欧州における戦前の日本語講座
実態と背景
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序章
1.目的
2.範囲
2.1 地域
2.2 時代
3.先行研究
4.方針・資料
第1章 日本語講座開設の背景:黎明期のヨーロッパの戦略
第1節 日本語講座開設の目的と展開:ドイツの場合
1.ライプチヒ大学
(1)黎明期
(2)戦間期・第二次世界大戦下
2.ベルリン大学
(1)東洋語学校の黎明期
(2)戦間期・第二次世界大戦下
3.ハンブルク大学
(1)黎明期
(2)戦間期・第二次世界大戦下
第2節 日本認識と日本語講座:オーストリア、ハンガリー、フィンラン
ドの場合
1.オーストリアの日本認識と日本語講座
(1)黎明期の日本認識とプフィッツマイヤーの活動
(2)戦間期の日本語講座
2.ハンガリーの日本認識と日本語講座
(1)黎明期の著作
(2)日本語講座と日本認識
3.フィンランドの日本認識と日本語講座
(1)一般著作と日本認識
(2)日本語講座とラムステッド
第3節 日本語講座の展開と社会背景:黎明期のイタリアの事例
1.フィレンツェ王立高等学校
2.ヴェネツィア王立商業高等学校
3.ローマ大学
4.ナポリ王立東洋学校
5.小括
第4節 総括
1.開設の時期
2.開設の目的と学問領域
3.社会的要請と学問:比較言語学の例
4.教授者の滞日経験と日本人講師
5.日本研究の規模
第2章 文化事業としての日本語講座支援と実態
第1節 支援の基盤と概況
第2節 日本人講師の着任状況
1.ドイツ
(1)ライプチヒ大学
(2)ベルリン大学
(3)ハンブルク大学
(4)ボン大学
(5)フランクフルト・アム・マイン大学
(6)ハイデルベルク大学、マールブルク大学、ミュンヘン大学、
ヨアヒムスタール・ギムナジウム
(7)ウィーン
(8)プラハ
2.イタリア
3.ハンガリー
4.フィンランド
5.ブルガリア
第3節 講師をめぐって
1.渡欧の目的と活動
(1)渡欧の目的
(2)思想背景
(3)研究等の活動
2.頻繁な移動
3.講師の人事権に関する考察
第4節 講師謝金
1.講師謝金の有無と出所
2.費用
(1)1930年代の記録
①ドイツ側からの支給
②日本側からの支給
(2)1940年代の記録
(3)日・独双方の事情
第5節 教育の実態:授業と受講生
1.講座の概略
(1)科目名
(2)教科書
2.講座の内容
(1)イタリアからの報告
(2)ヨアヒムスタール・ギムナジウムの授業
3.受講生
(1)受講生数と職業
(2)学習動機
第3章 日本人講師の事例
第1節 日本語教授経験を有して渡欧した講師:村田豊文
1.渡独まで
2.書簡に見る滞独生活
(1)給与
(2)日本の文化政策とドイツ人の対日観
(3)日本語講師の役割
3.ウィーン時代の教え子の回想
4.小括
第2節 語学教育に徹した講師:岩倉具実
1.日本語教授の動機
2.講義の内容
3.教え子の回想
4.小括
第3節 注目された講師:桑木務
1.渡独まで
2.ドイツからフィンランドへ
3.活動の内容
(1)講義・講演
(2)日本語講座
(3)受講生
(4)フィンランド側の反応
4.小括
第4章 日本語講座の諸相
第1節 対欧文化事業と日本人講師
1.対独・対伊文化事業
(1)1920年代の活動
(2)国際文化事業:ドイツ、イタリアにおける文化事業
(3)交換教授の派遣
(4)各地の講演内容
2.文化事業と日本人講師
(1)ベルリン日本研究所副主事の活動:北山淳友の場合
(2)帰朝報告とその後の活動:松本徳明の場合
(3)日本語講座重点化の提案:岡正雄の場合
3.小括
第2節 講座の目的
1.民間資金による開設と目的
(1)ライプチヒ日本研究所
(2)ウィーン大学日本研究所
2.国際文化振興会の使命と講師の活動
3.日洪文化協定締結の背景:ソヴィエト情報をめぐって
4.公費による寄贈講座:ヘルシンキ大学への回答として
5.小括
第3節 対外広報宣伝活動としての文化事業
1.語学講座の開設要求
(1)イタリアの場合
(2)ハンガリーの場合
2.当時の趨勢
3.「発信」への動機:欧米観の変遷の中で
4.黎明期の対外広報文化活動
5.小括
第4節 日本語講座開設に対するドイツ側の認識
1.日本語講座開設をめぐる議論
(1)日独文化連絡協議会における関係者の態度
(2)ドイツ人日本学者の認識と提案
(3)1944年の事業の新展開:大使の影響
2.ジャーナリズムに見る日本像の変遷
3.小括
第5節 総括
1.事業としての性格と評価
2.講師の活動と評価
3.他地域との相違
4.現代の言語教育構想:安全保障としての言語教育
結章
文献目録Ⅰ 未刊行史料
1.所蔵館
2.その他の一次史料:一次史料をご提供いただいた方々
3.アジア歴史資料センター所蔵史料目録
文献目録Ⅱ 刊行資料
あとがき
巻末資料
資料1.Japanese courses interwar period and during WWⅡ in Germany and its neighbors
資料2.Japanese courses before 1943 in Italy