源氏物語の文芸学
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緒言
第一章 源氏物語における美の世界の造立
一 芸術と文芸学
二 「もののあはれ」と対立認識
三 創造力と感動及び観照
四 みがかれた言語と表現の機微
第二章 源氏物語の世界構造
一 女の世界の二面―物語美への憧憬と自己疎外からの彷徨
二 孤独と「あはれ」
三 源氏物語の世界構造の特殊性と一般性
(一)時代と風土
(二)国民的文芸と世界的文芸
第三章 源氏物語の貴族性と庶民性
一 貴族及び庶民の歴史性と社会性
二 源氏物語の貴族性
三 源氏物語の庶民性
四 紫式部の貴族及び庶民観
第四章 紫式部の人間観と文芸観
一 文芸の基底としての生命と生活
二 人間の葛藤と文芸
三 外観の文芸と内攻の文芸
四 此岸及び彼岸と文芸
第五章 源氏物語の人間性と「私の世界」及び「女の世界」
一 女の世界の発見と「私」の世界の開眼
二 仮名文字の創始と女性の自我
三 物語の極盛と理想及び虚構
四 源氏物語の「『私』の世界」と「女の世界」
第六章 紫式部の「こころばへ」観と玉鬘の「こころばへ」の文芸性
一 紫式部の「こころばへ」観
(一)雨夜の品定め十二類の女性の「こころばへ」
(二)藤壺と女三の宮と浮舟の「こころばへ」
二 玉鬘の環境的条件(数奇な運命)と「こころばへ」
(一)玉鬘の数奇な運命と「こころばへ」
(二)囲繞する男性達の思慕の情と玉鬘の「こころばへ」
第七章 源氏物語の恋愛と無常
一 浪漫性及び感傷性と源氏物語
二 恋愛の自然性と性欲起源説
三 恋愛と妻
四 恋愛と無常
第八章 源氏物語の道心と文芸学
一 無常感と道心
二 紫式部の苦悩と道心
三 源氏物語の「もののあはれ」と矛盾
四 源氏物語の道心と文芸学
第九章 源氏物語の僧尼化の文芸的意義
一 源氏物語の仏教的地盤と僧尼寺庵化
二 登場人物の憂愁と僧尼化
三 僧尼化の文芸的意義
第一〇章 源氏物語の悲劇性の文芸的意義
一 性格的悲劇
二 境遇的悲劇
三 運命的悲劇
(一)先天的運命悲劇
(二)偶発的運命悲劇
第一一章 浮舟登場の文芸的意義
一 浮舟登場の構想
二 浮舟登場に見る感動と観照
三 浮舟における生死の問題
四 浮舟と横川の僧都
第一二章 源氏物語における「もののあはれ」と浄土
一 「もののあはれ」と文芸性
(一)「もののあはれ」と浪漫性
(二)「もののあはれ」と写実性
(三)「もののあはれ」と倫理性
(四)「もののあはれ」と文芸性
二 浄土と文芸性
(一)「もののあはれ」と浄土
(二)浄土と往生要集
(三)此岸の浄土と彼岸の浄土
(四)「もののあはれ」及び浄土と文芸性
第一三章 源氏物語の文芸思想
一 対象
二 作者の文芸観
三 みがかれたる言語による形象化
四 美の生活化と理念化
第一四章 竹取物語の文芸性
一 伝奇性と浪漫性
二 貴族性と庶民性
三 性格描写と美化
第一五章 伊勢物語の文芸的意義
一 伊勢物語成立の謎と歌物語創始
(甲)伊勢物語成立の謎
(乙)歌物語の創始
二 伊勢物語の浪漫性と恋愛の無常感
(丙)浪漫性
(丁)恋愛の無常感
一 人名索引
二 書名・論文名索引