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別居・離婚後の子どもの心理的適応に関する研究

父母葛藤・父母協力と面会交流の受けとめに着目して

定価: 11,000 (本体 10,000 円+税)

別居・離婚後の父母の関係性や親子関係が子どもの心理的適応とどのように関連するのかについて、質・量両側面から実証的に究明する。

【著者略歴】
直原康光(じきはら やすみつ)
富山大学 学術研究部人文科学系専任講師
2007年から家庭裁判所調査官(補)として,松江,長崎,東京,神戸家庭裁判所に勤務。2019年に裁判所職員総合研修所教官(兼務)。
2021年から現職。博士(生涯発達科学)
目次を表示します。
第1部 理論的検討
 第1章 社会的背景・問題の所在
  第1節 はじめに
  第2節 日本における離婚の現状と法制度(米国と比較した日本の特徴)
   2-1 離婚件数
   2-2 離婚の種類と親権制度等
   2-3 面会交流の実施状況
   2-4 面会交流の実施形態
   2-5 面会交流の履行を促す手続
   2-6 養育費の履行状況および履行を促す手続
  第3節 離婚や共同養育に対する意識(海外と比較した日本の特徴)

 第2章 先行研究の概観
  第1節 離婚が子どもに与える影響に関する研究(米国を中心とした欧米の研究動向)
  第2節 親の離婚を経験した子どもの適応を左右する因子のレビュー
   2-1 別居・離婚後の父母葛藤・父母協力
   2-2 別居親と子どもの良好な関係(面会交流)
   2-3 その他の要因
  第3節 離婚家族を対象とした縦断研究について

 第3章 本研究の目的と本書の構成等
  第1節 本研究の目的
  第2節 本書の構成
  第3節 本研究で用いる概念の定義

第2部 実証的研究
 第4章 別居・離婚後の父母葛藤・父母協力と子どもの適応との関連
  第1節 別居・離婚後の子どもが体験する父母葛藤・父母協力の探索的検討(研究1)
   1-1 目的
   1-2 方法
   1-3 結果
   1-4 考察
  第2節 子どもが認知した別居・離婚後の父母葛藤・父母協力尺度の作成と信頼性・妥当性の検討(研究2)
   2-1 目的
   2-2 方法(第1調査および第2調査)
   2-3 結果(第1調査および第2調査)
   2-4 方法(第3調査)
   2-5 結果(第3調査)
   2-6 考察
  第3節 子どもが認知した別居・離婚後の父母葛藤・父母協力,面会交流と青年期・成人期の心理的苦痛,適応等との関連(研究3)
   3-1 目的
   3-2 方法
   3-3 結果
   3-4 考察
  第4節 親が認知した離婚後の父母葛藤・父母協力(コペアレンティング,ゲートキーピング)尺度の作成と信頼性・妥当性の検討(研究4-分析1)
   4-1 目的
   4-2 方法
   4-3 結果
   4-4 考察
  第5節 子どもと同居する母親が認知した父母葛藤・父母協力と幼児期から思春期までの子どもの適応との関連(研究4-分析2)
   5-1 目的
   5-2 方法
   5-3 結果
   5-4 考察
  第6節 離婚後の父母コペアレンティングと子どもの適応の相互関係-交差遅延効果モデルによる検討-(研究5)
   6-1 目的
   6-2 方法
   6-3 結果
   6-4 考察

 第5章 離婚後の母親の面会交流の受けとめに関する探索的検討
  第1節 子どもと同居する母親が体験する面会交流の継続プロセス(研究6)
   1-1 目的
   1-2 方法
   1-3 結果
   1-4 考察
  第2節 離婚後の母親の面会交流の受けとめ尺度の作成および信頼性・妥当性の検討(研究7)
   2-1 予備調査
   2-2 目的
   2-3 方法
   2-4 結果
   2-5 考察
  第3節 Fisher Divorce Adjustment Scale 日本語版(FDAS-J)の作成と信頼性・妥当性の検討(研究8)
   3-1 目的
   3-2 方法
   3-3 結果
   3-4 考察
  第4節 面会交流実施の関連要因および母親の面会交流の受けとめ等と心理的適応との関連(研究9)
   4-1 目的
   4-2 方法
   4-3 結果
   4-4 考察

 第6章 親子対応データを用いた離婚後の父母葛藤・父母協力と子どもの適応との関連等
  第1節 本章の研究の調査協力者,用いた尺度構成等
   1-1 募集方法,調査協力者の基本属性
   1-2 調査項目
   1-3 分析結果(尺度の基礎統計,因子分析,信頼性等)
   1-4 基本属性との関連検討
  第2節 子どもの面会交流の受けとめに関する探索的検討(研究10–分析1)
   2-1 目的
   2-2 方法
   2-3 結果
   2-4 考察
 第3節 離婚に対する説明等や面会交流の受けとめ等の母子間の認識の相違等の検討(研究10–分析2)
   3-1 目的
   3-2 方法
   3-3 結果
   3-4 考察
 第4節 親子対応データを用いた子どもの適応に影響を与える要因についての検討(研究10―分析3)
   4-1 目的
   4-2 方法
   4-3 結果
   4-4 考察
 第5節 母親の面会交流の受けとめとゲートキーピングとの関連の検討(研究10―分析4)
   5-1 目的
   5-2 方法
   5-3 結果
   5-4 考察

第3部 総括
 第7章 実証的研究の総括
  第1節 各研究の振り返り
   1-1 別居・離婚後の父母葛藤・父母協力と子どもの適応との関連について(研究1-5)
   1-2 離婚後の母親の面会交流の受けとめについて(研究6-8)
   1-3 親子対応データによる検討について(研究10)
  第2節 先行研究との関連検討および研究横断的な考察
   2-1 別居・離婚後の子どもの適応に与える要因について
   2-2 離婚後の母親の面会交流の受けとめについて
  第3節 父母の別居・離婚を経験した子どもの適応に影響を与える要因に関するモデルの提示

 第8章 本研究の意義と課題
  第1節 本研究の学術的意義
   1-1 別居・離婚後の子どもの適応における父母葛藤・父母協力に着目することの重要性を明らかにしたこと
   1-2 同居親(母親)の面会交流の受けとめに着目することの重要性を明らかにしたこと
   1-3 尺度開発により、今後の日本における実証研究の発展可能性を高めたこと
  第2節 本研究の臨床的意義
   2-1 親に対する心理教育(ガイダンス)プログラムに与える示唆
   2-2 子どもに対する心理教育プログラムに与える示唆
   2-3 同居親家庭に対する包括的な支援への示唆
   2-4 面会交流の取り決めや実施を支援していくことへの示唆
   2-5 学校現場での子どもへの支援への示唆
  第3節 本研究の限界と今後の課題
   3-1 調査協力者の特徴について
   3-2 別居親(父親)を調査協力者としていないことについて
   3-3 ステップファミリーを対象とした調査について
   3-4 離婚を経験した家族へのプログラムの開発や介入研究について

引用文献
本書を構成する研究の発表状況
謝辞
著者直原康光 著
発行年月日2024年01月25日
頁数430頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2497-8