和牛入会放牧の研究
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はしがき
第1章 序 論
第1節 入会放牧の概念と定義
1.入会権の意義と社会的性質
(1)入会の定義とその自給性
(2)入会権の定義
(3)入会制の弊害と部落有林野の統一
(4)入会制の社会政策的意義
2.入会放牧の概念とその社会的性質
(1)入会放牧の概念と本研究の動機
(2)入会放牧の社会経済的特性と入会放牧の存続
第2節 和牛入会放牧生産の現況とその重要性―本研究の目的
1.和牛入会放牧生産の現況
2.和牛入会放牧生産の重要性と本研究の目的
(1)和牛放牧生産の重要性
(2)和牛入会放牧の重要性の変化と本研究の目的
第3節 本研究の課題と方法
1.本研究の課題
2.本研究の方法
第2章 私有林における和牛の入会放牧
第1節 島根県鳥上地方の私有林入会放牧
1.仁多郡鳥上地区山郡の部落構成と放牧共同体
2.山郡牧場の土地所有権と入会放牧権
3.林野所有の史的展開と入会放牧に対するその意義
(1)藩政時代の鳥上林野支配の諸形態
(2)地租改正とその後の林野所有の変遷
(3)林野所有の変遷と入会放牧の意義
4.入会放牧秩序の史的展開
5.入会放牧慣行の維持される要因
6.放牧共同体の規制条件
(1)放牧資格―利用主体
(2)放牧時季
(3)放牧頭数
(4)放牧料金
(5)地代
(6)放牧管理
(7)牧場管理
7.問題点―所有権と放牧権の社会経済的関係
(1)所有権と放牧権との対抗関係
(2)所有権と放牧権との結合関係
第2節 広島県比和地方の私有林入会放牧
1.比和地方における入会放牧の概況
2.比和地方における私有林入会放牧
(1)法仏牧場―入会放牧の存続
(2)大谷牧場―契約入会の成立と展開
3.問題点の要約―契約入会放牧の意義
第3節 私有林入会放牧の問題と展望
1.鉄山地帯における私有林と入会放牧
2.所有権と放牧権の対抗
3.所有権と放牧権の社会経済的結合
4.放牧を含めた広域造林施業の必要
5.契約入会放牧制の意義
第3章 公有林における和牛の入会放牧
第1節 島根県三瓶地方の公有林入会放牧
1.三瓶山林野の所有と利用の歴史的展開
(1)藩政時代の三瓶林野支配の諸形態
(2)明治初年の雲石国境争論地と町村制の施行
(3)明治25年・43年の陸軍演習場買上げと国有地払下げ
(4)大正6~8年の部落有林野の統一
(5)戦後の農地改革と開拓利用の展開
(6)最近における町村合併および営林署買上げと観光利用の進出
2.三瓶山牧野の所有・管理・利用の主体と秩序
(1)三瓶牧野の所有主体
(2)三瓶牧野の管理主体
(3)三瓶牧野の利用主体と利用秩序
3.三瓶牧野慣行の特徴と問題
(1)部落集団と牧野集団および放牧集団
(2)三瓶における牧野慣行の特徴と問題
第2節 広島県比和地方の公有林入会放牧
1.吾妻山牧場における入会放牧
(1)土地所有と土地利用の史的展開
(2)放牧管理と放牧共同体
2.大滝(布見)牧場における入会放牧
(1)土地所有と土地利用の史的展開
(2)放牧管理と放牧共同体
3.比和地方における入会放牧の特徴と問題
(1)大牧場の土地所有の変化
(2)大牧場の土地利用の問題
(3)土地所有と放牧利用の競合と結合
第3節 熊本県産山地方の公有原野入会放牧
1.産山村原野の所有史と土地利用
2.上田尻牧野集団の牧野所有と利用秩序
(1)牧場―昼夜放牧
(2)干草刈場
(3)朝草刈場と夜間放牧場
(4)朝草刈専用場
3.山鹿牧野集団の牧野所有と利用秩序
(1)牧野所有と管理利用主体
(2)牧野利用の秩序
4.入会放牧権の存続性と協同生産組織
第4節 公有林における入会放牧の存続性
第4章 国有林と和牛の共同放牧生産―岩手県川井村片巣・箱石放牧組合―
第1節 川井地方の和牛生産と国有林存続の概況
1.川井地方における日本短角牛の生産概況
2.川井地方の肉用牛生産における国有林存続の概況
第2節 川井村片巣・箱石放牧組合
1.ノロメキ,立臼,蓬平の三放牧地
2.片巣牧野集団―片巣放牧共同体
3.片巣・箱石両部落の放牧共同林野
第3節 川井地方における林野支配の歴史と国有林野の形成
1.藩政時代の川井地方林野の支配形態
2.明治初年における川井地方林野の国有林形成とその社会的影響
第4節 国有林における放牧共用林野の史的展開とその社会経済的性格
1.放牧共用林野制度の歴史的展開
(1)放牧共用林野制度と入会制度
(2)馬産限定地制度の歴史的展開
(3)放牧共用林野制度の歴史的展開
2.放牧共用林野制度の社会経済的性格
(1)馬産限定地の社会経済的性格
(2)放牧共用林野の社会経済的性格
第5節 国有林と和牛の共同放牧に関する問題と展望
1.和牛の共同放牧生産における土地需要と農民の対応
2.国有林活用による肉用牛共同放牧生産の問題と展望
3.国有林と入会放牧権
第5章 結 論
第1節 近代林野所有の三形態と入会放牧
1.近代林野所有の形式性と入会放牧の実質性
2.近代入会放牧の管理主体と利用主体における集団文化
3.契約入会による放牧生産の展開
第2節 所有権と放牧権の競合と結合
第3節 近代入会放牧権の変化と存続および若干の提言
付章第1.和牛の「入会放牧」生産に関する若干の考察
1.和牛生産の地域と入会放牧慣行
2.和牛生産の経済的機能と入会放牧
3.農業集落調査における和牛生産の入会放牧依存性
4.入会放牧地の荒廃現状
5.若干の考察
付章第2.解体期にある牧野入会権の諸類型
1.類型化の目的
2.牧野入会権の解体的諸類型
3.問題点の指摘
4.引用文献
付章第3.入会放牧権の存続性―熊本県の一事例―
1.序 言
2.調査地の特徴
3.土地所有の変遷
4.入会放牧権の存続性
5.結 言
6.引用文献
付章第4.和牛「入会放牧」の現代的意義
1.和牛「入会放牧」の現況
2.慣行(入会)放牧と周年舎飼の経済性
3.入会放牧の存続性
4.入会放牧性の集団生活組織としての理想性
5.若干の提言
6.引用文献