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ゴーチエにおける芸術教育思想の特質

人間形成論的側面に着目して

定価: 9,900 (本体 9,000 円+税)

「芸術至上主義」思想の主唱者とされる作家、批評家ゴーチエを、教育学の視点から捉えた研究。芸術の美によって人間の本性を理想に導くという思想を描き出す。

【著者略歴】
川上 若奈(かわかみ わかな)
1993年茨城県水戸市生まれ。東京外国語大学を卒業後、筑波大学大学院に進学。同大学院人間総合科学研究科学校教育学専攻修了。現在、関西外国語大学助教。博士(教育学)。専門は道徳教育学。主な論文として、「テオフィル・ゴーチエの道徳教育観の特質―『家庭博物館』誌を手がかりとして―」『道徳と教育』第334号、2016年、「ゴーチエにおける芸術の教育的意義―芸術批評に着目して―」『フランス教育学会紀要』第30号、2018年、「フランスの道徳・公民科における道徳的分野を取り扱う教材の指導方法の特質―2016年版コレージュ教科書に着目して―」『道徳教育方法研究』第27号、2022年、「ゴーチエの『芸術至上主義』思想における芸術鑑賞の教育的意義―形成過程とその構造に着目して―」『教育学研究』第90巻第1号、2023年など。
目次を表示します。
序章
 第1節 問題の所在
 第2節 先行研究の検討
 第3節 研究方法
 第4節 概念の整理

第1部 ゴーチエにおける芸術教育思想の背景
第1章 芸術教育思想の形成過程
 第1節 芸術との出会い―出生から学生時代
 第2節 芸術思想の成立―文学への転向とロマン主義からの乖離
 第3節 芸術教育思想の形成へ―芸術批評の開始と社会との関わり

第2章 芸術教育思想の基盤
 第1節 芸術教育思想の基盤としての芸術観
 第2節 芸術教育思想の基盤としての教育観

第2部 ゴーチエにおける芸術教育思想の特質
第3章 「芸術を手段とする教育」に関する思想
 第1節 「芸術を手段とする教育」に関する思想の背景
 第2節 「芸術のための芸術」宣言としての『モーパン嬢』序文にみる思想の特徴
 第3節 「アングル評」及び「ホガース評」にみる教訓的な芸術への批判
 第4節 「ボードレール評」にみる偽善への批判

第4章 「芸術の教育」に関する思想
 第1節 「芸術の教育」に関する思想の背景
 第2節 『家庭博物館』誌への寄稿作品にみる家庭における芸術の教育の達成
 第3節 寄稿作品「少女の枕」にみる芸術性の担保

第5章 「芸術の教化作用」に関する芸術思想
 第1節 「芸術の教化作用」に関する思想の背景
 第2節 サロン評にみる批評家としての務めの意識
 第3節 応用芸術論にみる芸術の普及の推進
 第4節 『アーティスト』誌にみる芸術への嗜好の涵養

第6章 ゴーチエにおける芸術教育思想の特質
 第1節 芸術教育の三類型に基づくゴーチエの芸術教育思想
 第2節 ゴーチエにおける芸術教育思想の特質

終章 研究の成果と総括
 第1節 研究の成果
 第2節 研究の総括

参考・引用文献一覧
ゴーチエ関連年表
初出一覧
あとがき
人名索引
事項索引
著者川上若奈 著
発行年月日2024年01月20日
頁数384頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2496-1