高橋五山の総合的研究
デザイン・絵雑誌・紙芝居
定価:
8,250
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7,500
円+税)
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序章
一 研究背景と意義
二 視覚メディアと紙芝居
三 研究目的と方法
四 先行研究
五 高橋五山の略歴
六 論文の構成
第一部 紙芝居出版までの前史
第一章 高橋五山のデザインの多様性とその時代背景
はじめに
一 東京勧業博覧会出品「暖炉隠図案」(明治40年:1907)
二 東京瓦斯意匠懸賞当選「菖蒲式瓦斯燈釣金具図案」(明治41年:1908)
三 日英博覧会出品「綴織春秋模様図案」(明治43年:1910)
四 大礼献納品として東京府採用「書棚図案」(明治44年:1911)
おわりに
第二章 大正期から昭和初期における児童雑誌や絵本などの出版活動
はじめに
一 大正期の高橋五山の美術活動
二 文武堂創刊の絵雑誌『幼女絵噺』(1917)の主幹として
三 高橋五山の編集プロダクションと関係者
四 大正末の学年別雑誌の創刊
五 大正末の出版界の様相と全甲社設立へ
六 東京市立日比谷図書館編『子供雑誌に関する調査』(1930)に関して
七 全甲社と共同書籍との連携
八 出版統制と児童図書推薦
おわりに
第二部 幼稚園紙芝居の考察
第一章 城戸幡太郎の保育問題研究会における高橋五山の紙芝居の役割
はじめに
一 保育問題研究会の発足と紙芝居
二 保育問題研究会での五山の幼稚園紙芝居の活用
三 高橋五山の紙芝居とその評価
おわりに
第二章 高橋五山による「ピーターラビット」の紙芝居化から劇遊びへの展開
はじめに
一 幼稚園紙芝居『ピーター兎』の出版背景
二 幼稚園紙芝居『ピーター兎』(1938)の作品分析
三 番町幼稚園での『ピーター兎』の劇化
四 三作品の構成分析
五 戦前戦後をつなぐ「ピーターラビット」の受容
六 文部省の保育要領と東京都保育会文化部編『劇遊び脚本』
おわりに
第三章 紙芝居の保育への導入過程と倉橋惣三の紙芝居関与の再検討
はじめに
一 幼稚園令の保育項目「談話」について
二 内山憲尚の保育項目の「談話」観
三 内山憲尚による高橋五山の紙芝居の推奨
四 保育現場への紙芝居の普及
五 保育問題研究会での高橋五山の紙芝居活用
六 倉橋惣三の保育案と「談話」観および紙芝居観
七 「保育要領」における紙芝居の位置づけ
八 「幼稚園要領」における紙芝居の位置づけ
おわりに
第三部 仏教紙芝居の考察
第一章 『花まつり』の命名とその発展―高橋五山の紙芝居の寄与―
はじめに
一 花まつりの命名
二 花まつりの発展
三 高橋五山の『花まつり』と「花まつり」行事との関わり
おわりに
第二章 『花まつり』(1936)の演出上の工夫と仏教美術受容
はじめに
一 仏教紙芝居『花まつり』の構成と演出に関する分析
二 図像の源泉と仏教美術との関わり
おわりに
第三章 高橋五山と仏教紙芝居『勢至丸様』について
はじめに
一 高橋五山と仏教紙芝居
二 鈴木積善と浄土宗児童教化
三 『勢至丸様』の紙芝居について
四 『法然上人行状絵図』との比較分析
五 『勢至丸様』の対象者と紙芝居の特徴
六 浄土宗児童協会と勢至丸の銅像について
おわりに
第四部 戦時下から1950年代前後の紙芝居の様相
第一章 オリジナル紙芝居の考案
はじめに
一 戦時下における手作り紙芝居の推奨
二 戦後の貼り絵紙芝居
三 第一回芸術選奨文部大臣賞『こねこのちろちゃん』(1949)
四 保育界への貢献
五 貼り絵紙芝居のデザイン性と評価
おわりに
第二章 戦後の紙芝居活動と日本紙芝居幻灯株式会社をめぐって
はじめに
一 1946年から1950年の全甲社と紙芝居界の動向
二 日本紙芝居幻灯株式会社とその経営実態
三 日本紙芝居幻灯株式会社の活動
四 日本紙芝居幻灯株式会社の倒産から童心社の設立へ
五 高橋五山の苦心と倒産に関する考察
六 その後の展開
おわりに
終章
一 要約と結論
二 本研究のまとめ
謝辞
参考文献
高橋五山(1888-1965)の略年譜
初出一覧
公表論文等