博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

現代イギリス歴史教育内容編成論研究

歴史実用主義の展開

定価: 8,800 (本体 8,000 円+税)
現代イギリス(イングランド)において成立した多様な歴史教育論を教科書を手がかりに教育内容編成の観点からシークエンスにも着目し、体系的に究明した新著。

【著者略歴】
竹中伸夫(たけなか のぶお)
1978年 和歌山県に生まれる
2001年 広島大学教育学部教科教育学科卒業
2003年 広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了
2006年 広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了
広島大学より博士(教育学)の学位を授与される
2006年 広島大学大学院教育学研究科助手(2007年3月まで)
2007年 就実大学人文科学部講師(2011年3月まで)
2011年 就実大学教育学部講師
現在に至る
目次を表示します。
序章 本研究の目的と方法
 第一節 研究の目的
 第二節 本研究の意義と特質
 第三節 研究方法と本論文の構成
第一章 歴史教育内容編成論の類型化
 第一節 分析枠組みとしての教育目標の原理的可能性
 第二節 現代イギリス歴史教育改革の歴史と特質
     ―歴史カリキュラム発展に見られる漸進的構造―
 第三節 歴史教育内容編成論の諸類型
第二章 歴史的歴史認識形成のための歴史教育内容編成論の成立
 第一節 政治史教授型歴史教育内容編成論の成立
     ―課題としての歴史教育内容編成に対する構造と原理の必要性―
 第二節 政治史教授型歴史教育内容編成
     ―『進歩する歴史』シリーズの場合―
   1.ジュニア・シリーズの全体構成―過去の人物を手がかりとしたヨーロッパと自国の発展過程―
   2.ジュニア・シリーズの単元構成―過去の人物が行なった行為とその意図の通念的理解と歴史の特異性の把握―
   3.シニア・シリーズの全体構成―過去の出来事を手がかりとしたヨーローッパ社会の共時的・通時的把握―
   4.シニア・シリーズの単元構成―過去の出来事の通念的理解と歴史の関連性の把握―
   5.カリキュラム編成構造と原理―歴史的事象の把握対象の変化による内容構成―
 第三節 社会史教授型歴史教育内容編成論の成立
     ―課題としての教育内容編成構造の脆弱性からの脱却とそれに基づく教育内容編成構造改革の方略―
 第四節 社会史教授型歴史教育内容編成
     ―『焦点化した歴史』シリーズ,『発展する世界』シリーズの場合―
   1.『焦点化した歴史』シリーズの全体構成―生活様式に基づくある時代のイングランド社会の構造的特質とその変遷―
   2.『焦点化した歴史』シリーズの単元構成―構造の単線的因果関係による解明から複線的因果関係による類推へ―
   (1)前半の単元構成
   (2)後半の単元構成
   3.『発展する世界』シリーズの全体構成―ヨーロッパ社会の歴史的発展過程―
   4.『発展する世界』シリーズの単元構成―変化の構造の単線的解明から複線的類推へ―
   (1)前半の単元構成
   (2)後半の単元構成
   5.カリキュラム編成構造と原理―歴史社会に対する研究視点の変化による内容編成―
 第五節 歴史的歴史認識形成のための内容編成の特質と限界
   1.内容編成構造と原理―歴史実在主義にもとづく内容編成論―
   2.内容編成の限界
第三章 歴史的社会認識形成のための歴史教育内容編成論の成立
 第一節 社会構造教授型歴史教育内容編成論の成立
     ―課題としての教育内容選択規準の明確化とそれに基づく教育内容編成構造改革の方略―
 第二節 社会構造教授型歴史教育内容編成
     ―『絵で見る歴史』シリーズ,『ブリテンと世界』シリーズの場合―
   1.『絵で見る歴史』シリーズの全体構成―自国の社会生活史―
   2.『絵で見る歴史』シリーズの単元構成―一側面的社会像の形成から多側面的社会像の形成へ―
   (1)前半の単元構成
   (2)後半の単元構成
   3.『ブリテンと世界』シリーズの単元構成―自国の社会構造史と現代世界の社会構造成立史―
   4.『ブリテンと世界』シリーズの単元構成―一般的社会像の形成から複合的社会像の形成へ―
   (1)前半の単元構成
   (2)後半の単元構成
   5.カリキュラム編成構造と原理―歴史社会の構造的内容編成―
 第三節 社会機能教授型歴史教育内容編成論と社会問題教授型歴史教育内容編成論の成立
     ―課題としての教育内容選択規準の明確化とラディカルな教育内容編成構造改革の結実―
 第四節 社会機能教授型歴史教育内容編成―『街とその周辺』シリーズ,『社会生活』シリーズの場合―
   1.『街とその周辺』シリーズの全体構成―ブリテン島社会の現象的特質の個別的・連続的把握―
   2.『街とその周辺』シリーズの単元構成
      ―特定の社会の固有性・特異性の把握から特定の社会における変容性・現代社会との相違性の把握へ―
   (1)単元「口述の歴史」における学習内容の構造性
   (2)単元「産業革命:工場と鉱山」における学習内容の構造性
   3.『社会生活』シリーズの全体構成―現代社会の構造的特質の関連的把握―
   4.『社会生活』シリーズの単元構成―特定の社会における変容性・現代社会との関連性の把握―
   5.カリキュラム編成構造と原理―現代社会の機能的内容編成―
 第五節 社会問題教授型歴史教育内容編成
     ―『社会問題』シリーズの場合―
   1.全体構成
   (1)第一巻の単元構成―間接民主主義社会としてのイングランド社会理解を意図した社会問題の配列―
   (2)第二巻の単元構成―論理的思考の育成を目的とした社会問題の配列―
   2.単元構成にみる社会問題学習の三つの段階
   (1)社会問題把握学習としての社会問題学習
   (2)問題構造分析学習としての社会問題学習
   (3)多面的考察学習としての社会問題学習
   3.内容編成構造と原理
 第六節 歴史的社会認識形成のための内容編成の特質と限界
   1.内容編成構造と原理―歴史科学主義にもとづく内容編成論―
   2.内容編成の限界
第四章 社会的歴史認識形成のための歴史教育内容編成論の成立
 第一節 課題としての教育内容観の見直しとそれに基づく教育内容編成構造改革の方略
 第二節 方法的認識形成型歴史教育内容編成―1991年版ナショナル・カリキュラム「歴史」の場合―
   1.1991年版ナショナル・カリキュラム「歴史」の全体構成
   (1)ナショナル・カリキュラムの特質と教科構成
   (2)「学習プログラム」の全体構成
   (3)「到達目標」の全体構成
   2.KS1の内容編成―生活様式の特異性の把握―
   3.KS2の内容編成―生活様式の変容の把握―
   4.KS3の内容編成―過去社会の総合的・構造的把握―
   5.KS4の内容編成―現代社会の形成過程の総合的・構造的把握―
   6.カリキュラム編成構造と原理―歴史社会の分析的内容編成―
 第三節 社会的歴史認識形成のための内容編成の特質
     ―歴史構成主義にもとづく内容編成論―
第五章 歴史教育内容編成の原理と方法
 第一節 歴史教育内容編成の原理と構造
 第二節 歴史教育内容編成論の展開とその可能性
   1.課題解決の連鎖としての教育内容編成論改革
   2.歴史教育の実用主義化としての教育内容編成論改革
   3.イギリスにおける歴史教育内容編成論の展開可能性
終章 総括と今後の課題
分析対象・参考文献
あとがき
著者竹中伸夫 著
発行年月日2012年02月15日
頁数440頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1891-5