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1958年小学校学習指導要領の改訂過程

定価: 9,900 (本体 9,000 円+税)

戦後教育の転換点とされる1958年小学校学習指導要領が誰によっていかに改訂されたのかを実証的に解明するとともに、今後の教育課程行政・政策のあり方を展望する。

【著者略歴】
澤田俊也(さわだ としや)
2015年 東京大学大学院教育学研究科修士課程修了
2019年 同博士課程単位取得退学
現  在 大阪工業大学教務部教職教室 講師
博士(教育学)
目次を表示します。
序章 問題と目的
 第1節 問題関心と課題設定
  1 学習指導要領の改訂過程を問い直す
  2 1958年学習指導要領の改訂過程の再考
 第2節 本書の構成
 第3節 本書の意義

第1章 先行研究の概観と分析枠組みの提示
 第1節 整理の視点と対象
 第2節 学習指導要領の改訂過程に関する研究動向
  1 教育行政学・教育政策研究の動向
  2 教育課程研究・カリキュラム研究の動向
  3 小括
 第3節 1958年学習指導要領の改訂過程に関する諸研究の概観
  1 1958年学習指導要領全体の改訂過程に関する研究動向
  2 特設「道徳」の成立過程に関する研究動向
  3 社会科の改訂過程に関する研究動向
  4 特別教育活動の改訂過程に関する研究動向
  5 小括
 第4節 関連アクターに関する理論的整理
  1 政策形成過程における政治家や政党の役割
  2 中央省庁における政策形成過程とプロフェッション
  3 政策形成過程における諮問機関
 第5節 本書の分析枠組み
 第6節 研究方法

第2章 1958年学習指導要領改訂における政官関係
 第1節 本章の課題設定
 第2節 文部大臣による影響
 第3節 政務調査会・与党政治家による影響
 第4節 本章のまとめ

第3章 文部省内における教育専門職の位置づけ
 第1節 本章の課題設定
 第2節 教育専門職の組織機構と職務
  1 専門職に関わる組織機構と職務
  2 視学官に関わる組織機構と職務
  3 両ポストの職務上の関連
 第3節 昭和戦時期における教育専門職のポスト・ライン・経歴
  1 図書監修官のポスト・ライン・経歴
  2 教学官のポスト・ライン・経歴
 第4節 戦後改革期における教職専門職のポスト・ライン・経歴
  1 専門職のポスト・ライン・経歴
  2 視学官のポスト・ライン・経歴
 第5節 1950年代における教育専門職のポスト・ライン・経歴
  1 専門職・教科調査官のポスト・ライン・経歴
  2 視学官のポスト・ライン・経歴
 第6節 本章のまとめ

第4章 1958年学習指導要領改訂における諮問機関の性格
 第1節 本章の課題設定
 第2節 法制度に関する検討
  1 教課審に関わる政令の変遷
  2 教育課程審議会運営規則の変遷
  3 教材等調査研究会に関わる規程の変遷
 第3節 委員構成に関する検討
  1 教課審の委員構成
  2 教材等調査研究会の委員構成
 第4節 運営方法に関する検討
  1 教課審と教材等調査研究会の役割と関連
  2 教課審の運営方法
  3 教材等調査研究会の運営方法
 第5節 本章のまとめ

第5章 1958年学習指導要領改訂の基本枠組みの形成過程
 第1節 本章の課題設定
 第2節 教育課程の基準に関わる問題点の検討
  1 文部省内における問題点の検討
  2 1956年度の審議会などにおける議論
 第3節 改訂の基本方針に関する文部省内の審議経過
 第4節 教育課程改訂に関する研究会における審議経過
  1 改訂実施作業に関する問題点の検討
  2 教育課程改訂に関する研究会の構成と開催状況
  3 教育課程改訂に関する研究会における審議経過
 第5節 用語等小委員会の構成と審議過程
  1 用語等小委員会の構成
  2 用語等小委員会における審議経過
 第6節 1957年度教課審における議論
 第7節 本章のまとめ

第6章 小学校「道徳」の成立過程
 第1節 本章の課題設定
 第2節 道徳教育に関わる問題点の検討
  1 学習指導要領の問題点と改訂の前提条件
  2 審議会などにおける議論
 第3節 文部省初等・特殊教育課における議論
  1 学級会を用いた道徳教育政策の形成
  2 道徳教育政策の位置づけと教科再編
  3 道徳教育政策と各教科との内容的整合性
  4 文部省内における道徳教育のための時間特設案の形成
 第4節 諮問機関における議論
  1 時間特設の決定までの議論
  2 低学年における時間の特設をめぐる議論
  3 特設時間の位置づけ・名称・基本的な考え方
  4 教材等調査研究会における審議と答申案の検討
 第5節 本章のまとめ

第7章 小学校社会科の改訂過程
 第1節 本章の課題設定
 第2節 小学校社会科を担当していた教育専門職の概要
 第3節 社会科に関わる問題点の検討
  1 文部省内における問題点の整理
  2 審議会などにおける議論
 第4節 文部省内における改訂方針の形成
  1 専門職による当初の改訂方針
  2 道徳教育のための時間特設案と社会科
 第5節 1957年度教課審における議論と文部省内の動向
  1 総会および初・中合同会における議論と文部省内の動向
  2 初等分科会における議論
 第6節 答申後の低学年社会科と特設「道徳」の関係
 第7節 本章のまとめ

第8章 小学校特別教育活動の改訂過程
 第1節 本章の課題設定
 第2節 教科以外の活動に関わる問題点の検討
  1 教科以外の活動の課題と社会的背景
  2 審議会などにおける議論
 第3節 文部省初等・特殊教育課における議論
 第4節 1957年度教課審における議論
 第5節 本章のまとめ

終章 総合考察
 第1節 得られた知見
  1 【検討課題1】に関する知見
  2 【検討課題2】に関する知見
  3 【検討課題3】に関する知見
 第2節 関連アクターの関与についての考察
 第3節 1958年学習指導要領の内容にかかわる理解についての考察
 第4節 得られた示唆
  1 教育課程の構造と指導方法
  2 低学年教育の位置づけ
  3 教育専門職の役割
  4 諮問機関の役割
 第5節 本書の限界と今後の課題

付録
引用文献
あとがき
索引
著者澤田俊也 著
発行年月日2024年01月25日
頁数390頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2495-4