現代ドイツの倫理・道徳教育にみる多様性と連携
中等教育の宗教科と倫理・哲学科との関係史
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まえがき
序章 ドイツの倫理・道徳教育への注目―宗教科と倫理・哲学科との関係史を捉える視角―
第1節 本研究の目的と意義
(1)本研究の目的
(2)宗教教育の歴史的背景とその現代的意義を扱う重要性の確認
第2節 宗教科と倫理・哲学科をめぐる社会的背景と設定課題
第3節 先行研究の検討
(1)概要
(2)宗教科と倫理・哲学科の法的地位に関する研究
(3)宗教科と倫理・哲学科に関する教授学研究とカリキュラム研究
(4)宗教科と倫理・哲学科の授業実践に関する研究
第4節 論文構成と研究方法
註
第Ⅰ部 宗教科と倫理・哲学科の法的地位をめぐる相克―対立から並存へ―
第1章 基本法における宗教科規定と各州の倫理・哲学科規定との関係
第1節 「正規の教科」としての宗教科の法的地位をめぐる問題状況
(1)連邦レベルにおける宗教科の法的地位―ヴァイマール憲法から1949年憲法へ―
(2)バイエルン州―第二次世界大戦後の「必修教科」としての宗教科規定―
(3)ブランデンブルグ州―東西ドイツ統一後の「補足教科」としての宗教科規定―
(4)NRW州―2011年学校法改正によるイスラームの宗教科の導入―
第2節 各州における倫理・哲学科の創設とその法的地位の確立
(1)各州レベルにおける倫理・哲学科の創設―1970年前後及び東西ドイツ統一後―
(2)倫理・哲学科の法的地位の正当性をめぐる論議―バイエルン州とブランデンブルグ州にみる倫理・哲学科の法的地位の整備と確立―
(3)宗教家と倫理・哲学科との法的並存のあり方の確立
註
第2章 宗教的多元化の中の宗教科と倫理・哲学科―2000年代以降のベルリンにみる倫理科の必修化―
第1節 ベルリンにおける宗教的多元化
第2節 ベルリンにおける宗教科の法的地位
第3節 ベルリンにおける必修教科としての倫理科導入の経緯
第4節 宗教科と倫理・哲学科との法的並存のあり方の多様性
註
第Ⅰ部のまとめ
第Ⅱ部 宗教科と倫理・哲学科による市民性の育成と倫理・道徳教育の質保証―カリキュラムの並存から連携へ―
第3章 宗教科による市民性の育成―1990年代以降のカリキュラムの分析―
第1節 宗教科カリキュラム改革の背景
第2節 宗派間協同作業の導入
(1)1998年の共同声明に至る経緯
(2)宗派間協同作業の内容と意義
(3)宗派間学習から宗教間学習へ
第3節 宗派間・宗教間学習の展開―NRW州とバイエルン州の事例―
(1)NRW州の事例(1999年版)
(2)バイエルン州の事例(2004年版)
第4節 NRW州におけるイスラームの宗教科カリキュラムの内容的特徴(2013年版)
(1)カリキュラム開発の背景
(2)イスラームの宗教科カリキュラムの内容的特徴(2013年版)
第5節 宗教科による市民性の育成と宗教教育の新たな次元
註
第4章 倫理・哲学科による市民性の育成―1990年代以降のカリキュラムの分析―
第1節 倫理・哲学科のカリキュラム編成上の背景と問題点
第2節 NRW州実践哲学科による判断力の育成(1997年大綱草案)
(1)導入の経緯
(2)目標と学習内容
第3節 バイエルン州倫理科にみる人間の尊厳の尊重(2004年版)
第4節 倫理・哲学科と宗教科の教科間に通底する市民性の育成
註
第5章 宗教科と倫理・哲学科による倫理・道徳教育の質保証―コンピテンシー・モデルに基づくカリキュラムへの転換―
第1節 倫理・哲学科によるコンピテンシー志向のカリキュラムの導入
第2節 コンピテンシー志向のNRW州実践哲学科コアカリキュラム(2008年版)
第3節 コンピテンシー獲得に寄与するブランデンブルグ州LER科大綱レーアプラン(2008年版)
第4節 コンピテンシー・モデルによる倫理・道徳教育の質保証
註
第Ⅱ部のまとめ
第Ⅲ部 授業実践にみる宗教科と倫理・哲学科
第6章 教科書にみる宗教間学習の特徴―宗教科(カトリック)教科書と実践哲学科教科書との比較―
第1節 第二バチカン公会議と宗教間対話
第2節 教科書分析の方法
第3節 『希望のしるし』(2002年版)にみる諸宗教に関わる学習
(1)ヒンドゥー教および仏教に関わる学習内容
(2)小単元「様々な宗教―過去と未来」の学習内容
第4節 『実践哲学』(2002年版)にみる諸宗教に関わる学習
第5節 宗教間対話への理解の深化
註
第7章 生徒の意識にみる宗教科と倫理・哲学科の連携に向けた課題―質問紙調査に基づいて―
第1節 宗教科と実践哲学科の間の差異と関連性―NRW州での質問紙調査の背景―
第2節 ギムナジウムを対象とする調査の概要
(1)調査の方法
(2)カリキュラムの全般的特徴―各教科の目的、教授・学習方法、学習領域―
第3節 生徒の意識に関する分析と考察
(1)様々な宗教の共存・共生に関わるテーマ領域の重要性認識度
(2)学んだことの自己評価
(3)生活や人生における意義
第4節 宗教科と実践哲学科の連携を進める上での課題
註
第8章 宗教科と倫理・哲学科との教科間連携への模索
第1節 宗教科と倫理・哲学科との教科間連携の背景
第2節 授業実践と教員養成課程における倫理科と宗教科との連携―ベルリンでのインタビュー調査から―
第3節 教員継続教育の手引き(2014年)にみる教科間連携の特徴
(1)倫理科と宗教科との教科間連携の前提
(2)倫理科による連携のための構成要素
(3)イスラームの宗教科による連携のための構成要素
第4節 宗教科と倫理・哲学科との教科間連携の意義と課題
註
第Ⅲ部のまとめ
結章 宗派的宗教教育と世俗的価値教育との関係性
第1節 第二バチカン公会議以降の宗教科と倫理・哲学科との関係の変容
第2節 宗派的宗教教育と世俗的価値教育の歴史的経緯とその現代的意義
第3節 今後の研究課題
註
資料
参考資料・文献
初出一覧
あとがき
人名索引
事項索引