大和物語の婚姻と第宅
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緒言
起篇 『大和物語』の婚姻と第宅
序章 問題のありか
第一章 「亭子院のわか宮」(一一段)
―醍醐皇女について―
一 韶子内親王と源清蔭
二 「東の方」の居宅
三 本院第西の対屋に据えられた時平室
四 高経女「兵衛」
五 韶子内親王の斎院退下
六 醍醐皇女一覧
七 源清蔭と「亭子院」
第二章 「桂のみこ」(二〇段)
―光孝皇女について―
一 「桂のみこ」の婚姻
二 「桂ノ宮」第は〈西六条院〉
三 后腹の光孝皇女
四 「仲野親王六条亭」
五 敦慶親王の私第
六 元良親王と「かつらの宮」
第三章 「刑部の君」(四八段)
―宇多皇女について―
一 刑部卿のむすめ
二 宇多皇女一覧
三 第五女で第六(’’)内親王(’’’)の成子内親王
四 「女五のみこ」の所伝
五 敦固親王の私第
六 源湛の女子〈内蔵の更衣〉
七 「閑院の五のみこ」再考
第四章 「京極御息所」(六一段)
―法皇御所について―
一 時平のむすめ褒子
二 「河原院」への移御
三 宇多上皇の御所
四 「東院」と「東洞院」
五 「河原院」と「宇多院」
六 行明親王の小八条第
七 敦実親王と「宇多院」
八 「河原院」と〈六条御息所〉
九 褒子の落飾
第五章 「南院のいま君」(一〇八段)
―是忠親王王女について―
一 源宗于の女子
二 源宗于の素姓
三 源宗于女と〈閑院大君〉の関係
四 是忠親王の女婿
五 是忠親王の王女姣子女王
六 「南院式部卿の親王の女」
七 貞保親王と是忠親王
八 「南院内親王」敦子の存在
九 二つの南院第
第六章 「染殿の内侍」(一五九段)
―上毛野朝臣滋子―
一 従来の所伝
二 染殿第との関係
三 上毛野朝臣滋子の存在
四 上毛野朝臣氏と染殿第
五 源能有室の藤原滋子
六 「菅原の君」の没年
七 染殿第の伝領者
八 「染殿の内侍」の周辺伝説
終章 皇統転換期の縮図
一 両皇統の婚姻の二元性
二 初段の語るもの
承篇 『大和物語』の女性名称
序章 問題のありか
第一章 「若狭の御」(一五段)
一 陽成御在所としての「釣殿院」
二 「陽成院」第における御息所
三 〈武蔵の御〉との混同
四 武蔵守の候補者
五 遠景としての班子女王
第二章 「陽成院のすけの御」(一六段)
一 〈主殿助のむすめの御〉
二 小野絃風について
三 敦慶親王第としての「亭子院」
四 「すけの御」
第三章 「閑院の御」(四六段)
一 〈閑院第のむすめである御〉
二 幻の〈基経女陽成御息所〉
三 貞元親王室の基経女
四 平貞文との関係
五 閑院第を里第とする女官
第四章 「五条の御」(六〇段)
一 山蔭女一覧
二 在原業平女との契縁
三 清貫母と在原文子
四 在原滋春の事跡
五 「伊勢の守」の候補者
六 「五条の御」仮系図
七 五条尚侍満子
八 〈山蔭姪〉〈智泉女〉か
九 在衡の五条第
第五章 「伊予の御」(六五段)
一 伊予介連永の女子
二 是忠親王王子一覧
第六章 〈少輔の御〉(一一一段)
一 兼輔の対象の「少将の内侍」
二 〈橘公平〉という架空の人物
三 源公平の存在
四 大后穏子に侍仕する女官たち
第七章 「檜垣の御」(一二六段)と「弁の御息所」(一六五段)
一 「槍垣の御」
二 「弁の御息所」
三 「御」の意義
四 「君」「御」の視点と「家の女」「宮仕へ女房」の視点
終章 『大和物語』の「――の御」の定義
一 「御」と「御達」
二 「御達」と「御」たち
三 「――の御」の「御」
四 「御息所」の下位概念としての「御」
転篇 『大和物語』の史的環境―北家所領の第宅
序章 問題のありか
第一章 「東三条」と呼ばれる第宅
一 東京三条第の略形
二 良房と東三条第の史料
三 宇多上皇・班子女王の遷御した「東三条院」
四 元利親王第の「東三条家」
五 皇后昌子内親王の移御した「東三条」
第二章 堀河第と閑院第とについて
一 源兼忠の生母基経女
二 仲平女暁子と明子の居宅
三 致忠所領の閑院第
四 元平親王と閑院第
五 元良親王と閑院第の三姉妹
六 元平親王と「開院君」との婚姻の場
七 后妃の里第への遷幸
第三章 染殿第と南院第とについて
一 「せかゐの君」
二 「元利親王家」の「清和院」
三 「染殿尚侍」考
四 良房の白河第
五 基経の栗田山荘=北白河第
六 済時の「小白河第」と公任の「北白河第」
第四章 「東一条」と呼ばれる第宅
一 「外記日記」の記事
二 忠平第の「東家」
三 皇后安子の東院第
四 「東院公主」簡子の存在
五 「小一条伊尹朝臣宅東一条」
六 忠平の小一条第
七 良房の東一条第
八 〈小一条内大臣高藤〉
九 〈小一条〉の指呼する第宅
十 四坊三町・四町にわたる東院第
終章 史的環境の輪廓
一 良房第としての〈染殿第・東三条第〉
二 忠平第としての〈染殿第〉と元利親王第としての
〈東三条南院第〉
三 兼家第としての〈東三条第〉
結篇 『大和物語』の成立
第一章 研究の課題と方法
一 『大和物語』の文芸性
二 個別章段と全体構成
三 「事件年次」と「記述年次」
四 「事件年次」の史実性
五 本書の研究の方法
六 「二条の御息所」について
第二章 女官名称の原則
―「一条の君」の場合―
一 問題のありか
二 条坊名と后妃の称号
三 女蔵人「一条の君」と貞平親王王女「一条の君」
四 〈陽成院〉と「一条の君」
五 内裏の女官「女蔵人一条」
六 承香殿の「としこ」と「亭子院」との接点
七 褒子に侍仕する「一条の君」
八 伊勢と「一条の君」の交遊
九 「一条の君」の婚姻
十 「陽成院」に「一条の君」
第三章 『大和物語』と『後撰集』との乖離
―「監の命婦」考―
一 問題のありか
二 『大和物語』の「監の命婦」
三 『後撰集』の「藤原かつみの命婦」
四 〈左近将監恒興のむすめ〉
五 『後撰集』の「命婦清子」
六 〈平安直女〉と〈共政つま肥前〉
七 堤第の伝領―〈在原行平の鴨河辺第〉
八 堤第の伝領―〈朝忠の中河第〉
九 在原方子
十 『大和物語』と『後撰集』との間
第四章 『大和物語』の成立
一 問題のありか
二 『大和物語』の二部構成についての三説
三 『大和物語』の俯瞰図的考察―『古今集』歌章段
四 『大和物語』の俯瞰図的考察―『拾遺集』歌章段
五 第五十八段に登場する平兼盛
六 平兼盛の陸奥下向と源重之との関係
七 総論『大和物語』と三代集の関係―『拾遺集』
八 総論『大和物語』と三代集の関係―『後撰集』
九 総論『大和物語』と三代集の関係―『古今集』
十 事実の文芸
本書収載論文について
索引
(一)人名索引 (二)第宅索引 (三)章段索引 (四)論文索引 (五)和歌索引
附表
三代集所伝一覧表
清和―円融朝四省卿親王表
あとがき