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産業教育史学研究増補 日本農業教育成立史の研究

定価: 15,400 (本体 14,000 円+税)
農業技術教育の成立過程と特質について分析。(1982年初版)

【著者略歴】
三好信浩(みよし のぶひろ)
1932年 大分県に生まれる  
    広島大学大学院教育学研究科博士課程修了,教育学博士
    茨城大学助教授,大阪市立大学助教授,広島大学教授,
    甲南女子大学教授,比治山大学学長を経て
現 在 広島大学名誉教授,比治山大学名誉教授
専 攻 教育史
目次を表示します。
まえがき
第一編 伝統的農業の技術と教育
 第一章 江戸時代農業技術の特質
  第一節 幕藩体制下の勧農政策
   一 勧農政策の展開
   (一)新田開発政策
   (二)商品農業政策
   二 勧農政策の構造
   (一)農民指導の必要性
   (二)村役人層の役割
   (三)農民教化への変質
  第二節 近世農書の技術と指導
   一 近世農書の農業技術
   (一)近世農書の類型
   (二)宮崎安貞の農業技術観
   (三)農業技術の継承と発展
   二 農業技術の指導方法
   (一)老農体験の意義
   (二)農書普及の意義
   (三)大蔵永常の技術指導観
  第三節 農業技術近代化の限界
   一 技術近代化の萌芽
   (一)実験観察の方法
   (二)開物思想の展開
   二 農業技術観の限界
 第二章 江戸時代農業教育の特質
  第一節 農業教育家の思想と実践
   一 大蔵永常
   二 佐藤信淵
   三 二宮尊徳
   四 大原幽学
   五 宮負定雄
   六 中村直三
  第二節 江戸時代農業教育の態様
   一 イヘとムラの教育機能
   (一)イヘの教育機能
   (二)ムラの教育機能
   二 農業系往来物の普及
   三 農民教化の態様―水戸藩の場合―
  第三節 農業教育近代化の限界
   一 農業教育観の限界
   二 工業教育との差異
第二編 農業技術の近代化と教育
 第三章 農業の近代化政策と教育
  第一節 農業教育政策の形成過程
   一 新政府の勧農政策の構造
   (一)勧農の政治機構
   (二)勧農の政策動機
   二 勧農政策と教育政策の関係
   (一)勧農論の中の教育論
   (二)勧農政策の中の教育政策
  第二節 西洋農業技術の導入過程
   一 技術導入の方法
   (一)直接的方法としての技術移植
   (二)間接的方法としての農書翻訳
   二 西洋技術の受容
   (一)実地試行の事例―津田仙の媒助法
   (二)啓蒙農書の成立―小学農業教科書
   三 伝統技術の継承
   (一)近世農書の再刻
   (二)近世農書の評価
  第三節 農業技術教育の組織過程
   一 試験研究の組織化
   (一)政府の試験研究
   (二)府県の試験研究
   二 技術伝習の組織化
   (一)展示の形態
   (二)談話の形態
   (三)講習の形態
   三 学校教育の組織化
   (一)農業学校の組織主体
   (二)農業教育の成立条件
 第四章 農業専門教育機関の成立
  第一節 駒場農学校の成立
   一 西洋モデルの受容形態
   (一)イギリス人教師の招聘
   (二)ドイツ人教師との交代
   二 農業教育の特質
   (一)学則の整備と教育の展開
   (二)ベグビー解雇事件の意味
   三 農業教育の成果
   (一)教授陣の業績
   (二)卒業生の業績
  第二節 札幌農学校の成立
   一 西洋モデルの受容形態
   (一)アメリカモデルの選択
   (二)アンチセル解雇事件の意味
   二 農業教育の特質と成果
   (一)農業教育の特質
   (二)農業教育の成果
  第三節 公私立農学校の成立
   一 学農社農学校
   (一)津田仙の教育構想
   (二)学農社の教育実績
   二 府県立農学校
   (一)府県立農学校の成立―石川県の場合
   (二)府県立農学校の教師
   (三)府県立農学校の廃止―福岡県の場合
 第五章 農業教育の法制化と構造
  第一節 農業教育法制の成立
   一 管轄権をめぐる確執
   (一)文部省と農商務省の対立
   (二)太政官裁定後の経緯
   二 農業教育領域の拡大
   (一)内容領域の拡大―林学教育の場合
   (二)対象領域の拡大―小学校教育の場合
   三 文部省支配の確立
   (一)農学校の再編成
   (二)農科大学の法制
   (三)実業教育の法制
  第二節 近代農業教育の構造
   一 制度的構造
   二 内容的構造
   (一)西洋技術と伝統技術の関係
   (二)農業教育における学理と実地の関係
  第三節 農業教育成立の特質―工業教育との比較―
   一 西洋モデル受容形態の特質
   (一)西洋モデルの選択
   (二)モデル受容の係争
   二 農業教育成立阻害要因
   (一)学問的性格
   (二)技術的性格
   三 農業教育成立の意義
人名・事項索引
補遺 大蔵永常論―広益国産の思想
著者三好信浩 著
発行年月日2012年07月31日
頁数570頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1938-7
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