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立命館大学文学部人文学研究叢書 3リアリズムと身体

プロレタリア文学運動におけるイデオロギー

定価: 7,150 (本体 6,500 円+税)

中野重治、小林多喜二、貴司山治 他の作品分析を通じて、文学運動へと組織化されたプロレタリア文学におけるイデオロギーとしてのリアリズム理論とその変遷を明らかにする。

【著者略歴】
鳥木圭太(とりき けいた)
1980年 京都府生まれ。
2010年 立命館大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。
現 在 立命館大学文学部非常勤講師。専攻は日本近現代文学研究。
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
人文学叢書刊行の辞
凡例
序章 イデオロギーとしてのリアリズム
 1 日本近代文学の中のリアリズム
 2 白樺派からプロレタリア文学へ
 3 プロレタリア文学とリアリズム
 4 芸術大衆化論争における〈大衆〉
 5 結
第一章 物象化へのあらがい
 第一節 「キャラメル工場から」の描いたもの
  1 都市に流入する労働者
  2 ホーカースウィートと少女工
  3 機械化される身体
  4 商品化される身体
  5 「キャラメル工場から」のリアリティ
 第二節 「彼女等の会話」におけるリアリティ
  1 書店争議と婦人同盟
  2 「彼女等の会話」の階級意識
  3 「彼女等の会話」のリアリズム
第二章 プロレタリア文学の射程―葉山嘉樹「淫売婦」の中のままならない身体について
  1 アウトサイダー文学としての「淫売婦」
  2 女のままならなさ
  3 「ヨロケ」たちのままならなさ
  4 「私」のままならなさ
  5 物語と身体
  6 プロレタリア文学におけるままならない身体
第三章 感情と階級意識について
 第一節 「怒り」という感情の生成―中野重治「萬年大学生の作者に」について
  1 詩「萬年大学生の作者に」の〈怒り〉
  2 「万年大学生」と学連事件
  3 〈微苦笑〉というイデオロギー
  4 学連事件をめぐる緒言説の〈通俗性〉
 第二節 感情と階級意識―福本イズムの形成と中野重治
  1 「怒り」という感情の発見
  2 階級意識をめぐって
  3 芸術運動理論から組織論へ
第四章 組織論とリアリズム
 第一節 「工場細胞」「オルグ」の中の〈大衆性〉
  1 「工場細胞」の背景
  2 機械と身体
  3 リアリズムと身体
  4 前衛の「英雄化」と芸術大衆化をめぐって
 第二節 「党生活者」のリアリティ
  1 政治と文学という問題領域
  2 イデオロギーとしてのリアリズム
 第三節 同情者(シンパサイザー)小説としての「一年の記録」
  1 リアリズムと日常性
  2 シンパサイザー小説の批評性
  3 日常性の原理
  4 ボルシェビキー化のドグマ
 第四節 多喜二像のオルタナティブ―貴司山治「子」
  1 階級的生活と物象化
  2 多喜二像のオルタナティブ
  3 リアリズムの多面性
第五章 社会主義リアリズムの行方
 第一節 窪川鶴次郎と社会主義リアリズム
  はじめに
  1 社会主義リアリズムの展開
  2 実践としてのプロレタリア・ジャーナリズム
  3 社会主義リアリズムという運動理論
 第二節 社会主義リアリズムの陥弊―森山啓「収穫以前」について
  1 文芸復興の内実
  2 複数の語り手
  3 形式と内容の問題
  4 社会主義リアリズムの行方
  5 社会主義リアリズムのイデオロギー
初出一覧
あとがき
著者鳥木圭太 著
発行年月日2013年07月31日
頁数290頁
判型 A5
ISBNコード978–4–7599–2001–7