる社会的状況―法曹界での地位
3 弁護士をめぐる社会的状況―過剰問題の浮上
第2節 明治大学専門部女子部の誕生
1 設立の目的
2 カリキュラム
3 入学者の出身階層と入学目的
第3節 女性弁護士誕生前夜
1 高等試験令の公布
2 弁護士法改正調査委員会の設置
3 改正弁護士法の成立
第4節 女性弁護士誕生
1 女性弁護士の誕生
2 女性への弁護士開放に対する反対論
3 男性職域への脅威としての反対論
第3章 女性弁護士誕生の推進主体とジェンダー
第1節 女性弁護士を誕生させたもの
1 女性弁護士誕生の推進主体―弁護士界の立場
2 女性弁護士誕生の推進主体―女性運動の役割
3 女性弁護士誕生の推進主体―官僚・学者
4 穂積重遠
第2節 ジェンダー視点から見た問題点
1 国家の意図による限界
2 特性論による限界
第3節 初期の女性法曹人
1 初期女性法曹人の群像
2 新たな課題
おわりに
参考文献
Ⅱ―補論 鵜沢総明の女子教育論 長沼秀明
1 その生い立ちと経歴
2 臨時教育会議と鵜沢総明
参考文献
Ⅲ部 看護職の専門性とアイデンティティの形成過程
―戊辰戦争から「看護婦規則」成立前後まで― 平川景子
はじめに―看護職の専門性と「女性向け」専門職
第1章 専門職の性別職務分離―看護職を検討する視点―
第1節 性別職務分離に対する機会均等論
第2節 「女性職」と専門職論
第3節 専門職の成立過程への注目
第2章 看護職の形成と軍隊・医療―性別職業分離の形成―
第1節 女性の務めとしての「看護」
第2節 戊辰戦争・西南戦争時の看病婦
1 戦時役割分業と病院看護
2 杉本かね―大病院看護方取締―
3 増田サハ―鹿児島警視病院看病婦―
第3節 看護婦養成機関の成立―性別職業分離の形成―
1 看病人看護人
2 看護婦養成機関の成立―ナイチンゲール方式の導入―
3 日赤看護婦と軍隊
4 専門職の女性化の課題
第3章 派出看護婦と「看護婦規則」からみた雇用と養成
第1節 「女性職」としての看護の形成と専門性の制度化
第2節 看護婦資格の二重構造の起源
1 派出看護婦の雇用と養成
2 「東京府看護婦規則 理由」の検討
第3節 派出看護婦のしごととアイデンティティ
―伝染病看護を中心に―
1 避病舎におけるトレィンド・ナースたちによる看護
2 家庭への派出―「奉公人」への包摂
3 看護婦のアイデンティティをめぐって
おわりに―ベッドサイドケアとしての看護職の専門性
参考文献
結びに代えて 武田政明
あとがき 執筆者一同
索引