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源氏物語受容史論考 続編

定価: 19,800 (本体 18,000 円+税)
[正編]俊成以後芭蕉にいたる源氏物語受容を史的に展望、絵画・仏教の領域にも及ぶ。[続編]俊成以前、平安期和歌における受容を検討し周辺の諸問題を解明する。
目次を表示します。
序言
第一部 平安期・鎌倉初期和歌と源氏物語
 第一章 源泉の問題
  第一節 延喜期後宮和歌と源氏物語
   一 源氏物語における延喜期の意義と延喜期後宮
   二 近江更衣
   三 中将更衣・付延喜御製
   四 三条右大臣女御
   五 更衣桑子
  第二節 天暦期後宮と桐壺の巻
   一 宜耀殿女御芳子
   二 中宮安子―その崩御をめぐって―
   三 栄花物語月の宴と桐壺の巻―中宮安子準拠の傍証―
   四 桐壺巻の源泉としての中宮安子物語の意義
 第二章 源氏物語と同時代和歌との交渉
  第一節 和泉式部の歌と源氏物語
   一 帚木の巻
   二 夕霧の巻
   三 御法の巻
  第二節 赤染衛門・伊勢大輔その他の歌と源氏物語
   一 赤染衛門の歌と源氏物語
   二 伊勢大輔の歌と源氏物語
   三 大納言の君・一条天皇の歌と源氏物語
 第三章 平安後期歌壇における源氏物語
  第一節 堀河院時代における源氏物語の伝流
   一 弘安源氏論議の説と堀河院
   二 源氏物語の伝流
   三 源氏物語の注と系図
  第二節 堀河院歌壇と源氏物語
   一 「近代」の歌壇と源氏物語
   二 源宰相中将家歌合と堀河院艶書合
   三 堀河院御時百首和歌
   四 源中納言懐旧百首
   五 二条太皇太后宮大弐集
   六 中納言俊忠卿集
  第三節 顕綱朝臣集における物語関係歌について―落窪・源氏・狭衣・寝覚?―
   一 「一宮女房の歌」と物語
   二 「女御殿の女房、内裏にて」の歌と物語
   三 弁乳母と陽明門院について
   四 「女御殿の女房、内裏にて」の詞書の吟味―女御道子と弁乳母・顕綱―
   五 「女御殿の女房」の歌(七五)と狭衣物語との関係
   六 「女御殿の女房」の歌(六七)と夜の寝覚との関係
  第四節 祐子内親王家紀伊と源氏物語
   一 堀河院御時百首和歌における紀伊の源氏物語関係歌
   二 勅撰集・紀伊集における源氏物語関係歌
   三 紀伊略伝
   [付説]『月待つ女』物語について
 第四章 平安末期歌壇における源氏物語
  第一節 平安末期後宮女房と源氏物語(一)
   一 今鏡の記述
   二 二条太皇太后宮摂津
   三 郁芳門院(待賢門院)安芸
  第二節 平安末期後宮女房と源氏物語(二)
   一 待賢門院堀河
   二 上西門院(待賢門院)兵衛
  第三節 源頼政と源氏物語
   一 頼政の略歴と歌
   二 頼政の歌と源氏物語
   三 「寄夕顔述懐」の歌
   四 「しはひるひ(人)」
   五 伝源三位頼政筆柏木巻・同断簡
  第四節 後徳大寺左大臣実定と源氏物語
   一 林下集と源氏物語
   二 「源氏集」に関する実定と俊成との贈答歌
   三 「源氏集」について
  第五節 藤原実家と源氏物語
   一 実家卿集と源氏物語
   二 実家卿集所見の「伊行」のこと
 第五章 平安期末期における源氏物語受容―結びに代えて―
  第一節 平安期勅撰集における源氏物語
   一 後拾遺集と源氏物語
   二 金葉集と源氏物語
   三 詞花集と源氏物語
   四 千載集と源氏物語
  第二節 平安期和歌における源氏物語受容の概観
   一 平安期和歌における源氏物語受容の趨勢
   二 平安期和歌における源氏物語受容からみた俊成・定家の意義
   三 平安期和歌における源氏物語受容の基盤・背景
 第六章 鎌倉初期歌壇における源氏物語受容
     ―『源氏物語受容史論考』前編の補遺として―
  第一節 順徳院と源氏物語
   一 順徳院の源氏物語批判
   二 源氏物語に基づく順徳院御製
   三 八雲御抄所引源氏物語本文
  第二節 権中納言実材卿母集―その物語享受をめぐって―
   一 実材卿母とその子女
   二 実材卿母集の物語享受―百首歌を中心に―
   三 実材卿母の環境―西園寺家と物語―
  第三節 藤原政範集の物語享受
   一 藤原政範集とその源氏物語に基づく歌(1)
   二 源氏物語に基づく歌(2)
   三 伊勢物語・狭衣物語に基づく歌
   [付説]万葉集に基づく歌
第二部 源氏物語受容とその周辺の諸問題
 第一章 狂言綺語の源氏物語観の形成・展開
  第一節 澄憲作「源氏一品経表白」と伝聖覚作「源氏物語表白」をめぐって
   一 「源氏一品経表白」の本文と内容
   二 狂言綺語の文芸観
   三 「源氏一品経表白」と惟宗孝言の「納和歌集等於平等院経蔵記」
   四 「源氏一品経表白」と「柿本講式」
   五 伝聖覚作「源氏物語表白」について
  第二節 今鏡の源氏物語論
   一 今鏡の源氏物語論と「源氏一品経表白」
   二 今鏡の源氏物語論の要旨と「あらましごと」の説
   三 紫式部妙音観音化身説
   四 宗教的要素の例示と麁言軟語の説
 第二章 源氏物語に関する伝承
  第一節 壇那贈僧正覚運と紫式部
   一 覚運についての伝承・諸説とその小伝
   二 覚運と一条天皇・道長との交渉
   三 覚運と紫式部接触の可能性
   四 源氏物語における覚運の投影(一)―賢木の巻―
   五 源氏物語における覚運の投影(二)―帚木の巻雨夜の品定―
   六 源氏物語における覚運の投影(三)―横川の僧都―
  第二節 源氏物語起筆伝説について(一)―大斎院要請説―
   一 大斎院要請説
   二 大斎院要請説の吟味(1)―選子・彰子の物語蒐集―
   三 大斎院要請説の吟味(2)―選子・彰子との交誼―
   四 大斎院要請説の可能性
  第三節 源氏物語起筆伝説について(二)―『続伝燈広録』所載石山寺参籠伝説の異説―
   一 石山寺参龍伝説の成立
   二 『続伝燈広録』所載の石山寺参龍伝説について
   三 『続伝燈広録』所載石山寺参龍伝説の検討―雅真・真頼と紫式部―
   四 雅真と東三条院と紫式部と
  第四節 朱の盤物語考
   一 ヘルンの『怪談』中の「むじな」と手習の巻の変化
   二 「むじな」の原話
   三 肥後の民話「ノッペラポン」
   四 中国の「ノッペラボウ」「再度の怪」の話
   五 手習の巻の変化の話と「むじな」の変化の話との類似の理由
 第三章 源氏物語目録試論―源氏物語の組織・構成を探る―
  第一節 源氏物語目録をめぐって―異名と并び―
   一 源氏物語目録とは何か
   二 「かほどり」について
   三 「もろかづら」「法の師」「壺前裁」「かゝやく日の宮」
   四 異名と并び
   [補説]
     1 源氏物語目録の発生 2 「此集一名也」 3 うつほ物語の「桂の巻」について 4 弘安源氏物語論議の本文 5 「中院事書」について
  第二節 源氏物語目録続考―「さむしろ」と「ナラビ」の一異説とについて―
   一 「さむしろ」について
   二 「ナラビ」に関する一異説について
 第四章 資料―研究・解説
   一 書陵部蔵『源氏秘義抄』付載源氏絵陳状追考
   二 桃園文庫旧蔵『源氏物語人ゝ居所』について
   三 桃園文庫旧蔵明応二年奥書『源氏抄』解題
 [付録]資料―翻刻
  1 桃園文庫旧蔵『源氏物語人ゝ居所』(翻刻)
  2 桃園文庫旧蔵明応二年奥書『源氏抄』(翻刻・注)
収録既発表論文
あとがき
索引
著者寺本直彦 著
発行年月日1984年01月05日
頁数850頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0598-4