立命館大学文学部人文学研究叢書 3リアリズムと身体
プロレタリア文学運動におけるイデオロギー
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人文学叢書刊行の辞
凡例
序章 イデオロギーとしてのリアリズム
1 日本近代文学の中のリアリズム
2 白樺派からプロレタリア文学へ
3 プロレタリア文学とリアリズム
4 芸術大衆化論争における〈大衆〉
5 結
第一章 物象化へのあらがい
第一節 「キャラメル工場から」の描いたもの
1 都市に流入する労働者
2 ホーカースウィートと少女工
3 機械化される身体
4 商品化される身体
5 「キャラメル工場から」のリアリティ
第二節 「彼女等の会話」におけるリアリティ
1 書店争議と婦人同盟
2 「彼女等の会話」の階級意識
3 「彼女等の会話」のリアリズム
第二章 プロレタリア文学の射程―葉山嘉樹「淫売婦」の中のままならない身体について
1 アウトサイダー文学としての「淫売婦」
2 女のままならなさ
3 「ヨロケ」たちのままならなさ
4 「私」のままならなさ
5 物語と身体
6 プロレタリア文学におけるままならない身体
第三章 感情と階級意識について
第一節 「怒り」という感情の生成―中野重治「萬年大学生の作者に」について
1 詩「萬年大学生の作者に」の〈怒り〉
2 「万年大学生」と学連事件
3 〈微苦笑〉というイデオロギー
4 学連事件をめぐる緒言説の〈通俗性〉
第二節 感情と階級意識―福本イズムの形成と中野重治
1 「怒り」という感情の発見
2 階級意識をめぐって
3 芸術運動理論から組織論へ
第四章 組織論とリアリズム
第一節 「工場細胞」「オルグ」の中の〈大衆性〉
1 「工場細胞」の背景
2 機械と身体
3 リアリズムと身体
4 前衛の「英雄化」と芸術大衆化をめぐって
第二節 「党生活者」のリアリティ
1 政治と文学という問題領域
2 イデオロギーとしてのリアリズム
第三節 同情者(シンパサイザー)小説としての「一年の記録」
1 リアリズムと日常性
2 シンパサイザー小説の批評性
3 日常性の原理
4 ボルシェビキー化のドグマ
第四節 多喜二像のオルタナティブ―貴司山治「子」
1 階級的生活と物象化
2 多喜二像のオルタナティブ
3 リアリズムの多面性
第五章 社会主義リアリズムの行方
第一節 窪川鶴次郎と社会主義リアリズム
はじめに
1 社会主義リアリズムの展開
2 実践としてのプロレタリア・ジャーナリズム
3 社会主義リアリズムという運動理論
第二節 社会主義リアリズムの陥弊―森山啓「収穫以前」について
1 文芸復興の内実
2 複数の語り手
3 形式と内容の問題
4 社会主義リアリズムの行方
5 社会主義リアリズムのイデオロギー
初出一覧
あとがき