古代的象徴表現の研究
古代的自然把握と序詞の機能
定価:
12,100
円(本体
11,000
円+税)
- 目次を表示します。
-
序
第一章 序論
一 本書の観点とその概要
二 古代日本語の成立と古代歌謡・万葉集
第二章 万葉集の表現の歴史的変遷―神話時代から歴史時代へ―
一 「神」と「神代」を詠む歌
二 「世の中」の嘆きを詠む歌
三 大伴家持「独居沈思」歌の独自性と言語イメージ
第三章 古代的「時」の観念とその表現
一 古代的「時」の観念と時制
二 古代日本語としての「時」
一 一日の区分と「時」の表現
第四章 古代的象徴表現
一 古代的自然把握と象徴表現
二 序詞の機能と構造―〈……の〉形式の序詞―
三 枕詞の機能と構造―〈……の〉形式の枕詞―
四 序詞の象徴機能と枕詞
第五章 序詞の象徴機能と言語イメージ
一 神聖・清浄な女性美の形象化―「久方の 天の香具山 とかまにさ渡る鵠」(記二七)―
1 古事記二七・二八番歌謡についての諸説とその問題
2 〈~に渡る・さ渡る〉の構造と意味
3 「久方の 天の香具山」の象徴機能
4 「とかまに さ渡る鵠」の意味と美夜受媛像
二 神威と権勢の形象化―「しが下に 生ひ立てる 葉広 ゆつ真椿」
(記五七)―
1 古事記五七番歌謡についての諸説とその問題
2 〈~に生ふ・生ひ立つ〉の象徴機能と「しが下」の意味
3 「大君ろかも」と宮廷寿歌
4 「照る」「広る」の意味と大君像
5 「此時歌日」と古事記歌謡との関係
6 当該歌謡の真意と序詞
三 女性の姿と心の形象化―「波のむた靡く玉藻」(十二、三〇七八)
―
1 万葉集巻十二、三〇七八番歌についての諸説とその問題
2 「片息」「片恋」の象徴表現
3 「波のむた靡く玉藻」の象徴機能
4 陰在的被序詞と序詞との関係
5 「わが思ふ人の言の繁けく」の真意
四 東歌の序詞の独自性―「鴨の這ほのす」(十四、三五二五)―
1 東歌の表現の特色
2 東歌における「鴨」とその言語イメージ
3 古代的自然把鐘と東歌の序詞
第六章 「じもの」の意味―「男じもの」―
一 古代日本語「じもの」と「なす」「ごと(し)」との関係
二 従来の研究とその問題
三 「じもの」の意味と言語イメージ
四 「男じもの」について
第七章 万葉集の恋の歌とその表現
一 万葉集と八代集の表現の相違
二 万葉集の類句と古代的象徴表現
1 〈恋(をし)すれば〉
2 〈恋もするかも(かな)〉〈恋(を)もわれはするかも(かな)〉
3 〈恋は〉〈わが恋は〉〈(わが)恋ふらくは〉
三 古代的思考と恋の歌の表現
初出一覧
索引
あとがき