ジェンダー化された家庭内役割の平等化と母親ゲートキーピング
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序章 日本型近代家族における性別役割分業と男女の働き方
はじめに
1.日本におけるジェンダー化された家庭内役割
1-1.共働き世帯の増加と子育て期の女性の就業
1-2.根強い性別役割分業
2.家庭における男性,企業社会と女性
2-1.日本の女性のライフコースと管理職比率
2-2.父親の育児・家事参加に対する男性の意識
3.ジェンダー化された家庭内役割の平等化を研究する必要性
4.本書の目的
第1章 夫婦の性別役割分業に関する社会学的研究の展開
1.家族役割理論と性別役割分業
2.性別役割分業意識と家庭内労働の分担
3.夫婦間での性別役割分業意識の相互影響
4.性別役割分業に関する研究課題
第2章 家族のジェンダー研究における理論的枠組み
1.ジェンダー理論
1-1.家庭内役割に関するジェンダー理論
1-2.男性の働き方とジェンダー・チェンジ・モデル
1-3.ジェンダー化された家庭内役割
1-4.家庭内役割の平等化
1-5.Doing genderとUndoing gender
1-6.父親の稼得役割と母親の家族役割
2.フェミニスト理論
2-1.フェミニズム
2-2.家族についてのフェミニスト理論
2-3.マルクス主義フェミニズム
2-4.男性の特権,女性の抑圧と解放に向けた実践,抑圧の交差性
3.父親に関する理論
4.理論のつながり
5.研究課題
6.本研究の目的と研究概念図
7.研究仮説の提示
第3章 母親の家庭役割と就業,母親ゲートキーピング研究の展開
1.子育て期の母親の仕事と家庭の二重負担
2.3歳児神話と育児ストレス,育児不安
3.母親ゲートキーピングとは何か
3-1.父親の育児や家事を促進する母親
3-2.父親に育児・家事参加をさせない母親
4.母親の就業は父親の育児・家事参加にどう影響するのか
4-1.母親の就業
4-2.母親の就業に対する父親の影響
5.夫婦間の相対的資源差と育児・家事参加
第4章 母親の雇用形態と父親に対する家事参加の促進
1.夫に家事参加を期待する共働きの妻
2.先行研究と研究概念図,仮説の提示
3.方法
4.結果
5.考察と結論
第5章 妻の家庭責任意識と父親の育児・家事参加
1.女性の家庭内労働はなぜ多いのか
2.先行研究と仮説の提示
3.方法
4.結果
5.まとめと考察
第6章 父親の育児・家事参加に関する社会学的研究の展開
1.父親の育児・家事参加に関する研究背景
1-1.父親の育児・家事参加の現状とその規定要因
1-2.父親の育児・家事参加の家族への影響
2.新たな父親らしさと働き方
2-1.新たな父親らしさとは
2-2.働き方に対する父親の意識
2-3.家族を優先する意識
2-4.父親の育児・家事参加とワーク・ファミリー・コンフリクト
(Work to Family Conflict)
3.父親の性別役割分業意識と育児・家事参加
4.父親の育児・家事参加のその他の規定要因
5.父親研究における課題
5-1.母親から父親への育児・家事の促進や抑制に着目する必要性
5-2.父親の働き方への意識を取り上げる必要性
5-3.父親の収入差の視点
6.父親を対象にした分析概念図
第7章 父親は母親ゲートキーピングをどうとらえるのか:データと分析方法
1.データとサンプリング
1-1.データ
1-2.サンプリング
2.調査対象者の属性
2-1.対象者全体
2-2.未就学児をもつ父親の所得層別の特徴
3.分析で用いる変数
3-1.従属変数:父親の育児・子育て参加,家事参加
3-2.独立変数
3-3.媒介変数
4.分析方法
4-1.多母集団分析を用いる理由
第8章 分析1:母親ゲートキーピングを父親はどう受け取るのか
1.変数の基本統計
1-1.未就学児の父親
1-2.就学児の父親
2.因果モデルの検討
2-1.未就学児をもつ父親
2-2.就学児をもつ父親
2-3.仮説の支持・不支持
2-4.未就学児の父親と就学児の父親との分析結果の相違
2-5.まとめと考察
第9章 分析2:父親の収入による育児・家事参加要因の相違
1.変数の基本統計
2.年収500万円以下の父親群と500万円超の父親群との多母集団分析
2-1.年収500万円以下の父親
2-2.年収500万円超の父親
3.父親の収入によって育児・家事参加要因に相違があるのか
4.分析2によって明らかになったこと
第10章 父親データの分析結果に対する理論の検討
1.家庭内役割の平等化に関連する客観的要因
2.母親ゲートキーピングに関する考察
3.理論の検討
3-1.ジェンダー理論
3-2.フェミニスト理論
3-3.分析結果に基づく理論間のつながり
第11章 外部サポートの利用と夫の育児・家事参加
1.家事・育児の外部サポートによって夫の家事参加はどうなるのか
2.夫の家事遂行とその要因
3.方法
4.結果
5.考察
第12章 夫のワーク・ファミリー・コンフリクトと妻の相対的資源
1.夫の仕事時間の増加と家事や子育てへの参加
2.先行研究と仮説の提示
3.方法
4.結果
5.まとめと考察
終章 ジェンダー化された家庭内役割のゆくえ
1.母親ゲートキーピングはジェンダー化された家庭内役割の平等化をもたらすのか
2.父親の家族を優先する働き方と男らしさ
3.父親の収入格差と母親の仕事と家庭の二重負担:ジェンダーと収入の交差性
4.父親の育児・家事「参加」でいいのだろうか
5.子育て期の夫婦は外部サポートをどのように利用しているのか
6.母親の収入増と父親のワーク・ファミリー・コンフリクト
7.研究成果から得られる示唆と意義
7-1.教育への示唆と意義
7-2.政策への示唆と意義
7-3.実践への示唆と意義
8.本研究の限界と今後の課題
引用文献
あとがき
索引