近代日本地方教育行政制度の形成過程
教育制度と地方制度の構造的連関
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まえがき
序章
はじめに
第一節 権力をめぐる考察
一 教育をめぐる権力構造
二 近代日本地方制度における権力構造
第二節 一八八〇年代における教育制度と地方制度の改変に関する先行研究の検討
第三節 本研究の方法と構成
第Ⅰ部 教育制度と地方制度の制度内容上の連関
はじめに
第一節 近代日本地方制度における事務配分
第二節 地方制度における戸長・総代・町村長に関連する内容改変の検討
第三節 教育制度における学務委員・学区・小学校教育費に関する改変内容の検討
第四節 教育制度と地方制度によって形成された教育の統制構造
第Ⅱ部 一八八四年戸長官選化の教育史的意味
第一章 戸長官選化の政治経済的背景
第一節 戸長官選化の政治的背景
一 政策者の意図
二 『府県史』にみる官選戸長制に対する一般民衆の反応
第二節 戸長官選化の社会経済的背景
一 全国の経済的概況
二 埼玉県・鳥取県・山梨県の各県における戸長選挙法の変化
小括
第二章 戸長官選化の実態分析
第一節 山梨県・群馬県・埼玉県における公選戸長・官選戸長・市町村長の人物交代についての分析
第二節 埼玉県・鳥取県・群馬県・山梨県における官選戸長の実態分析
一 任期継続性
二 官選戸長の属性
1 戸長の年齢
2 社会経済階層
①士族戸長の増加について
②官選戸長の経済階層
③官選戸長の履歴
④学事関係履歴と官選戸長との関係
三 官選戸長の社会性
1 「戸長拒辞」
2 連合町村の住民であるか否か
小括
第三章 官選戸長制と小学校設置問題―山梨県東八代郡黒駒村の事例―
はじめに
第一節 山梨県の戸長に対する行政
第二節 黒駒村における小学校設置一と学資金をめぐる論争
第三節 官選戸長と前公選戸長の対立
小括
総括
第Ⅲ部 町村住民の反発緩衝と地方教育行政
第一章 一八八〇年代の学区制度と連合村行財政―群馬県南勢多郡富士見村原之郷の事例―
はじめに
第一節 府県による小学校設置政策
第二節 学区と小学校設置問題をめぐる群馬県南勢多郡原之郷の事例
一 県教育行政
二 原之郷の歴史概略
三 原之郷と横室との関係
四 原之郷の小学校設置問題の概要
五 連合村内の葛藤と横室・引田村の離反
六 学校頼母子の世話役の変化
七 原之郷の養蚕業の発展と原小学校
八 まとめ
小括
第二章 村落社会の二重構造と町村学事―高知県安芸郡川北村の事例―
はじめに
第一節 一八八〇年代町村行政の変貌
一 行政村と自然村について
二 地方三新法期の町村行政
三 「明治一七年改革」と町村行政
第二節 高知県安芸郡川北村の概要
一 川北村の概況
二 一八八〇年以前の川北村村会の概況
第三節 村会議事録からみる川北村の行政と学事運営
一 官選戸長期以前の川北村村会の概況
二 村財政における小学校教育費
三 安芸村外七ヶ村連合村議会
四 連合町村制下の学事運営
五 部落会の創設
六 総代選出から町村制実施前の合併反対運動に至るまで
小括
第Ⅳ部 学務委員の廃止と復活
第一章 市制町村制の成立過程における教育事務の国家化―学務委員規定に関する条項の消滅過程―
はじめに
第一節 市制町村制の教育史的意味
一 市制町村制と教育事務の国家化
二 市制町村制と第二次小学校令の学務委員に関する規定関係
第二節 教育事務の国家化と学務委員規定条項の消滅過程
一 教育は「全国ノ公益ニ出ツルモノ」と説明されるまでの過程
二 常置委員の職務の変化と学務委員規定条項の消滅過程
第三節 学務委員条項消滅の教育政策的背景
一 再改正教育令による学務委員廃止の理由
二 市制町村制草案作成者の教育事務に対する考え方
三 市制町村制草案作成過程における常置委員設置をめぐる論争
小括
第二章 学務委員廃止後に設置された学事に関わる委員
はじめに
第一節 委員をめぐる全国の概況と学事委員設置地域
一 各府県市町村と内務・文部省との往復文書と学事委員設置
二 学務委員廃止前後の学事をめぐる統計的検討
三 対象地域における学務委員の廃止前の職務
第二節 学事委員の実態
一 山梨県北巨摩郡篠尾村清春村小淵沢村連合村の事例
二 千葉県長柄郡北塚村の事例―簡易科設置要求―
三 茨城県猿島郡生子村の事例
小括
結章
あとがき
参考資料
参考文献一覧
初出一覧