ウィネトカ・プランにおける教職大学院の成立過程
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序章 研究の目的と方法
第1節 研究の目的
第2節 研究の方法
1.進歩主義教育史の動向と本研究の視点
2.ウィネトカ・プランの研究状況と課題
3.本書の構成
第1章 ウォシュバーンによるウィネトカ・プランの構想
第1節 ウォシュバーンの経歴と教育長としての役割認識
1.進歩主義教育に関するバックグラウンド
(1)母マリオンの教育観の影響
(2)青年期における学修経験
2.学校教育に対する改革意識の萌芽
(1)学校教師としての思考錯誤
(2)バークの問題意識への共鳴
3.ウィネトカの教育長としての役割認識―ウィネトカ・プラン前史
(1)ウィネトカ公立学校の設立と改革の経緯
(2)教育委員会の学校改革に対する認識の変化
(3)教育委員会におけるウォシュバーンへの期待
小括
第2節 ウィネトカ・プラン理念の形成
1.バークの個別教育論への傾倒
(1)バークの個別教育論にみる自学思想
(2)ウォシュバーンにおける個別教育論の理解
(3)バークの知識観の影響
2.ヨーロッパ新教育思想の受容
(1)ウォシュバーンにおける問題意識の推移
(2)バクーレの「生活教育」原理の理解
(3)クジーネの「分業」理論に基づいた集団活動の意義理解
3.クックとの対話を通した「社会性」概念の受容
(1)相互依存的な関係性の重視
(2)クックによる「社会性」概念の援用
(3)ウォシュバーンにおける「社会性」概念の理解
(4)プロジェクト活動論の構想
小括
第3節 教師の力量形成に向けた構想
1.バークの教師論の影響
(1)バークによる教員養成の改革
(2)教師の内面性への注目
2.理想の教師像の構築
(1)ヨーロッパ新学校の教師像
(2)教師の自由裁量の意義理解
3.教師教育カリキュラムの研究
(1)プロジェクト・メソッドへの注目
(2)二つの活動領域の構想
小括
第2章 実践開発を通した教師の力量形成
第1節 ウォシュバーンの指導を受けた教師のカリキュラム改訂
1.教師による改革可能性の認識
(1)個別教育法の紹介と教師の反応
(2)学年会議を通したウォシュバーンによる研究指導
(3)既存の枠組みに対する懐疑
2.コモン・エッセンシャルズ研究の遂行
(1)セミナーの開設とカリキュラム編成原理の探究
(2)「社会科学の内容調査」にみる教師のコモン・エッセンシャルズ理解
(3)「共有知」を反映したカリキュラムの編成
3.教師による「科学」的研究の展開
(1)カリキュラム改訂にみる教師の意識
(2)教師における「科学」的態度の形成―実験学校としての基盤
小括
第2節 アドヴァイザーの指導に基づいた教師のカリキュラム開発
1.アドヴァイザー集団による指導態勢の構築
(1)実践的指導者の希求
(2)F.プレスラーを中心とした教育指導職の協力態勢
(3)「アドヴァイザー」の役割と性格
2.アドヴァイザーによる教師の実践指導
(1)「集団的創造的活動」の敷衍―子どもの学習過程に即した単元開発
(2)単元開発のモデルの提示
(3)実践場面における指導
3.教師におけるカリキュラム概念の形成
(1)プロジェクト型カリキュラムの実践
(2)教師における実践観の変容
(3)教師による単元開発と課題認識
小括
第3節 隣接学問領域との協働による実践課題の追究
1.ウィネトカ教育相談部の設立経緯
(1)教師集団における課題の共有
(2)F.ダマーを介した精神衛生の情報移入
(3)児童研究の拠点としての教育相談部の設立
2.「不適応児」研究を通した精神衛生論の受容
(1)ウィネトカ公立学校における「不適応児」研究の背景
(2)シカゴ少年問題研究所における精神衛生研究の特徴
(3)教師と教育相談員による共同研究
3.「生活史」の手法に基づいた児童研究の展開
(1)教師による「生活史」の理解
(2)教師と親における協力関係の構築―子どもの生活経験に関する情報共有
(3)「生活史」の手法に基づいた興味分析
(4)外部専門家との協働による児童研究の展開
小括
第3章 教師教育の組織化と教職大学院の成立
第1節 ウィネトカ公立学校におけるインターンシップの導入
1.20世紀初頭アメリカにおける教員養成の形骸化
(1)師範学校の使命と実情
(2)教員養成の高等教育化とその問題点
(3)進歩主義教育者からの批判
2.ウィネトカ公立学校におけるインターンシップの導入経緯
(1)ウォシュバーンの問題意識
(2)インターンシップ導入の目的とその変化
3.教師によるインターン生の指導と観察
(1)インターンシップにおける指導態勢
(2)インターン生の変容過程の観察
(3)教師による自己研修の試み
(4)教師における教員指導の意義理解
小括
第2節 ウィネトカ夏季教員研修における現職教育プログラムの試行
1.夏季教員研修プログラムの開発
(1)ウィネトカ夏季教員研修の開設経緯
(2)「教育実習」を中心としたプログラムの開発意図
2.指導教師と受講者間の相互作用への注目
(1)多様なバックグラウンドを持つ外部教員の指導
(2)教員指導における互恵的な学びの理解
3.教師教育に関する課題認識
(1)受講者選抜の必要性
(2)夏季教員研修プログラムの反省
小括
第3節 ウィネトカ教職大学院における教師教育の実践
1.教職大学院の構想と研究態勢の構築
(1)教職大学院のグランド・デザイン
(2)F.マレーを中心とする研究態勢
2.入学者選抜とプログラム開発にみる指導教師の企図
(1)入学志望者の選抜
(2)教師教育プログラムの開発
(3)相談委員会の設置
3.指導教師による自己教育の展開
(1)学生指導を通した問題状況の惹起
(2)発生的認識論に基づいた単元開発の試み
(3)実践開発の基盤についての再考
小括
結章 専門職意識の形成から研究ネットワークの構築へ
第1節 ウィネトカ公立学校の教師における専門職意識の形成
第2節 教師教育に関する研究ネットワークの構築
初出誌一覧
あとがき
人名索引
事項索引