博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

新釈とりかへばや

定価: 19,800 (本体 18,000 円+税)
書陵部蔵本を底本に、現存四系統の代表写本を校合。語義・典拠・故実などあらゆる面を網羅した最高度の注釈。

【著者略歴】
田中新一(たなか しんいち)
 昭和3年 岐阜県生まれ
 昭和32年 東京大学大学院(旧制)満期修了
 現  職 椙山女学園大学文学部教授

田中喜美春(たなか きみはる)
 昭和16年 静岡県生まれ
 昭和46年 東京大学大学院博士課程中退
 現  職 名古屋大学情報文学部教授

森下純昭(もりした すみあき)
 昭和19年 鹿児島県生まれ
 昭和47年 九州大学大学院博士課程中退
 現  職 岐阜大学教養部教授 
目次を表示します。
凡例
巻一
 一 権大納言の二児の風変わりな成長
1 権大納言の顕栄と心の霧
  2 二人の北の方と二人の児の紹介
  3 容貌の似通う二児(男君・女君)
  4 女性的な男君と男性的な女君と
  5 風変わりな二児をかかえた権大納言
  6 姫君と呼び慣らした男君の様態
  7 若君と呼び慣らした女君の様態
  8 姫君(男)の裳着
  9 若君(女)の元服
  10 若君、侍従になり出仕し、姫君は入内を所望される
  11 帝、侍従を女一の宮の婿に所望
  12 姫君に恋慕の宰相中将、若君に接近
  13 女一の宮は春宮、侍従は中将になる
 二 若君(女)、四の君と結婚。中納言に昇進
  l 右大臣、中将を四の君の婿に所望
  2 中将、四の君と結婚。中納言に昇進
  3 うわべばかりの夫婦仲
  4 宰相中将、苦悩深まる中納言をいぶかしみ、擦り寄る
  5 姫君、女春宮へ出仕、尚侍になる
  6 姫君、春宮と懇意な仲になる
  7 宰相中将、なお姫君を窺う
  8 五節に中納言に言い寄る女
  9 宮中での父左大臣と兄妹との出会い
  10 兄妹の合奏を宰相中将立ち聞く
 三 宰相中将、四の君と密通、中納言(女)の苦悩
  1 中納言不在の夜、宰相、四の君と密通
  2 四の君初めて男を知る
  3 再会叶わぬ宰相中将の嘆き
  4 中納言、四の君を気遣いつつも出仕
  5 中納言、悩む宰相中将を見舞う
  6 宰相中将と四の君の密通なおうち続く
  7 四の君懐妊、不案内の父右大臣喜ぶ
  8 中納言、四の君の懐妊に驚き、疑惑
  9 左大臣の疑念と、深まる中納言と四の君の心の溝
  10 中納言、宰相を疑い、厭世の思い
 四 中納言(女)、吉野に聖の宮を訪ねる
  1 帰朝の吉野の宮と二人の姫君の紹介
  2 中納言、人を介して、吉野の宮に刺を通ず
  3 中納言の青野入山、宮に対面
  4 宮、心を開き中納言と語る
  5 中納言、二人の姫君に引き合わされる
  6 中納言、姉君に接近し、歌の唱和
  7 中納言、御簾の内に入り語らう
  8 姉君の美貌を確認、後朝の文を送る
  9 中納言、吉野の宮邸を辞して帰京
  10 父左大臣に対面、父の喜び
  11 右大臣邸を訪れ四の君との疎遠をいよいよ実感 
巻二
 五 苦悩の中納言(女)にも宰相中将言い寄る
  1 四の君安産、見舞う中納言の思い複雑
  2 七夜産義の宴をよそ目に宰相四の君に密会
  3 中納言、宰相遺留の扇を差し押さえる
  4 宰相中将、尚侍にも言い寄るが尚侍なびかず
  5 宰相、苦衷を癒すべく中納言を探し求む
  6 残暑の日、宰相、中納言に接近
  7 中納言の正体を見破り、宰相言い寄る
  8 一夜明けて中納言慙愧の思い
  9 宰相の後朝の文と応答
  10 中納言、宰相によそよそし
  11 中納言出仕のおり、帝の目を警戒
  12 宰相、中納言にまつわりつく
  13 宰相と中納言の心の食い違い
  14 宰相を妻に近づける中納言の複雑な思い
  15 隠れ家にまで中納言を追い求める宰相
  16 宰相、中納言を独占し、珍しい恋を満喫
 六 中納言(女)の懐妊と大将昇進
  1 中納言も四の君も宰相の胤を宿す
  2 中納言、懐妊を宰相中将に告げる
  3 変身を勧める宰相の言に、中納言従わず
  4 三者それぞれの思い
  5 左大臣、中納言のやつれを気遣う
  6 参賀の中納言の美装、人を驚かす
  7 桜の宴で中納言の才芸賞でられる
  8 中納言の大将昇進、その喜びと憂わしさと
  9 大将、隠棲を前に思いひとしお
  10 ここにも一つ、別れの予告
巻三
 七 大将(女)、出産のため宇治に身を隠す
  l いとまごいに吉野訪問
  2 四の君を訪ねて惜別
  3 尚侍(男)と惜別
  4 宇治に向う
  5 女姿にもどる
  6 大将の失踪による左大臣家のさわざ
  7 右大臣、四の君の密通を知り勘当
  8 女姿の大将の回顧
  9 中納言、四の君を看病
  10 中納言、大将の女姿に満足
 八 大将の探索
  1 尚侍(男)、男姿になっての探索を決意
  2 尚侍(男)、春宮に惜別の消息
  3 吉野への途次、宇治で大将(女)を見る
  4 中納言、四の君と大将(女)とを世話して安堵
  5 宇治の侍女、大将(女)に大将を見たと言う
  6 尚侍(男)、吉野の宮より大将(女)の消息を聞く
  7 尚侍(男)、吉野に逗留し、宇治の女性を想起
  8 大将(女)、男児出産
  9 中納言、四の君を案ずる
  10 中納言、つききりで四の君を看病
  11 大将(女)、身の振り方を思案
  12 大将(女)、吉野の宮に消息
  13 尚侍(男)、宇治の女性を大将(女)と知る
  14 尚侍(男)、宇治にて大将(女)と対面
  15 尚侍(男)、左大臣に大将(女)のことを報告
 九 大将(女)、宇治を脱出
  l 大将(女)、若君を思いわずらい、中納言は大将(女)に満足
  2 四の君の出産で中納言宇治を留守にする
  3 大将(女)、若君をおいて吉野に脱出
  4 尚侍(男)と大将(女)、入れ代りを相談
  5 宇治の狼狽
  6 中納言の惑乱
  7 四の君の二の宮出産と右大臣の勘当解除
 一〇 大将(女)の帰京
  1 尚侍(男)、大将(女)たがいに入れ代って吉野より帰京
  2 今尚侍(女)と今大将(男)、左大臣に対面
  3 今大将参内
  4 今大将、四の君に消息
  5 今大将、四の君訪問
  6 中納言の上京と今大将への消息
巻四
 一一 前大将(女)、尚侍として出仕
  l 前大将、尚侍として出仕
  2 宮の宣旨、尚侍に春宮懐妊のことを語る
  3 春宮、尚侍別人を感得し、悲嘆
  4 大将(前尚侍)、春宮と対面し、事情を打ち明ける
  5 春宮の懐妊を不例と偽装。帝尚、侍を垣間見る
  6 尚侍、帝と会話。わが身の宿世独詠
  7 春宮出産間近。帝、大将に尚侍への仲介を依頼
  8 春宮、出産後父朱雀院のもとに退出
  9 帝、左大臣に尚侍の入内を求める
 一二 尚侍、帝の胤を宿す
  1 大将、吉野の姫君を迎えるため堀川第を新造
  2 帝、尚侍と契りを結ぶ
  3 帝の尚侍に対する疑惑と恋着と
  4 帝、大将を呼び出し、後朝の文を託す
  5 帝、尚侍へ執着。左大臣・大将ともに喜ぶ
  6 大将、吉野の姉妹を迎えとる。吉野の宮父子の別れ
  7 四の君、尚侍ともに懐妊
 一三 中納言、大将変身のことを知らず、尚侍出産
  1 中納言、大将に相手にされず嘆息
  2 中納言、左衛門を呼び、四の君の様子を聞く
  3 中納言、なお大将のあとを追う
  4 大将、麗景殿の女御の妹と逢う
  5 中納言、大将の在明の別れを窺う
  6 中納言、大将の留守に吉野の姉妹を垣間見る
  7 中納言、大将の二条第に招かれ、吉野の中の君と逢う
  8 尚侍、出産のため大将の二条第に退出
  9 尚侍と四の君出産。尚侍、初産の若君を想う
 一四 尚侍の立后と、宇治の若君との対面
  1 大将、内大臣に昇進。宇治の若君は吉野の中の君が養育
  2 尚侍の立后とその皇子の立坊
  3 大納言、大将のことを尋ねるが、中の君語らず
  4 中宮、大将、大納言、それぞれ子だくさん
  5 中宮、宇治の若君と涙の対面。帝これを垣間見る
  6 帝、宇治の若君の生母を中宮に問う
  7 宇治の若君、中宮を生母かと思い、乳母に語る
  8 麗景殿女御の妹、大将の女君を産む
  9 世代交代による人々の昇進。内大臣の尽きせぬ嘆き
解説
 一 作品解説
 二 底本・校合本解説
年立
登場人物系図
あとがき
著者田中新一・田中喜美春・森下純昭 著
発行年月日1988年05月15日
頁数702頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0704-9