古代日本語の助動詞の研究
「む」の系統を中心とする
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序
第一章 序 論
一 古代的思考と古代日本語の助動詞
二 助動詞の機能と意味
三 文芸の創造と助動詞
四 助動詞の分類と語性決定の法則
五 本書の目的とその方法
第二章 古代日本語の助動詞研究の歴史
一 「てにをは」研究から助動詞研究へ
二 近世における研究
三 近代における研究
四 昭和期以降の研究
第三章 助動詞研究の課題と方法
一 助詞・助動詞の区別と両者の機能
二 時制や人称による助動詞の把握の問題点
三 助動詞の分類と意味―いわゆる推量の助動詞について―
第四章 古代的な時の観念と助動詞
一 古代的な時の観念と時制
二 古代日本語としての「とき」
三 古代日本語の時に関する表現
第五章 助動詞の用例と術語の規定
一 検討の対象とする用例
二 術語について
1 機能・意味・意義
2 文の構造―叙述内容と判断辞―
3 言語主体・判断主体の区別と動作主
第六章 助動詞「む」
一 従来の研究とその問題点
1 「む」に関するおもな説
2 人称との関係による説
3 直上の動詞の違いによる説
4 活用形の違いによる説
5 文脈による説
6 新たな「む」の研究に向けて
二 「む」の検討
1 人称の相違と「む」との関係
Ⅰ 一人称と三人称の「む」の比較 Ⅱ 序詞における「む」
Ⅲ 統一的な「む」の把握に向けて
2 「む」が意志・推量として解釈される要因
Ⅰ 「む」は意志か推量か
Ⅱ 意志を表すと言われる一人称の「む」
Ⅲ 推量を表すと言われる一人称の「む」
Ⅳ 意志を表すと言われる二・三人称の「む」
3 「む」の多義的解釈と叙述内容との関係
Ⅰ 「む」は強い意志決定を表すか
Ⅱ 「む」は希望・願望を表すか
Ⅲ 「む」は勧誘を表すか Ⅳ 「む」は可能推量を表すか
Ⅴ 「む」は適当・当然・仮定を表すか
Ⅵ 「む」は婉曲を表すか
Ⅶ 叙述内容の多様性と多義的解釈
三 「む」の意味
1 上摸語・叙述内容・構文上の特色
2 「む」と「まし」との相違
3 「む」と「じ」「ず」との関係―「ずあら(ざら)む」
「めや(も)」―
4 「む」の意味とその独自性
第七章 助動詞「らむ」
一 従来の研究とその問題点
1 「らむ」における通説
2 「らむ」は現在推量を表すか
3 「らむ」は原因・理由に関する推量を表すか
4 「らむ」は伝聞・婉曲・詠嘆を表すか
二 「らむ」の意味
1 上接語・叙述内容・構文上の特色
2 助詞「や」「か」を伴わない「らむ」
3 助詞「や」「か」を伴う「らむ」
4 「らむ」の意味とその独自性
第八章 助動詞「けむ」
一 従来の研究とその問題点
1 「けむ」における通説
2 「けむ」は過去推量を表すか
3 「けむ」は原因・理由に関する推量を表すか
4 「けむ」は伝聞・婉曲を表すか
二 「けむ」の意味
l 上接語・叙述内容・構文上の特色
2 原因・理由の構文における「けむ」
3 他の構文における「けむ」
4 「けむ」の意味とその独自性
第九章 結 論
一 助動詞「む」「らむ」「けむ」の相違
二 古代日本語の助動詞の特質とその研究
資料篇 万葉集「む」「らむ」「けむ」の上接語別用例一覧
一 助動詞「む」
1 終止形
2 連体形
3 己然形
4 ク語法「まく」
二 助動詞「らむ」
1 終止形
2 連体形
3 己然形
三 助動詞「けむ」
1 終止形
2 連体形
3 己然形
4 ク語法「けまく」
初出一覧
索引(語句・事項・書名・人名)
あとがき