平安朝文学における色彩表現の研究
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凡例
はじめに
第一章 古代の色名とその実相―「平安朝文学における色彩」研究のための最も基礎的な作業として―
「濃き色」試論―衣配りにおける明石君への御料「濃きが艶やかなる」を起点として―
古代における「みどり」の色相領域を再考する
『更級日記』「あさみどり花もひとつに霞みつつ」詠再考
第二章 和歌における色彩表現―主として漢語摂取からの表現的展開を視座として―
歌語「紫の雲」考―常套化へのプロセス―
「紫の雲」考―それは何時「聖衆来迎の雲」となったのか―
白き月光―その色相概念の形成過程に関わる貫之・躬恒―
「黄葉」と「紅葉」―上代から平安へ、表記移行の要因に関する一試論―
第三章 散文における色彩表現―作品の形成に色彩・装束はどう関わったのか―
第一節 伊勢物語
「若紫のすり衣」考―主として染料・染色技法の性質から考える『伊勢物語』初段形成への作用―
第二節 源氏物語
第一項 色彩表現から場面を読み解く
六条院女楽の色彩―赤青対比の身分的倒錯が意味するもの―
紅の涙と墨染の衣―『源氏物語』総角巻の描写をめぐって―
「聴色の氷とけぬかと見ゆるを」考
第二項 色彩表現と人物造型
桐壺更衣という呼称―元白唱和における「紫桐花」の受容を中心に―
夕顔・明石君・浮舟の象徴色「白」に関する試論
「変化」の明石君と女身の仏菩薩が法師を導く話
第三節 栄花物語
『栄花物語』の「皇后宮春秋歌合」―特に女房装束の描写に注目して―
第四節 更級日記
『更級日記』の富士山描写解釈に関する二三の問題
おわりに
初出一覧
あとがき