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現代米国の教員団体と教育労働法制改革

公立学校教員の労働基本権と専門職性をめぐる相克

定価: 8,800 (本体 8,000 円+税)

労働法をモデルとして形成された米国の教員法制。そこで展開された教員団体の運動を手がかりに、教師の労働基本権と専門職性をめぐる問題を検討する。

【著者略歴】
髙橋 哲(たかはし さとし)
1978年 埼玉県浦和市に生まれる
2001年 埼玉大学教育学部卒業
2007年 東北大学大学院教育学研究科博士課程後期3年の課程単位取得退学
2007年 日本学術振興会特別研究員(一橋大学)
2008年 博士(教育学)
2008年 中央学院大学専任講師
現在 埼玉大学准教授
目次を表示します。
はしがき
序章 本研究の課題と方法
 第1節 本研究の課題
 第2節 本研究の方法
 第3節 先行研究の検討
  (1)日本における先行研究
  (2)米国における先行研究
 第4節 本研究の構成
第Ⅰ部 教員団体交渉の制度化と教員団体の「組合化」
第1章 1960年代の教員団体交渉制度をめぐる教員団体の運動分析
 はじめに
 第1節 教員団体交渉制度をめぐるNEAの対応
  (1)ニューヨーク市における団体交渉協約の締結とNEAの動揺
  (2)「専門的折衝」と「専門的サンクション」の登場
 第2節 NEAとAFTの教員団体交渉をめぐる法制度論争の分析
  (1)NEAの「専門的折衝」論
  (2)AFTの「団体交渉」論
 第3節 AFTの団体交渉戦略
 第4節 その他の教育諸団体における教員団体交渉をめぐる方針
  (1)全米中等学校長協会の「審議会」案
  (2)アメリカ教育行政官協会の「助言的協議」案
  (3)全米教育委員会協会における反団体交渉論
 小結
第2章 各州における初期教育労働法制の分析
 はじめに
 第1節 排他的代表制の普及
 第2節 交渉範囲の定義
 第3節 学校管理職の位置づけ
 第4節 交渉の調停・仲裁機関
 第5節 教員の争議行為をめぐる規定
 小結
第3章 1960~70年代における教員団体の組織構造改革の分析
    ―NEAの「組合化」(unionization)のプロセス―
 はじめに
 第1節 NEAの教員ストライキをめぐる方針の転換
  (1)ストライキ禁止を前提とする改革の漸進期
  (2)ストライキ容認に至る本格的改革期
 第2節 NEAの組織構造改革
  (1)一般教員の幹部化施策
  (2)統一メンバーシップの採用
 第3節 NEA新綱領・新規約の制定
  (1)新綱領・新規約における一般教員の地位
  (2)会長と事務総長における権限関係の変化
 小結
第4章 1980年代教育改革提言をめぐる教員団体の運動分析
 はじめに
 第1節 AFTの対応
  (1)全国教員テストの提言
  (2)不適格教員問題と同僚教員評価論
 第2節 NEAの対応
  (1)全国教員テスト批判
  (2)「州スタンダード委員会」論
 第3節 教育改革と教員団体の運動をめぐる争点
 小結
第Ⅱ部 教育労働法制改革と教員団体の専門職団体化施策
第5章 1990年代以降の教育労働法制改革の分析
    ―ミシガン州公務雇用関係法の改正問題を中心に―
 はじめに
 第1節 各州教育労働法制改革の動向
  (1)イリノイ州教育労働関係法の改正(PA89-15)
  (2)オレゴン州公務員団体交渉法の改正(Chapter 286 of 1995)
  (3)ペンシルバニア州学校法の改正(Act 88)
  (4)各州教育労働法制改革の特色と問題点
 第2節 ミシガン州公務雇用関係法の法制度
  (1)1947年ハッチンソン法
  (2)1965年公務雇用関係法
 第3節 1994年公務雇用関係法の改正(Public Act 112 of 1994)
 第4節 公務雇用関係法改正の合憲性をめぐる州最高裁判決の分析
  (1)「結社の自由」に関する見解
  (2)「平等保護」条項に関する見解
  (3)「言論の自由」にもとづくストライキに関する見解
 小結
第6章 教員団体の専門職団体化施策と労働法問題 
    ―NEA・AFTの同僚教員支援評価を中心に―
 はじめに
 第1節 産業型組合批判と専門職団体論
  (1)教員団体の正当性をめぐる論点
  (2)教員団体をめぐる専門職団体論議
 第2節 NEA・AFTの同僚教員支援評価の構造
 第3節 教育労働法制と同僚教員支援評価をめぐる法的問題
  (1)「交渉単位」をめぐる問題
  (2)「公正代表義務」をめぐる問題
 小結
第7章 公教育の市場化・脱規制化改革における教員団体の運動分析
    ―NEA・AFTのチャーター・スクール対策の検討―
 はじめに
 第1節 チャーター・スクールによる教育労働法制の“間接的改革”状況
  (1)チャーター・スクールにおける教員の雇用・労働条件をめぐる問題
  (2)NEA・AFTのチャーター・スクール調査にみる両教員団体の認識
 第2節 NEA・AFTのチャーター・スクールへの対応
  (1)NEAの対応
  (2)AFTの対応
  (3)教員団体の新たな展開
 小結―チャーター・スクール改革にみる教員団体、教育行政の課題―
終章 結論と今後の課題
参考文献・資料一覧
あとがき
索引
著者髙橋哲 著
発行年月日2011年02月28日
頁数306頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1853-3