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学習コーチング学序説

教育方法とコーチング・モデルの統合

定価: 9,350 (本体 8,500 円+税)
子どもたちの可能性を引き出す教育思想・実践をコーチング・モデルの視点から明確化。問答型コミュニケーションを軸としたスキルの提言を通して体系化を行う。

【著者略歴】
山谷敬三郎(やまや けいざぶろう)
昭和27年北海道遠軽町に生まれる。昭和51年北海道教育大学教育学部岩見沢分校を卒業し、北海道釧路市立東中学教諭となる。昭和59年現職派遣で兵庫教育大学大学院学校教育研究科修士課程修了。昭和62年北海道立教育研究所勤務となり、教育資料室長、学年・学級経営研究室長、学校経営研究室長を務める。平成6年北海道教育庁空知教育局指導主事。平成9年北海道女子大学(現:北翔大学)短期大学部初等教育学科助教授に就任。平成12年同大学生涯学習システム学部教授就任。平成18年同学部学部長、大学院生涯学習学研究科研究科長。平成22年同大学副学長。平成22年東北大学大学院後期博士課程修了、同年3月博士(教育情報学)の学位を授与される。
目次を表示します。
はしがき
序章 問題の所在と背景
 1 本研究の目的と意義
 2 先行研究の概要
第Ⅰ部 コーチング・モデル構築に関する教育人間学的考察
第1章 教育作用の発生論的意味からの分析
 1 人間を人間にする働き
 2 教育における児童期の意味
 3 広義の教育と狭義の教育
第2章 教育作用における素質の位置づけとコーチング
 1 万能主義と無力観
 2 暗示による素質の改革
 3 素質の弾力性と課題性
第3章 教育作用における環境の位置づけとコーチング
 1 教育の絶対条件としての環境
 2 シュテルンその他の環境論
 3 課題としての環境
第4章 人間の生における問いの意義とコーチング
 1 問いの本質
 2 弁証法的進行としての生
 3 問いと注入
 4 真問か疑問か
 5 方向をもつ問い
第5章 教育作用における問いの位置づけとコーチング
 1 反省を促す問い
 2 問いと覚醒
 3 創造性と問い
 4 緊張をつくる問い
第6章 教育作用の認識論的理解とコーチング
 1 教育学の問題
 2 教育作用の典型
 3 人格的触れ合いと教育
第7章 教育作用における人格的触れ合いの諸相とコーチング
 1 生の共同と愛
 2 ギリシャ的愛・エロスの本質
 3 アガペーの本質
第8章 教育愛の二相構造とコーチング
 1 教育愛とエロス
 2 教育愛とアガペー
 3 教育愛の総合性
 4 教育愛における矛盾性
 5 教育作用の二面性と教育愛
第9章 倫理観・道徳性の類型
 1 道徳的に「善」であること
 2 道徳的に「善」であるとする評価
第10章 倫理観・道徳性の発達契機とコーチング
 1 同一視
 2 条件づけ
 3 模倣
 4 同化と調節
 5 役割取得
第11章 倫理観・道徳性育成の方法原理とコーチング
 1 生成過程への還元の原理
 2 価値葛藤の原理
 3 範例の原理
 4 感化の原理
 5 対話の原理
 6 自己内省の原理
 7 訓育(しつけ)の原理
 8 習慣化の原理
 第Ⅰ部のまとめ
第Ⅱ部 コーチング・モデル構築に関する教授・学習論的考察
 1 教授・学習過程におけるコーチング・モデル
 2 “Teaching”と“Coaching”の相補関係の意味
第1章 コーチング・モデルが求められる背景
 1 コーチングの語源と歴史
 2 パワーシフトとパラダイムの変化
 3 コミュニケーションの変化
 4 協働的な人間関係へ
 5 世界公開性の誤解
 6 一人称での語りかけ
第2章 コーチング・モデルに関する理論的考察
 1 コーチング・フローの確立
 2 コーチング・モデルにおけるキーワード
 3 コーチング・モデルの哲学
 4 コーチングとマネジメント
第3章 コーチング・モデルにおけるコア・スキルの開発
 1 質問のスキル
 2 傾聴のスキル
 3 直観のスキル
 4 自己管理のスキル
 5 確認のスキル
第4章 コーチング・モデルから導き出される学習指導過程
 1 ヘルバルト及びヘルバルト派の指導過程
 2 デューイの指導過程
 3 学習コーチング学による学習プログラム
第5章 コーチング・スキルと発問の機能
 1 発問の機能・役割
 2 授業の成否を握る発問
 3 悪い発問
 4 良い発問
 5 良い発問をするための条件
 6 発問構成の工夫
第6章 コーチング・スキルと話し合いの組織化
 1 人間形成と話し合い
 2 話し合いの意義
 3 話し合いのメカニズム
 4 言語発達と話し合い
第7章 コーチング・スキルとしての児童理解と指導
 1 児童理解の内容と範囲
 2 児童理解の方法
 3 児童理解に関する基本的態度
 4 児童理解の諸相
 5 教育相談の活用
 6 話し合いによる児童理解と指導
第8章 コーチング・スキルとしての板書の効果
 1 板書の基本的性格
 2 板書と子どもたちの思考
 3 板書と子どもたちの活動
 4 板書と指導過程
 5 子どもの発達と板書
 6 板書の技術
第9章 ノート指導におけるコーチング・スキル
 1 学習ノートの教育的意義
 2 学習ノートの活用
 3 発達段階と学習ノート
 4 学習ノートの書き方の指導
 5 ノート指導の留意点
第10章 学習形態の活用におけるコーチング・スキル
 1 学習形態を支える基礎理論
 2 学習形態の機能
 3 良い学習形態とは
 4 悪い学習形態とは
 5 施設・設備と学習形態
第11章 学習環境におけるコーチング・スキル
 1 教育環境としての掲示・展示
 2 子どもに働きかける掲示・展示
 3 掲示・展示の工夫
 第Ⅱ部のまとめ
第Ⅲ部 コーチング・モデルによる教員養成の実証的検討
第1章 学習コーチング学科の成立過程と背景
 1 生涯学習システム学部の設置目的と社会状況の変化
 2 学部の入学・編入学志願状況及び教員免許状取得状況
 3 学習コーチング学科に教職課程を置く必要性
第2章 学習コーチング学科の内容
 1 学習コーチング学科が養成を目指す教師像
 2 ガイダンス・ティーチャー制の導入とクラス編成
 3 開設授業科目と領域
 4 中核となる科目と基本構成
 5 教育課程編成の特色と学生のニーズへの対応
 6 学習コーチング学科の教育課程
第3章 学習コーチング研究会による検証
 1 コーチングの普及と第1回研究会
 2 特別支援教育と第2回研究会
 3 学習コーチングの具体化と第3回研究会
 第Ⅲ部のまとめ
終章 総合考察と今後の課題
 1 本論文のまとめ
 2 本論文の課題と今後の展望
ABSTRACT(英文抄録)
引用・参考文献一覧
あとがき
申し訳ございませんが、只今品切れ中です。
著者山谷敬三郎 著
発行年月日2012年12月15日
頁数558頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1950-9