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近松浄瑠璃の研究

定価: 20,900 (本体 19,000 円+税)

近松の芸論から帰納した「情と義理の悲劇論」を浄瑠璃作文の基本的な方法として、主要な作品について分析、その展開過程を作者の主体的な営為として跡づける。

【著者略歴】
白方 勝(しらかた まさる)
昭和7年(1932) 愛媛県に生まれる。
昭和30年(1955) 愛媛大学教育学部卒業。
     松山東高等学校教諭、新居浜工業高等専門学校助教授を経て、
     現在、愛媛大学教育学部教授。
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
第一編 近松作文法の考察
 序論
一 浄瑠璃は人形にかかるということ
(一)「人形にかゝる」の意味
(二)「働を肝要とする活物」の意味
(三)再び「かゝる」の意味について
二 情について
(一)義理と人情
(二)情の方法
(三)情と人情
(四)情をこめるについての各論
三 義理について
(一)(A)儒学における義理
(二)(B)儒教的道義としての義理
(三)(C)世間の道義としての義理
 (四)(D)鋤演劇における義理(一)
 (五)(E)演劇における義理(二)
 四 情と義理の悲劇論
 五 虚実皮膜の諭
   〔付 載〕近松・海音の義理の用例
第二編 時代浄瑠璃の方法
 一 時代浄瑠璃の概観
 二 貞享・元禄期の浄瑠璃と歌舞伎
  (一)『世継曽我』と『出世景清』
  (二)近松の歌舞伎狂言
 三 正徳期の方法
  (一)竹本座の動向
  (二)なさけと義理
  (三)近松の因果悲劇
  (四)『娥哥かるた』をめぐる推論
  (五)正徳期の段構成の方法
 四 悪と錯誤の悲劇
  (一)『栬狩剣本地』
  (二)『国性爺後日合戦』
  (三)『傾城酒呑童子』
  (四)『隻生隅田川』
  (五)『津国女夫池』
  (六)悪の悲劇と歌舞伎の実悪
  (七)享保期の段構成の方法
 五 享保の改革と近松『関八州繋馬』
 六 時代浄瑠璃の道義性
第三編 世話浄瑠璃の展開
 一 浪漫的出発・その変貌
  (一)『曽根崎心中』
  (二)『心中二枚絵草紙』
 二 一分と義理の方法
  (一)『五十年忌歌念仏』~『淀鯉出世滝徳』
  (二)『心中刃は氷の朔日』
  (三)『今宮の心中』
  (四)『冥途の飛脚』
  (五)『夕霧阿波鳴渡』付り『銀の権三重惟子』
 三 錯誤の悲劇
  (一)『大経師昔暦』
  (二)『生玉心中』~『博多小女郎波枕』
 四 家の悲劇
  (一)『心中天の網島』
  (二)『女殺油地獄』
  (三)『心中宵庚申』
 五 紀海音との交渉
  (一)『なんば橋心中』と『心中刃は氷の朔日』
  (二)近松の海音摂取
第四編 近松の周辺
 一 近松と源氏物語
 二 『さんせう太夫』と鷗外の『山椒大夫』
 三 『さんせう太夫』と近世初期の人買物
 四 『清水観音利生物語』覚書
 五 錦文流の浄瑠璃
あとがき
著者白方勝 著
発行年月日1993年09月30日
頁数718頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0859-6

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