宇津保物語研究 考説編
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序に代えて
第一部 年立論
第一章 長編的構想の中の「時間」
一 長編的構想の中の「時間」
二 嵯峨の院の年齢に対する解釈
三 嵯峨の院の述懐の意味
四 物語年立論の方法
五 仲忠の年齢推算の問題
六 「俊蔭」「藤原の君」と「嵯峨の院」との間
七 兼雅の年齢を軸とする推計
八 長編構成上の矛盾に対する解釈
九 「藤原の君」の物語展開と時間
十 巻と巻の承接
十一 「俊蔭」「嵯峨の院」の還饗
十二 後記付説
「俊蔭」の巻の嵯峨の院
俊蔭帰朝時の嵯峨の院
朱雀院
「藤原の君」の巻の「時間」
今宮とさま官
「藤原の君」と年立論
第二章 「内侍のかみ」年立小論
一 物語構想の中の「時間」
二 年立論の本質
三 「内侍のかみ」の年立的位置
四 「あて宮」「沖つ白波」の間
五 「沖つ白波」絵詞の年立的位置
六 「内侍のかみ」「沖つ白波」の間
七 部分的年立の整序
付記
第三章 宇津保物語年立の総括的考察
一 物語年立研究史概観
二 年立図形について
三 「俊蔭」の年立解釈
四 「藤原の君」の年立解釈
五 「忠こそ」「春日詣」の年立解釈
六 「桂」の年立解釈
七 「嵯峨の院」の年立解釈
八 「祭の使」の年立解釈
九 「吹上」上下巻の年立解釈
十 「菊の宴」の年立解釈
十一 「あて宮」以降の年立解釈
十二 「蔵開」三帖の年立解釈
十三 「国譲」三帖の年立解釈
十四 「楼の上」両帖の年立解釈
第二部 登場人物論
第一章 宇津保物語の中の人物(一)
-藤原の君の子女をめぐって-
一 本文に対する考え方
二 民部卿実正の夫人は誰か
三 三の君の配偶は誰か
四 源氏の君正頼の娘たちと婿たち
五 「藤原の君」絵詞本文の復元
六 婿君七人と配偶関係
七 あとがき
付記 「とう宰相」小考
『玉松』等の系図の誤り
五の君の夫君
七・八の君の配偶
第二章 宇津保物語の中の人物(二)
-あて宮の妹たち
一 「藤原の君」における序列から
二 今宮という名は普通名詞
三 あて宮の妹たちと構想の流動
第三章 宇津保物語の中の人物(三)
-嵯峨の院とその周辺-
一 論のはじめに
二 宇津保物語の構想と嵯峨の院
三 嵯峨の院の女みこたち(一)
四 嵯峨の院の女みこたち(二)
第四章 宇津保物語登場人物論拾遺
一 貞雄校本の作為性
二 藤原兼雅をめぐる人物系譜
三 源氏の君正頼の子息たち
第五章 宇津保物語人物雑考
一 「国譲」 の親王宣下の序列
二 梨壺の御方
三 式部卿の宮の女御
四 中務卿の宮の系譜
五 大宮の弟入道は存在したか
六 中務丞よしのり
七 左近の頭の少将
八 藤宰相の名ほ「なほまさ」か
第六章 宇津保物語における人物系譜設定の構想論的意義
一 序 説
二 虚と実
三 點から線へ
四 系譜の中の先帝の位置
五 「時の太政大臣」の系譜的位置
六 梅壺の更衣と千蔭の妹
第三部 構想に関する雑説
第一章 宇津保物語の構想研究序説
一 はしがき
二 新古の説
三 桂の巻
四 あて宮の年齢と年立
五 吹上行幸をめぐる問題
六 としかげかくれて三十年
七 吹上の浜と神泉苑と
八「内侍のかみ」の構想上の位置
九 長編構成と巻序の問題
第二章 宇津保物語の構造
-伝奇性と写実性との重層-
一 発題
二 長編への道
三 伝説的世界から現実世界へ
四 写実の深化
第三章 宇津保物語と遊仙窟
一 はしがき
二 道仙窟の直接的影響について
荏苒畏弾穿-あてにへゝやけさのみまさりてつきもしたてまつらばうけもしつべきおほんかはつきにて-
三 遊仙窟の間接的影響・類似点
浣衣の女子桂心と老典侍
琴弾く女
かたほらがほの美
かれはすきもののそへごとを申すぞ
擲菓の故事
のり物づくの事
四 風流趣味
五 琴の風流
六 文章の美
七 射芸
八 神仙趣味
第四章 弾正の宮の恋-物語構想の進展-
一 三のみこ弾正の宮の登場
二 物語における三の宮の位置
三 心情描写の深化
第五章 長編物語における「幷び」-その構造的意義は何か-
一 論の初めに
二 伝来された事実としての「幷び」
三 「幷び」の名義に関する問題
四 形態論的な意味について
五 「ならび」と本の巻と
六 終りに
第六章 「内侍のかみ」錯簡考
一 清水浜臣の指摘について
二 錯簡推測の大要
三 絵詞との承接照応の吟味
四 相撲人ら参着の時期との関係
五 甲から乙への時間の展開
六 物語内容の先後関係
七 孤立した絵詞残欠の処理
宇津保物語関係著者執筆文献目録