手紙文の国語学的研究
定価:
20,350
円(本体
18,500
円+税)
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口絵『雁の行かひ』(茨城大学附属図書館菅文庫蔵)及び『番匠作事往来』(国文学研究資料館蔵)
研究篇
第一部 手紙文と国語史
第一章 手紙発見
第一節 未公開の手紙を発見
一 中川浩一氏所蔵の手紙
二 望陀文庫所蔵の手紙
第二節 手紙文中の事実の発見
一 芭蕉の手紙
二 橘曙覧の手紙
第三節 手紙について書かれたものの発見
一 『初学文章抄』
二 『尺牘集要』
第二章 賀状今昔
第一節 年賀状の起源
第二節 徳川宗直の年賀状
第三節 年賀状の挨拶ことば今昔
第三章 手紙文の歴史
第一節 日本語教育と手紙文
一 手紙を書く機会
二 手紙の形式
三 待遇表現
四 手紙の用語
第二節 手紙文の歴史は文章の歴史と共に古い(上代)
―中国式と日本式―
一 手紙の名称
二 日本最古の手紙
三 中国式と日本式
第三節 文体のバイリンガリズム(中古)―漢文とかな文―
一 漢文の手紙
二 かなの手紙
三 平闕・氏の朝臣
四 文頭と文末の表現
第四節 待遇表現の網の目(中世)―毒札礼の成立―
一 文末の用語
二 武家の作法
三 直札と披露状
四 豊臣秀吉の手紙
第五節 候文の全盛期(近世)―「一筆啓上」―
一 散らし書き
二 御物遠
三 一筆啓上
四 手紙文のバイリンガル
第六節 郵便制度の発足(近代)―候文から口語文へ―
一 候文の後退
二 年賀状の用語
三 拝啓と前略
第四章 文書規範の歴史
第一節 公文書と私文書
第二節 中世・近世の文書
一 院宣
ニ 牒状
三 定め書き
第三節 中世・近世の書簡作法書
一 『弘安礼節』
二 ロドリゲスの『日本大文典』
三 『簡礼集』
第二部 手紙文と文章表現の型
第五章 手紙に現れた社会性
第一節 表現研究と社会学
第二節 「表現」自体が有する社会性
第三節 手紙の形式
第四節 手紙の書き手の社会的地位と表現との関連
第六章 手紙の作法
第一節 「さくほう」と「さほう」
第二節 手紙の書式
一 中国式と日本式
二 十八式
第三節 待遇表現
第四節 手紙の用語
一 手紙の呼称
二 書き出しの用語
三 文末の用語
四 後付の用語
五 自称・その他
第七章 実務上の手紙
第一節 依頼の手紙
一 送付依頼
二 借金の依頼
三 推薦の手紙
四 忠告の手紙
第二節 社交上の手紙
一 病気見舞の手紙
二 災害の見舞
三 挨拶の手紙
四 お礼の手紙
五 お祝いの手紙
第三節 葉書の書き方
一 葉書と封書
ニ 返事の葉書
三 年賀状
四 絵葉書
五 エア・メール
第八章 手紙の中の「謝罪」
第一節 言語表現としての「謝罪」
第二節 手紙による謝罪
第三節 社交儀礼上の詫び状
第四節 当方に何等かの原因がある場合の手紙
第五節 当方の失策に対する詫び状
第六節 詫びながら拒否する手紙
第九章 書簡体小説二題
第一節 古今の書簡体小説
第二節 太宰治『虚構の春』
第三節 井上ひさし『十二人の手紙』
第三部 手紙文と語彙研究
第一〇章 仮名消息作法書三題
第一節 『消息文梯』
第二節 『かりの行かひ』
第三節 『おくれし雁』
第一一章 手習教科書の文字とことば
第一節 近世の手習い
第二節 漢字の手習教科書
第三節 唐様と御家流
第四節 仮名の手習い
第五節 消息の手習い
第六節 書法指南書と書簡作法書
第一二章 寺子屋の漢字学
第一三章 手紙の用語三題
第一節 「一筆啓上」
第二節 「御物遠」
第三節 「新春御慶」
第一四章 「あなかしこ」攷
第一節 手紙の用語としての「あなかしこ」
第二節 「あなかしこ」の用例
第三節 「あなかしこ」の用例分析
第四節 『源氏物語』における「あなかしこ」の用例
第五節 『末燈妙』における「あなかしこ」の用例
第六節 『消息文例』における説明文
第七節 「かしこし」の用例
第八節 「かしこ」(「かしく」)の用例
第九節 「あな」の用例
第一〇節 『源氏物語』に現れる「あな」の全数調査
第一一節 「あら」について
第一ニ節 むすび
資料篇
一 往乗物七種総合索引
ニ 『消息文梯』影印
三 『消息文梯』翻刻
四 『消息文梯』語彙索引
あとがき
人名・引用書名索引