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ヴィゴツキーの情動理論の教育学的展開に関する研究

定価: 7,700 (本体 7,000 円+税)

情動理論の史的形成過程を再考し、その固有な構造的特質を解明。現代教育学の方法論的基礎を問いなおし、情動を包摂した教育理論の実践的応用可能性を探求する。

【著者略歴】
庄井良信(しょうい よしのぶ)
1960年 北海道に生まれる。
1988年 広島大学大学院教育学研究科博士課程後期満期退学
1988年 広島大学教育学部助手
1988年 広島女子大学家政学部講師
1992年 広島女子大学家政学部助教授
1995年 県立広島女子大学生活科学部助教授
1998年 ヘルシンキ大学(フィンランド)在外研修
2002年 北海道教育大学大学院教育学研究科助教授
2008年 北海道教育大学大学院教育学研究科教授
2008年 博士(教育学)・広島大学
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
序文
序章 研究の目的と方法
 第1節 研究の目的
 第2節 先行研究の検討と課題設定
 第3節 論文構成と研究方法
第Ⅰ部 初期ヴィゴツキーにおける情動理論の探求
第1章 情動への文芸学的アプローチ
 第1節 演劇と文芸批判への関心
 第2節 情動を伴う意識への関心
 第3節 ロシア象徴主義文学への違和感
 第4節 文芸批判から『芸術心理学』へ
第2章 情動への芸術心理学的アプローチ
 第1節 構図と主題
 第2節 研究方法論と三つの批判
 第3節 美的反応の分析
 第4節 情動体験とカタルシス
 第5節 情動という内的ドラマの物語論へ
第3章 精神分析学の影響
 第1節 ロシア精神分析学協会の設立
 第2節 乳幼児における情動交流への関心
 第3節 フロイト=マルクス主義批判
 第4節 無意識―その社会的・情動的性格
 第5節 情動を伴う主観的体験への関心
第Ⅱ部 後期ヴィゴツキーにおける情動理論の探求
第4章 情動学説への哲学的批評
 第1節 同時代の情動学説批判
 第2節 情動の生物学主義的解釈への批判
 第3節 情動学説の分水嶺
 第4節 情動における発達の論理
第5章 情動への俳優心理学的アプローチ
 第1節 俳優における情動のパラドクス
 第2節 情動の社会性と舞台感情のリアリズム
 第3節 内的ドラマとしての情動
第6章 情動体験と詩学
 第1節 情動の内的表現としてのイメージ
 第2節 創造的創造と物語の詩学
 第3節 身体的な情動交流の詩学
第Ⅲ部 ヴィゴツキーの情動理論の全体構造と教育学
第7章 障害児教育論と情動
 第1節 児童学構想と障害児教育論
 第2節 複合的徴候への臨床的診断法
 第3節 障害の社会的・情動的性格
 第4節 情動体験(переживание)による治療と教育
第8章 発達の最近接領域の情動的構築
 第1節 生活的概念と科学的概念―その螺旋的葛藤
 第2節 活動理論の情動理論的拡張
 第3節 物語のある学びと情動体験
 第4節 情動体験の源泉としての物語共同体
 第5節 自己物語の構築とコミュニティ支援
終章 情動を包摂する教育理論
 第1節 情動の発達理論への洞察と教育学
 第2節 児童学における情動理論と教育学
 第3節 情動理論の全体構造と発達援助の理論
 第4節 一回性の逸話への教育学的研究法
 第5節 情動体験の教育学的意義
結語

文献
人名索引
事項索引
おわりに
謝辞
著者庄井良信 著
発行年月日2013年11月15日
頁数252頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1966-0