教育学におけるニーチェ受容史に関する研究
1890-1920年代のドイツにおけるニーチェ解釈の変容
定価:
9,350
円(本体
8,500
円+税)
- 目次を表示します。
-
序章 研究の課題と視座
1.研究の課題
2.先行研究の検討
3.研究の視座
第1章 1890年代ドイツのニーチェブーム
第1節 ニーチェ受容の前史
1.ニーチェの生涯と思想
2.同時代人の無反応
第2節 青年とニーチェブーム
1.ニーチェブームの到来
2.ニーチェブームの風景―小説『超人クラブ』より
3.ニーチェブームの分析
小括
第3節 年長世代の反応―ニーチェ派/反ニーチェ派の対立構図
1.ニーチェブームに対する危機意識―反駁書の成立経緯と概要
2.批判される「超人」思想
3.喧噪の時代
第2章 1890年代アカデミズムが見たニーチェ思想
第1節 若き社会学者テンニースの反応
1.若きテンニースとニーチェ思想―1873-1883年
2.後期思想に対する批判―1893年以降
3.1890年代アカデミズムの限界―テンニースのニーチェブーム批判から
第2節 精神病理学的な関心
1.テュルク
2.ノルダウ
3.シュタイナー
4.精神病理学的ニーチェ論の意味
第3節 ニーチェ思想の学問化
1.喧噪からの距離の確保
2.学問化されるニーチェ思想
第4節 教育学におけるニーチェ受容の前史―パウルゼンとツィーグラーの場合
1.教育学者パウルゼンが見たニーチェ思想
2.教育学者としてのツィーグラーとニーチェ思想
小括
第3章 「教育学者ニーチェ」の発見
第1節 E.ヴェーバー教育学の特質
1.ヴェーバーのプロフィールと研究動向
2.ヴェーバーの人格的教育学―教師の地位向上を求めて
3.新教育運動への批判―1910年論文「キャッチフレーズ教育学」より
4.学問的な確実性の必要性
5.教育学の自律性を求めて―1905年論文「もう一度『実験教育学』」より
小括
第2節 1907年著作『若きニーチェの教育学的思想』
1.成立経緯と構成
2.ニーチェの初期思想への限定化
3.「教育学者としてのニーチェ」という解釈モデルの提示
第3節 「教育学者」モデルの同時代的意味
1.比較対象のプロフィールとその妥当性
2.ヴェーバー以前の教育学におけるニーチェ評価
3.初期思想の限定的受容という戦略
第4章 「教育者としてのニーチェ」論の成立背景
第1節 「教育学者」モデルに対する違和感
1.1907年以後の教育学におけるニーチェ論
2.ハーヴェンシュタインによる批判的書評
第2節 ニーチェ思想の人格化―コンラートの場合
1.自然主義文学運動とコンラート
2.1890年代の喧噪とその批判
3.学問化から人格化へ
小括
第3節 「教育者」の条件
1.「教育者」概念の意味内容
2.「教育者としてのニーチェ」という表記の問題
第4節 青年におけるニーチェ受容形態の変遷―1890年代の熱狂的ブームから1910年代の静かな読書へ
1.ニーチェブームの終焉
2.ニーチェ読書の普及
3.ニーチェ読書という行為の特質
第5章 「教育者ニーチェ」の誕生
第1節 ハマーの1914年著作『教育者としてのニーチェ』
1.青年運動家ハマーとニーチェ思想
2.『教育者としてのニーチェ』の概要
3.「教育者としてのニーチェ」という解釈モデル
第2節 ニーチェ読書の弊害―青年の「自殺」問題
1.「毒殺者」としてのニーチェ
2.ニーチェ読書による「自殺」のメカニズム
3.ニーチェ読書禁止令とその限界
小括
第3節 「教育者」モデルの特質と意味
1.「教育者」か「毒殺者」か―ニーチェ読書への高い依存性
2.優生学的思想としての「超人」―ニーチェ解釈上の内的関連性の希薄さ
3.教育者としてのウィンタースポーツ―煽動者としてのハマー
4.ハマーの1914年著作『教育者としてのニーチェ』の意味
第4節 ハーヴェンシュタインの「教育者としてのニーチェ」論
1.1921年論文・1922年著作の成立経緯と概要
2.ヴェーバーの「教育学者」モデルの批判的克服
3.「教育学者」と「教育者」―2つのニーチェ解釈モデルの特質と意味
結章 教育学とニーチェ思想との関係性再考
1.総括―教育学とニーチェ思想との関係性の歴史的検討
2.1890-1920年代のドイツ教育学におけるニーチェ受容の特質
3.教育学とニーチェ思想との関係可能性―受容史研究のアクチュアリティ
参考文献
1890-1920年代のドイツにおけるニーチェ受容史関連年表
あとがき