太安萬侶の表記意識
表現と解釈に関する論文集
定価:
3,850
円(本体
3,500
円+税)
- 目次を表示します。
-
まえがき
一 太安萬侶の表記意識について
(一)古事記以前の表記
1 推古以前の表記
2 推古朝の表記
3 推古朝後の表記
(二)古事記の成立事情
1 序文に見える成立事情の概要
2 当時の歴史書
3 古事記作成の動機
4 口授伝承の問題
5 天武天皇の崩御
6 元明天皇の詔旨
(三)安萬侶の表記意識
1 上古の時の言意の素朴
2 訓による表記では語音が不十分
3 全部万葉仮名で書けば
4 音訓の交用と全て訓による表記
二 表現と時制―助動詞「た」のいわゆる存在態について―
(一)陳述と助動詞
(二)言語活動における「時」の二面性
(三)「た」が過去および完了を表わすと言われる事の意味
(四)存在態の意味
(五)存在態と連体詞
三 文と陳述との基本的関係
(一)文の概念の不統一
(二)文の範ちゅう
(三)陳述の意義
四 文と表現に関する一考察
(一)問題の所在
(二)思想の表現
(三)語と表現
(四)文の概念規定
五 一人称小説における陳述の構造
(一)一人称小説
(二)一人称者の実体
(三)一人称小説における陳述の構造
六 戯曲における陳述の構造
(一)陳述の構造
(二)戯曲の持つ陳述上の特徴
(三)「ト書き」の話し手と聞き手
(四)「せりふ」の話し手と聞き手
(五)俳優の立場について
(六)戯曲における陳述の時点
七 詩における陳述について
(一)言語の形象がもつ二つの意味
(二)詩における言語の美的形象性
(三)詩における言語の実用性
(四)詩における象徴的表現法
(五)詩における陳述
八 宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」についての一解釈
(一)「銀河鉄道の夜」の主題
(二)錯簡の問題
(三)第四次感覚と創作動機
(四)とし子の死と主題
九 内在的意味と解釈の限界
(一)「わかる」と解釈
(二)相対的理解の絶対化と解釈
(三)内在的意味と外在的意味
(四)外在的意味解釈の絶対化
(五)内在的意味解釈の絶対化
(六)遠近法的解釈の限界