現代キャリア教育システムの日仏比較研究
学校・教師の役割とそれを支えるメカニズム
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序章 本書の趣旨と構成
1.本書の趣旨
2.各章のテーマとその設定理由
第1章 日仏におけるキャリア教育の位置関係
第1節 普通教育における「労働・職業」の位置の変遷
1.第三共和政期から1980年代までの変遷
2.教科外におけるプログラムの発展
3.普通教育との一体化に向けた新たな動向
第2節 日仏におけるキャリア教育の概念とその変容
1.フランスにおけるキャリア教育の概念・定義
2.日本におけるキャリア教育の概念・定義
3.日仏の概念比較
第3節 キャリア教育の日仏比較モデル
1.教育内容の比較
2.担当者の比較
3.教育方法の比較
4.活動場所の比較
5.三次元比較モデルの構築
第2章 教師を中心とするキャリア教育の理想と現実
第1節 教科を通した指導の功罪
1.未来行程のカリキュラムと実践に関する特徴
2.「労働・職業」と普通教育をどう融合するか
3.教育行程におけるeポートフォリオの活用
第2節 教師の役割とその困難性
1.教員の役割の絶対的拡大と相対的拡大
2.全国調査にみるキャリア教育の現状
3.困難校にみるキャリア教育の課題
4.教員の困難とその克服に向けて
5.求められる教員と専門職との関係性の変化
第3節 教職員からみたeポートフォリオの効果と課題
1.eポートフォリオの機能と期待される効果
2.定性的調査に基づく教職員からみたeポートフォリオの実態
3.リール大学区におけるeポートフォリオの実態
4.eポートフォリオ活用のインパクト
第3章 市民性教育としてのキャリア教育の構造
第1節 キャリア教育のパラダイム・シフトと市民性
1.キャリア教育の3つのパラダイム
2.社会的移行支援からみた意義
3.「市民性教育としてのキャリア教育」の概念
第2節 市民としてのキャリア形成に向けたカリキュラムの特質
1.市民行程の制度的枠組
2.カリキュラム・マネジメント:学校レベルでの収束性・継続性・漸進性
3.キャリア・ポートフォリオ:生徒レベルでの収束性・継続性・漸進性
4.市民性教育としてのキャリア教育のカリキュラム構造
第3節 生徒指導専門員の役割と学校生活環境の改善(補論)
1.生徒指導専門員の役割
2.生徒指導専門員の職務の歴史的変遷
3.生徒指導専門員の職務をめぐる実態と問題点
4.教職員からみた校内暴力と学校生活環境
5.校内暴力防止のための新たな方策
6.キャリア形成の基盤としての学校生活
第4章 キャリア教育のアウトカム評価のしくみ
第1節 「自律性」の評価に関する政策展開とその影響
1.コンピテンシー評価に関する中央政府の施策
2.中学校におけるコンピテンシー評価の実態
3.大学区におけるコンピテンシー評価の支援
第2節 目標契約によるPDCAサイクルの展開と評価方法の刷新
1.評価の推進施策としての「目標契約」
2.中学校における学校教育計画の評価と改善
3.中学校における新たなコンピテンシー評価の枠組みと実態
4.情報・進路指導センターにおける目標契約と評価
第3節 行政主導による診断的・形成的・総括的評価の融合
1.eポートフォリオを活用した形成的評価
2.支援アンケートを活用した診断的評価
3.アウトカム評価システムの構造的特徴
第5章 多機関連携によるリスクを抱えた若者の支援
第1節 生涯キャリア支援に関するネットワークの再構築と質保証
1.生涯キャリア支援の観点からみた公役務の課題
2.ネットワークの再構築による多機関連携
3.認証評価による質保証制度の成立
4.認証評価の実施に向けた大学区の動き
第2節 中途退学者に対するキャリア支援の教育的意義
1.ミッション・ローカルの制度的特徴
2.ボンディ市におけるミッション・ローカルの活動成果と課題
3.キャリア教育プログラム「集団・個別職業指導行程」の特徴
4.ミッション・ローカルによるキャリア支援の成果と限界
第3節 社会正義の視点からみた情報・進路指導センターの機能
1.サン・ドニ情報・進路指導センターにおける若年困難層の支援
2.ベジエ情報・進路センターにおける若年困難層の支援
3.承認的正義への貢献
第4節 キャリア支援としての職業教育の役割(補論)
1.職業教育制度の概要
2.職業教育のカリキュラムと実施体制
3.キャリア教育としての専門教育の実践
4.キャリア形成からみた職業教育の課題と可能性
終章 日仏比較からみた学校・教師の役割とそれを支えるメカニズム
1.日仏におけるキャリア教育の比較
2.学校・教師を支えるメカニズムの可能性
参考文献
初出(関連論文)一覧
関連研究助成一覧
あとがき