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国字ローマ字化の研究 改訂版

占領下日本の国内的・国際的要因の解明

定価: 9,680 (本体 8,800 円+税)

未見の史料と関係者家族への調査により、CI&Eと教育使節団のローマ字化への動向に焦点を当て、その改革の背景、日本側の対応を探り、定説を覆す知見を明かす。

【著者略歴】
茅島篤(かやしま あつし)
1949年 福岡県生まれ。
1978年 コロンビア大学教育大学院博士課程コース・ワーク修了。
1979年 コロンビア大学東アジア研究所研究科修了。
1983年 コロンビア大学より教育学博士の学位取得。
スタンフォード大学、コロンビア大学大学院、ハーバード大学大学院客員研究員を務める。工学院大学専任教員、早稲田大学、東洋大学講師などを務める。
国語国字の分野では、文化庁国語施策百年史編集委員会執筆委員、(財)日本のローマ字社理事などを務める。
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
序章 研究の課題と方法
第一部 米国側の対日国字ローマ字化
第一項 連合国側の対日占領政策と日本人の再教育、国語改革
 第一章 序論
 第二章 日本人の再教育と国語改革
 第三章 米国対日教育使節団来日前までの動き
 第四章 関係者の専門と相互の関わり合い
 第五章 占領下初期の国語改革担当者
 第六章 小結
第二項 占領側の言語改革の範囲
 第一章 連合国軍総司令部、対日理事会、アメリカ国務・陸・海三省調整
委員会
 第二章 外国語政策(OSS、CI&E)
 第三章 CI&E課員等の見解
 第四章 小結
第二部 米国対日教育使節団の国語改革勧告と日本側の対応
 第一章 序論
 第二章 教育使節団の国語改革勧告と日本側の対応
 第三章 教育使節団と国語改革に関する論点
 第四章 小結
第三部 米国対日教育使節団の国字ローマ字採用勧告への影響要因
第一項 教育使節団の国字ローマ字採用勧告の執筆をめぐる問題
 第一章 序論
 第二章 国語改革担当者
 第三章 国語改革草案
 第四章 CI&EのR・K・ホールの影響
 第五章 国語改革勧告内容の捉え方
 第六章 国語改革最終報告書―妥協の産物
 第七章 教育使節団長の言語認識
第八章 論点の検証
第九章 国語改革草案から削除された部分:中国語簡易化、教科書への
ローマ字導入
第十章 教育使節団関係者の日本・日本語理解
第十一章 教育使節団の国語改革関係者と日本側の対応
第十二章 国字ローマ字勧告への政策中枢の対応
第十三章 漢字廃止の動きに対する中国代表の反応とCI&Eの対応
第十四章 小結
第二項 教育使節団の国字改革と英学者が果たした役割
 第一章 序論
 第二章 教育使節団におけるⅤ・C・ギルダースリーブ
 第三章 教育使節団におけるD・H・スティーブンスおよび彼とE・O・
ライシャワーの関係
 第四章 小結
第四部 ロバート・K・ホールと国字ローマ字化
 第一章 序論
 第二章 来日前の教育使節団関係者とホールの関わり
 第三章 ホールと言語簡易化・日系人・日本語との関連
 第四章 ホールのローマ字化提案とローマ字調査
 第五章 ホールの「教科書ローマ字使用・ローマ字化指令」問題
 第六章 C・C・フリーズのホールへの影響
 第七章 小結
第五部 戦前の日本と世界の言語簡易化、音標文字・ローマ字化の動向
第一章 序論
第二章 英語の改革と国語改革の類似点・共通点
第三章 戦前の諸外国における言語改革との関連性
第四章 日本の音標文字化への改革遺産
第五章 漢字の国、中国語の改革
第六章 国際連盟でのローマ字問題との関連性
第七章 国際言語学会、国際音声学会とローマ字問題
第八章 戦前の言語科学とローマ字問題
第九章 アメリカの日本語教育プログラムとローマ字問題
第十章 H・E・パーマーと日本語ローマ字表記
第十一章 小結 
終章 結論および本研究の今日的意義、今後の研究課題
註記
あとがき
付録 資料編
 戦後初期の国語改革年表
 米国対日教育使節団報告書の「国語改革」(一九四六年・一九五〇年)
 ロバート・キング・ホール「戦後日本の発展における教育」
(茅島 篤訳)
著者茅島篤 著
発行年月日2009年03月31日
頁数344頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1741-3