「共生」の教育創造に向けた〈関係形成〉〈理解・認識〉の内容と連関
京都府下における「共同教育」実践の遺産
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序章 課題・対象・方法
1. 問題の所在と本研究の視点
(1)問題意識:「共生」の教育を探究すること
(2)研究課題:「共同教育」の遺産の意義と限界
(3)本研究の視点:〈関係形成〉〈理解・認識〉という枠組み
2. 先行研究の検討
(1)「共同教育」における〈関係形成〉〈理解・認識〉
(2)「交流教育」「交流及び共同学習」における〈関係形成〉〈理解・認識〉
(3)インクルーシブ教育、「共生教育」における〈関係形成〉〈理解・認識〉
3. 本研究の目的、対象及び方法
(1)目的と対象:京都府下における「共同教育」実践の創出と展開(1971-88年)
(2)課題と方法:第1水準(総論レベル)及び第2水準(各論レベル「障害」・学校教育階梯)に則した〈関係形成〉〈理解・認識〉の内容と連関
(3)用語の整理
4. 本研究の構成
第1章 「交流教育」「交流及び共同学習」における〈関係形成〉〈理解・認識〉の内容と連関:学習指導要領上の位置付けとその変遷
1. 第Ⅰ期:特殊教育諸学校学習指導要領への「交流教育」の位置付け期(1971・72/79年)
(1)「交流」経験を通した〈関係形成〉
(2)「好ましい人間関係」による「理解」
2. 第Ⅱ期:通常学校学習指導要領への「交流教育」の位置付け期(1989/98・99年)
(1)「理解と認識を深める絶好の機会」としての「交流教育」
(2)〈関係形成〉と〈理解・認識〉の位置付け
3. 第Ⅲ期:「交流及び共同学習」への移行期(2008・09/2017・18年)
(1)「交流教育」から「交流及び共同学習」への用語変更にみる〈関係形成〉〈理解・認識〉
(2)インクルーシブ教育システム下の「交流及び共同教育」における〈関係形成〉〈理解・認識〉
4. 「交流教育」から「交流及び共同学習」への用語変更(2004-07年)
(1)特別支援教育特別委員会(2004-05年)における論議
(2)教育課程部会特別支援教育専門部会(2006-07年)における論議
5. 小括:単方向の矢印構造を有する〈関係形成〉〈理解・認識〉及び「共同教育」実践研究の要請
(1)〈関係形成〉〈理解・認識〉
(2)教育課程上の位置付け
(3)「共同教育」実践研究の要請
第2章 舞鶴地域の実践における〈関係形成〉〈理解・認識〉:盲ろう分校と高野小学校及び城北中学校の「共同教育」
1. 第Ⅰ期「誕生と創造期」(1971-75年):低学年・中学年・高学年の実践的区分
(1)高学年(5-6年生)実践における「対等平等な立場」
(2)低学年(1-2年生)実践における「認識の変革」
(3)中学年(3-4年生)実践における〈関係形成〉〈理解・認識〉
2. 第Ⅱ期「『9歳の壁』の導入期」(1976-81年):「認識過程」の提示
(1)1976年「認識過程」における〈関係形成〉〈理解・認識〉
(2)1979年「認識過程」における〈関係形成〉〈理解・認識〉:「9歳の壁」の導入
(3)1981年「認識過程」における〈関係形成〉〈理解・認識〉
3. 第Ⅲ期「深化期」(1982-88年度):「9歳の壁」導入後の実践
(1)低学年実践における〈関係形成〉〈理解・認識〉
(2)中学年実践における〈関係形成〉〈理解・認識〉
(3)高学年実践における〈関係形成〉〈理解・認識〉
(4)「9歳の壁」を超えた思春期における〈関係形成〉〈理解・認識〉:盲ろう分校と城北中の事例
4. 小括:「障害者問題」への連帯を築く方向性のもとでの〈関係形成〉〈理解・認識〉
(1)〈関係形成〉〈理解・認識〉
(2)教育課程上の位置付け
第3章 与謝地域の実践における〈関係形成〉〈理解・認識〉:与謝の海養護学校と加悦谷高校の「共同教育」
1. 第Ⅰ期「誕生と創造期」(1972-76年):青年期の発達要求への着眼
(1)「高校生春季討論集会」における「新しい課題意識」
(2)「合同文化祭」における「共同教育」
(3)「合同文化祭」における「友情と連帯の輪」の位置付け
2. 第Ⅱ期「深化期」(1977-80年):青年期の発達要求の追求
(1)「友情と連帯の輪」と「障害者問題」
(2)「合同文化祭」と「合同学習会」における〈関係形成〉〈理解・認識〉
3. 第Ⅲ期「開花期」(1981-88年):青年期の発達要求の組織化
(1)1981年度文化祭における〈関係形成〉〈理解・認識〉
(2)1982年度以降の実践における〈関係形成〉〈理解・認識〉
4. 小括:「人権」の問題として広がりと深まりを遂げていく〈関係形成〉〈理解・認識〉
(1)〈関係形成〉〈理解・認識〉
(2)教育課程上の位置付け
第4章 乙訓地域の実践における〈関係形成〉〈理解・認識〉:通常学校内の「『発達・障害』学習」
1. 第0期:「『『発達・障害』学習』の前史」(1973-82年)
(1)乙訓地域の「共同教育」実践における〈関係形成〉〈理解・認識〉
(2)〈関係形成〉〈理解・認識〉からみた「共同教育」実践の課題
2. 第Ⅰ期:「『『発達・障害』学習』の教材作成過程」(1982-86年)
(1)〈理解・認識〉における「発達と障害」の位置付け
(2)スライド教材「発達と障害のはなし」における〈理解・認識〉
3. 第Ⅱ期:『通常学級のカリキュラム案作成過程』(1986-87年)
(1)教材とカリキュラム案における〈理解・認識〉の位置付け
(2)小学校6ヵ年に応じたカリキュラム案における〈関係形成〉〈理解・認識〉
4. 第Ⅲ期:「『『発達・障害』学習』における学年別実践事例」(1986-90年)
(1)4年生の事例
(2)5-6年生の事例
5. 小括:「発達」的な「共感」の世界と「発達・障害」との往還を通した〈関係形成〉〈理解・認識〉
(1)〈関係形成〉〈理解・認識〉
(2)教育課程上の位置付け
終章 「共生」の教育の創造に向けた〈関係形成〉〈理解・認識〉の内容と連関:京都府下における「共同教育」実践の遺産
1. 京都府北部における「共同教育」を通した〈関係形成〉〈理解・認識〉の発展的な螺旋構造
(1)総括:舞鶴・与謝地域の実践における発展的な螺旋構造
(2)発展的な螺旋構造の意義:「交流教育」から「交流及び共同学習」への転換
2. 京都府南部における「『発達・障害』学習」の総括と限界
(1)総括:乙訓地域の実践における発展的な螺旋構造
(2)限界:「発達・障害」の歴史的・実践的な課題
3. 「共生」の教育の創造に向けて①:〈関係形成〉〈理解・認識〉の意義と課題
(1)「障害」以外を対象にする「共生」の教育への有効性:スウェーデンにおける「共生」のカリキュラムを対象に
(2)不可分な連関構造を有する〈関係形成〉〈理解・認識〉:福祉教育を対象に
4. 「共生」の教育の創造に向けて②:教育課程の内容と配列
(1)「同じ」と「違う」を行き交う相互関係からの揺さぶり
(2)「9歳の節」及び思春期・青年期の発達的な見通し
5. 本研究の示唆
(1)実践上の示唆
(2)研究上の示唆
(3)政策上の示唆
6. 残された課題
(1)「共生」の教育の具体化に向けた実践的研究
(2)京都府下における「共同教育」実践からみる子どもの発達的変容の検討
(3)京都府下における「共同教育」実践運動の隆盛と衰退の要因解明
(4)〈関係形成〉〈理解・認識〉からみる「協働」の概念検討
(5)〈関係形成〉〈理解・認識〉にもとづく教育的統合・包摂に係る教育史研究
(6)〈関係形成〉〈理解・認識〉の概念的検討
(7)世界のインクルーシブ教育及び「共生」の教育との架橋
補論 与謝地域の障害者福祉における〈関係形成〉〈理解・認識〉:よさのうみ福祉会の実践
1. よさのうみ福祉会の歴史と理念
(1)よさのうみ福祉会の歴史①:与謝の海の学校づくり運動
(2)よさのうみ福祉会の歴史②:共同作業所づくり運動
(3)よさのうみ福祉会の理念と運営
2. よさのうみ福祉会の特徴①:作業所・施設を事例に
(1)仕事を通した自分づくり:みねやま作業所の実践
(2)地域における連帯:障害者福祉センター夢織りの郷の実践
3. よさのうみ福祉会の特徴②:地域づくり
(1)リフレかやの里の経営実践
(2)やすらの里における「共生」実践
4. 結びにかえて:「発達要求の地域的組織化」を目指す〈関係形成〉〈理解・認識〉
文献
初出一覧
あとがき
索引