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  • 残部僅少

女人和歌大系 第4巻

定価: 12,100 (本体 11,000 円+税)

本大系は、古代から昭和期にいたる女性の和歌作品を一書にまとめることを目的としている。作品は年代順・作者別に配列し、これら歌人の生没年を明らかにして、作品の成立期周辺の社会状勢を知るために、主要作者の所属圏を図表に示した。各巻独立してもそれぞれの役割を果たせるようにつとめ、その期の作者略伝・和歌索引を付して利用者の便を図るように編纂した。和歌は、日本文学の中でも女性が最も活躍した分野であり、通巻6冊におよぶ本書は国語国文学における女人和歌研究の基礎的資料として、また和歌愛好家には不可欠の書である。【全6巻】
目次を表示します。
女人和歌大系全四巻完結に際して
凡例
補遺之部
  万葉集期  問答の歌
  勅撰集期  後撰和歌集
        拾遺和歌集
        後拾遺和歌集
        金菓和歌集
        新古今和歌集
        健御前(けんごぜ)の歌
        御深草院二条(ごふかくさゐんにでう)の歌
        「竹向が記」の歌
  私家集期  淀君
        京極伊知子(きょうごくいちこ)の歌
        杉浦国頭室荷田真崎子遺詠
研究之部
  勅撰集期
   第一篇 八代集における贈答歌と女性歌
    序説
    (1)和歌と贈答歌
     八代集の女性歌よりみたる区分
    第一章 八代集における贈答歌の実態と特徴 
(1)古今和歌集   贈答歌分類表の内容と実例
(2)後撰和歌集   贈答歌分類表の内容と実例
(3)拾遺和歌集   贈答歌分類表の内容と実例
(4)後拾遺和歌集  贈答歌分類表の内容と実例
(5)金葉和歌集   贈答歌分類表の内容と実例
   付 金葉和歌集「国歌大観」にあるを基準として、初奏・
再奏・三奏本の女性歌有無表
(6)詞花和歌集 贈答歌分類表の内容と実例
(7)千載和歌集 贈答歌分類表の内容と実例
(8)新古今和歌集 贈答歌分類表の内容と実例
第二章 古今和歌集・後撰和歌集の撰者の歌風と女性歌
    (1)古今和歌集
     ①古今和歌集の成立
     ②古今集の序
     ③六人の作者のうちの一人の女性
     ④撰者の歌風
     ⑤古今集の撰者と女性歌
      (イ)小 町
      (ロ)伊 勢
(2)後撰和歌集
     ①後撰和歌集の成立
     ②成立期の政治的背景
     ③後宮行事と歌合
     ④撰者の歌風
     ⑤後撰集の撰者と女性歌
第三章 後拾遺和歌集に見る女房最盛期の作品及び主要女性作者
(1)後拾遺和歌集
     ①後拾遺和歌集の成立
     ②後拾遺和歌集の抒情性
(2)和歌と女房文学
     ①女房が形成したもの
     ②女房の位置
     ③女房文学
     ④和様の文才ともののあはれ
    (3)和歌と文章
     ①歌合の歌
     ②サロン的の歌
     ③日記文の歌
     ④撰者通俊の立場
    (4)後拾遺和歌集の主要女歌人とその作品
     ①和泉式部
     ②赤染衛門
     ③相模
     ④弁乳母
     ⑤出羽弁
     ⑥周防内侍
    (5)清少納言と紫式部
     ①清少納言
     ②紫式部
    結び 短歌の本質と抒情性
第二篇 後拾遺和歌集と女歌人
    序説
    第一章 後拾遺和歌集の作られた目的
(1)目的と内容
(2)後拾遺集の成立期
(3)後拾遺集の撰歌基準
第二章 白河天皇と後拾遺集
(1)勅撰集と摂関制
(2)白河天皇と勅撰集
(3)白河天皇と摂関制
    (4)撰者藤原通俊
(5)白河天皇初期の歌壇
      (イ)宮廷歌壇
      (ロ)初期の歌合
      (ハ)歌合の時代区分について
      (二)女性の歌合と歌会
第三章 後拾遺集と女歌人の実態
    (1)後拾遺集の編成
    (2)中大君と後拾遺集
    (3)後拾遺集の女歌人とその資料
    (4)周防内侍と後拾遺集
第四章 後拾遺集の内容
    (1)後拾遺集の歌風
    (2)後拾遺集にみる部立と贈答歌
    (3)後拾遺集女歌人の系統
    第五章 後拾遺集の女性作品
    (1)主要女歌人
    (2)難後拾遺からみた後拾遺集の女性歌
    (3)和歌史からみた後拾遺集の女性歌
      付属年表 表一 表二 表三 表四
第三篇 女性歌の断層
    日記にみる三人の女性
     ―女性歌の勅撰集期より私家集期への推移―
    序説
    第一章 『たまきはる』(健御前)
    (1)『たまきはる』の和歌
      (イ)内容の区分
      (ロ)新勅撰集とたまきはるの歌
    (2)健御前の周辺
      (イ)健御前の家族関係
      (ロ)健御前の性格
      (ハ)歌壇の展開
    (3)『たまきはる』における和歌の機能
      (イ)健御前と定家
(ロ)建春門院崩後の健御前
(ハ)日記の主点
(ニ)時代の変化とたまきはるの歌
第二章 『とはずがたり』(後深草院二条)
(1)『とはずがたり』の和歌
      ①後深草院二条と『とはずがたり』
      ②『とはずがたり』の区分
(2)『とはずがたり』の和歌にみる時代相
      (イ)贈答歌にあらわれた公家と武家
      (ロ)達意の文章と和歌
      (ハ)二条と出家生活
(3)二条と西行
      (イ)西行へのあこがれ
      (ロ)西行との違い
第三章 『竹向が記』 
    (1)日野名子の周辺
      (イ)日野家のこと
      (ロ)名子の出仕と結婚
      (ハ)竹向が記は何巻であったか
      (ニ)竹向が記と太平記
    (2)『竹向が記』の歌
(イ)名子と勅撰集
(ロ)西園寺家と名子
(ハ)永福門院と名子
  私家集期 江戸期の女性生活と和歌
    序説
第一篇 前江戸期
    第一章 戦乱期の武家の女性歌
(イ)天寿院千姫
(ロ)豊臣秀頼と和歌
(ハ)醍醐の花見の主役と歌
(ニ)姫路城の千姫
第二章 辞世の歌から刻銘の文へ
(イ)辞世の歌
(ロ)素撲な刻銘の文
(ハ)和歌をはみ出した伝達
第二篇 江戸初期(封建制度確立途上期)
    第一章 田捨女
    (1)捨女と出家
     (イ)捨女の周辺
     (ロ)捨女と参禅
    (2)不徹庵の生活
     (イ)盤珪禅師の遷化
     (ロ)晩年の心境
    (3)捨女の和歌
    第二章 京極伊知子
    (1)伊知子の周辺
     (イ)京極家と涙草の著者
     (ロ)涙草にみる家系と嗣子
    (2)涙草の和歌
     (イ)涙草の歌と文章
     (ロ)伊知子と歌
第三篇 江戸中期(階級混淆期)
    第一章 杉浦真崎
    (1)徳川政策と女性
     (イ)階級混淆期と国学
     (ロ)家康と和歌
    (2)家康の女性観
     (イ)生母及び正室について
     (ロ)側室達の面より
      ① 江戸入城まで
・西郷氏於愛の方
    ・永井氏於万の方
    ・秋山氏於都摩の方
    ・河村氏於茶阿の方
    ・志水氏於亀の方
   ② 江戸入城以後
    ・正木氏於万の方
    ・太田氏於梶の方
    ・神尾氏阿茶局
    ・長谷川氏於夏の方
    ・黒田氏於六の方
(ハ)側室の面より女性への概観
(ニ)秀忠正室於江の方(崇源院)
(3)国学と女性の和歌
(イ)神官の妻杉浦真崎
(ロ)浜松における杉浦家の歌会
(ハ)賀茂真淵
(4)徳川幕府と宗教
(イ)寺社についての処置
(ロ)キリスト教についての処置
(5)仏教からの古学
(イ)契沖と古典
   (ロ)契沖とその母
(6)真崎の晩年
     杉浦家の歌会に参加した女性
第四篇 江戸末期(思想対立期)
  第一章 貞心尼
  (1)江戸末期の女歌人
    (イ)貞心尼の出家
    (ロ)貞心尼の前半生
    (ハ)最初の良寛訪問
(2)良寛と貞心の出逢い
(3)良寛と貞心の贈答歌
(4)良寛の死
(イ)貞心の後半生
(ロ)時代と風土
  (5)貞心尼の和歌
年表 女人和歌大系一、二、三巻にわたる年表
付  女人和歌大系一、二、三巻の訂正
索引 掲載歌初句索引
著者長澤美津 編著
発行年月日1972年12月15日
頁数742頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0395-9